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「第1回千葉県脳卒中連携の会」運営会議

千葉県医師会大会議室で開催された、「第1回千葉県脳卒中連携の会」運営会議に参加しました。 第1回千葉県脳卒中連携の会にご参加希望の方は、 PDF をダウンロードしてください。

All-in-One Mac Project for Neuroimaging: MacでDr.View/Linuxを走らせる

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 MacでDr.View/Linuxを走らせるための 非公式マニュアルを公開しました 。

「第1回千葉県脳卒中連携の会」第2回プログラム委員会

東京湾岸リハビリテーション病院で開催された、「第1回千葉県脳卒中連携の会」第2回プログラム委員会に出席しました。

ウイングアーク テクノロジーズ

印旛脳卒中地域連携パス で千葉県共用パスに移行するには、私の作成したデータベースを大幅改変する必要があるのですが、なかなか時間が... そこで業者を当たっていたのですが、電子データとして出せないなど、制限がありました。今日は、 ウイングアーク テクノロジーズ のStraFormのプレゼンテーションをお聞きしました。私としては満足なシステム。後は導入費用。導入にこぎつけるかどうか...

第二内科の忘年会

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  Elements で開催された、日本医科大学第二内科の忘年会に参加しました。普段千駄木本部に行かないので、貴重な情報収集。 印旛脳卒中地域連携パス にもご参加いただいている、 九十九里病院 にもバイトを出しているそうな。そして、 いすみ医療センター にも。これら山武長生夷隅保健医療圏は、端っこの勝浦市にある塩田病院以外に常勤の脳卒中専門医がいるところがなく、必要な場合は、千葉県循環器病センターや亀田総合病院にお願いしているそうです。ちょっと前は、山武市は印旛と一緒だったんですが。ウーム。今後千葉県の急性期脳卒中診療体制を整えなければならないのですが、昼間はドクターヘリを活用して保健医療圏を取っ払った発想が必要かもしれません。

エパデールS発売10周年記念講演会

 パレスホテル大宮で開催された、エパデールS発売10周年記念講演会に行きました。  徳島大学佐田正隆先生は、JELISで証明されたEPAの作用機序について解説がありました。細胞膜を構成するアラキドン酸(AA)がイコサペント酸(EPA)に替わることにより、血小板凝集や 炎症作用が減弱 します。単に脂質異常の改善だけではないようです。心筋梗塞は、動脈硬化により徐々に狭窄が進行することは少なく、ほとんどは脂質沈着に富んだプラークが破綻して閉塞し起こるのだそうです。そのプラークには新生血管ができて、プラークに栄養や細胞を送り、プラークが大きくなっていく。この新生血管をEPAは減らします。EPA/AAは欧米では0.1くらい、魚食の日本人は0.5くらい。これをエパデール内服で1以上にし、JELISの結果になるわけです。  小倉記念病院横井宏佳先生は、インターベンション医の立場から、EPAの効果が説明されました。薬剤溶出性ステント(DES)が再狭窄を減少させましたが心臓死は減らさないことは 以前書きました 。LDLが100mg/dl以下にコントロールされていても、心筋梗塞が再発することは少なくないのですが、多くは再狭窄ではなく、新規病変が起こってしまう。コレステロールとは独立したリスクとして、低EPAがある。ECAS前に1ヶ月statinとEPAを投与しプラークを安定化、その後CASを実施すると、広げたときに微小血栓が末梢に飛ぶのを防げるらしいです。  岡山大学伊藤浩先生は、AAとEPAの違い、インスリン抵抗性、EPAは魚の体内で作られるのではなく、植物性プランクトンを食して体内に蓄積していることなど、お話がありました。  パネルディスカッションで、心血管イベントの予防におけるEPAの役割について議論されました。

臨床班忘年会

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 パークホテル東京のサロン クリストフルで臨床班忘年会を開催しました。シェフは 吉野建さん 。  SPECT、アミロイド、電子カルテや研修医制度などなど、さまざまな話題とフレンチを楽しみました。

