第2回城東PDセミナー

 浅草ビューホテルで開催された、第2回城東PDセミナーに出席しました。東京慈恵会医科大学青戸病院神経内科の鈴木正彦先生が昨年企画された研究会です。entacaponeのHoneymoon studyはこちら
 東京都健康長寿医療センター附属診療所の石井賢二先生からは、パーキンソン病のPETに関するご講演がありました。アルツハイマー病のバイオマーカーは研究が進んでいますが、パーキンソン病は全身病、まだまだハードルが高いです。パーキンソン病におけるPETについてはこちらをご参照ください。大脳基底核のsomatotopyの論文はこちら。その他に、ドパミントランスポータ(DAT)の新しいリガンドとして、11C-Nomifensineというのがあるようです。日本ではMIBG心筋シンチが普及していますが、特異度は高くても初期の感度が低い、つまり、集積低下がない初期パーキンソン病が見落とされます。11C-CFT PETは、感度は高いですが特異度は低い、つまり、パーキンソン病以外のパーキンソニズムを呈する疾患でも低下します。もし日本でもSPECTのDATリガンドが使用できるようになれば、これとMIBGを組み合わせて画像診断するのが良いだろうということでした。その論文はこちら。レヴィ小体型認知症では後頭葉のFDG集積が低下しますが、ベンゾジアゼピン受容体を画像化する11C-flumazenilの集積は低下しません。つまり細胞が減少しているわけではないということなので、コリン系などのremote effectなんでしょう。視覚の認知は、見ているもの全てを認知するというよりは、見ている一部は補間しています。レヴィ小体型認知症の幻視は、一次視覚野からの信号減少により、視覚連合野などが勝手にイメージを出してしまっている状態(見えていないものまで勝手に補間?)なんでしょうか?
 京都大学高橋良輔先生からはパーキンソン病治療のガイドラインについてのご講演がありました。間もなく完成予定だそうです。Mindsのガイドラインの手引きに則って作成されました。詳細をこのブログで書くのはフライングかなあ。2002年のバージョンにはなかった、entacaponeやzonisamidが加わり、非運動症状についてのクリニカルクエスチョンが多くなったそうです。初期治療に関するSchapira先生の論文はこちら



 浅草ビューホテルの最上階のバーからは、東京スカイツリーがよく見えました。

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