千葉パーキンソン病ワークショップ2

 関東中央病院織茂智之先生からは、MIBG心筋シンチに関するご講演がありました。多系統萎縮症では心臓自律神経の節前線維が障害されるのに対し、パーキンソン病では節後線維のアドレナリン作動生神経が障害されます。ノルアドレナリンのアナログであるMIBGは、左室によく集積し、体内でも代謝されないそうです。前期像は脱神経、ノルアドレナリントランスポータ(NAT)・小胞モノアミントランスポータ(VMAT)の障害を反映、後期像はexocytosisの亢進などを反映していて、パーキンソン病の診断には後期像がより有用。PARK2はLewy小体がありませんのでMIBG心筋シンチも正常、PARK8はLRRK2の障害ですが低下する場合と正常の場合がある。PARK1と4は低下。incidentalに見つかったLewy body disease(ILBD)やREM睡眠時行動異常など、多数のご研究があります。たとえばこちら
 織茂先生は楢林賞受賞など数々の業績があり、現在日本の神経内科医で最も世界から注目を浴びている先生のお一人ですが、これらの業績を臨床業務の合間になさっているということ、恐れ入ります。それから、MIBG心筋シンチは、例えばH/M比で評価するわけですが、「比」にも関わらず、しかも心臓という大きなターゲットにもかかわらず、SPECT機種によって数値が変わります。しかし、この標準化を現在検討中だそうです。


この図は、富士フィルムRIファーマ株式会社のサイトにあります。

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