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第10回日本認知症予防学会学術集会

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2021年6月24日〜26日に開催された 第10回日本認知症予防学会学術集会 (学会理事長および大会長:鳥取大学浦上克哉教授)において、日本医科大学武蔵小杉病院認知症疾患医療連携協議会が報告した「2019年台風15号・19号における高齢者・認知症患者支援に関する川崎市南部の実態調査」が浦上賞を受賞しました。  日本医科大学武蔵小杉病院は川崎市の認知症疾患医療センターであり、年2回以上協議会を開催します。協議会は、川崎市医師会・川崎市看護協会・川崎市介護支援専門員連絡会・川崎市認知症コールセンター・川崎南部の幸地域包括支援センター・中原区地域みまもり支援センター・川崎市健康福祉局地域包括ケア推進室・日本医科大学武蔵小杉病院認知症センターで構成されています。 令和元年東日本台風では川崎市は甚大な被害を受けました 。2020年2月の協議会で台風での事例が多数報告され、4 月には川崎市が926ページに渡る膨大な資料を公開しました 。私たちはこれらの資料を基に台風における認知症・介護の関する問題点・対策を検証しました。コロナ禍のため 日本医科大学街ぐるみ認知症相談センター の部屋が日本医科大学武蔵小杉病院の発熱者外来に使われることになり、一時センターを休止せざるを得ない時期でした。在宅勤務となったスタッフを中心に、大量の資料を隅から隅まで目を通し、認知症や介護に関連する項目をピックアップしました。 避難行動のための「マイタイムライン」の作成 ・避難所の最適化などを提言しました。  地震と異なり、台風は予想できる災害です。皆様も、自治体が公開しているハザードマップや避難所の情報を参考に、各家庭で「マイタイムライン」を作成することをお勧めします。 7月12日〜28日にオンデマンド配信が始まります。

第32回関東パーキンソン病勉強会

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第32回関東パーキンソン病勉強会がzoomで開催されました。  第30回は こちら 。 第29回は こちら 。 第24回は こちら 。 今回のテーマはパーキンソン病と睡眠。 慶應義塾大学神経内科の関守信先生からは、glymphatic systemについて。髄液が脳表のくも膜下腔から動脈周囲の血管周囲腔を通じて脳内へ、アストロサイトのアクアポリン4のチャンネルを通じて脳実質内に流れ込み老廃物を洗い流す。これが静脈周囲の血管周囲腔に流入し脳の外に流れ出るという排泄システム。Lancet Neurolの総説は こちら 。運動でこのシステムか活性化、 こちら 。睡眠中にこのシステムが作動、 こちら と こちら 。 頸部のリンパ節結節時、パーキンソン病モデルでαシヌクレイン蓄積が進む、 こちら 。 獨協医科大学の平田幸一先生からは、睡眠障害の講演でした。加齢とともに睡眠時間が減少、 こちら 。 パーキンソン病の非運動症状の総説は こちら 。日本の高齢者のREM睡眠時行動障害の頻度と特徴は こちら 。睡眠障害とパーキンソン病リスクについては こちら 。

第48回神奈川PET・SPECT研究会ー脳ー

 第48回神奈川PET・SPECT研究会ー脳ーがTeamsで開催されました。私が当番世話人でしたが、所属が神奈川県では無くなったので、今回が最後です。 藤田医科大学放射線医学の乾好貴先生からは、脳血流SPECTの読影についてご講演いただきました。アルツハイマー病パターン、レヴィ小体型認知症パターンであっても、別疾患のことがある。iNPHだとしてもアルツハイマー病やレヴィ小体型認知症を合併していることあり。実臨床は難しいです... 帝京大学医療技術学部の伊藤利宗先生からは、アンガー型ガンマカメラとの違いなど半導体SPECTについて解説いただきました。 かわさき記念病院精神科の藤城弘樹先生からは、認知症の核医学画像についてご講演いただきました。軽度認知障害(MCI)の前の段階、subjective cognitive decline(SCD)については、核医学画像の選択や診断後の説明・ケアについて解説されました。SCD・MCIから認知症に移行、アルツハイマー病が多い。 こちら 。SCDなどステージングの定義は こちら 。藤城先生のレヴィ小体型認知症の前駆症状の論文は こちら 。藤城先生も共著のレヴィ小体型認知症前駆状態(MCI with Lewy bodies: MCI-LB、Delirium-onset DLB、Psychiatric-onset DLB)の診断基準は こちら 。MCI-LBのNewcastleのデータは こちら 。Mayo Clinicのデータは こちら 。藤城先生の、REM睡眠時行動障害とMIBG心筋シンチを用いたレヴィ小体型認知症前駆状態の診断の論文は こちら 。incidentalなレヴィ小体型認知症の病理は こちら 。藤城先生のレヴィ病理・アミロイド病理の論文は こちら 。REM睡眠時行動障害は男性に多い印象ですが、実際は女性にも軽いREM睡眠時行動障害ありと。REM睡眠時行動障害患者のアミロイド蓄積は こちら 。アルツハイマー病の場合は発症前診断ではアミロイド抗体薬となりそうですが、レヴィ小体型認知症の前駆状態での診断では、向精神薬を避ける、運動を推奨するなどやるべきことがあると。

旗の台神経セミナー

 旗の台神経セミナーがzoomで開催されました。 東京都健康長寿医療センターの今林悦子先生から、認知症でのSPECT画像について講演がありました。 今林先生のcingulate island signの論文は こちら と こちら 。 Futamuraらのcingulate island signの論文は こちら 。