千葉県共用地域医療連携パスワーキンググループ第3回脳卒中部会

千葉県医師会で開催された、千葉県共用地域医療連携パスワーキンググループ第3回脳卒中部会に出席しました。ご開業の先生方にまだまだ浸透していない実態が明らかになりました。 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) でがんばっているつもりでしたが、印旛地区も例外ではないようです。一つはわかりづらいということ。もう一つは、脳卒中後の患者さんなので、在宅リハなどの体制が整っているクリニックに集中しているのかもしれません。また、回復期施設退院後にリハビリテーションが中止されてしまい、廃用が進む傾向にあるようです。 以前書いた相澤病院のように 、千葉県でもリハビリテーション専門医の定期的なチェック体制が必要です。

カウンターが1万を突破しました

このブログのカウンターが1万を突破しました。ありがとうございます。 Google Analytics によると、このブログは毎日50〜100人の閲覧があります。今後ともよろしくお願いいたします。

Fores Of OppressionがJ-waveで

祝賀会の帰り、J-waveの番組「 Otoajito 」で、The Pop GroupのFores Of Oppressionが流れました。ゲストの大沢伸一さんは2つ違いか... Fores Of Oppressionが入っているレコード、「For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?」はずっと手元にあったのですが、家のスペースがいよいよなくなったので、先月Disk Unionに出したばかり。CDはずっと発売延期。

脳神経センター開設15周年記念祝賀会

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ヒルトン成田で、脳神経センター開設15周年記念祝賀会が開催されました。当センターは、病院スタッフの努力だけでなく、印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS)参加施設など周辺機関に支えられておりました。

第16回New Horizon for Neurosciences

 東証ホールで開催された、第16回New Horizon for Neurosciencesに参加しました。  東京都健康長寿医療センター村山繁雄先生からは、嗜銀顆粒型認知症の講演がありました。嗅内野と扁桃核のジャンクションに該当する迂回回の萎縮が特徴で、左右差があります。MMSEは意外と高得点で、アリセプトのnon-resonderが多いそうです。PIBの陽性例もあり、今後の検討が待たれます。  大悟病院三山吉夫先生からは、前頭側頭型認知症、特にmoter neuron diseaseを合併する三山病についての講演がありました。TDP-43陽性です。  横浜ほうゆう病院小阪憲司先生からは、レヴィ小体型認知症について講演がありました。REM睡眠時行動異常が認知症発症前に認められることがあるようです。pure formは若年発症が多く、初発がパーキンソニズムのことが多いそうです。  東京都健康長寿医療センター石井賢二先生は、PETによる認知症診断、嗜銀顆粒型認知症、前頭側頭型認知症、レヴィ小体型認知症の画像が提示されました。前頭側頭型認知症で異常が出る領域は、加齢変化がある領域、加齢変化との区別が必要です。画像診断で、経時的変化も重要と。アルツハイマー病は変化が早く、嗜銀顆粒型認知症はマイルド。アミロイドイメージングもこれらの疾患の鑑別に利用できますが、negativeならアルツハイマー病は否定できるが、positiveの場合は病態を熟慮する必要があります。  終了後、外に出ると大雨、成田での日本医科大学千葉北総病院脳神経センターのパーティーに急いだのでした...

第9回オザグレル学術講演会

 東京ガーデンパレスで開催された、第9回オザグレル学術講演会に参加しました。  東京都済生会中央病院の足立智英先生から は脳卒中データバンク におけるオザグレルの使用状況についての講演がありました。重症例でオザグレルとアルガトロバンを併用する傾向にあるということですが、このデータは、投与時期が不明なため、重症化したから投与開始したのか、初療時から投与していたのかはわからないそうです。  日本医科大学神谷信雄先生からは、自身の 骨髄単核球細胞移植についての研究 が紹介されました。MRIの造影剤超常磁性酸化鉄(superparamagnetic iron oxide particles, SPIO)を応用して、細胞が梗塞巣近くに遊走している様子も証明されていました。論文が待たれます。  札幌医科大学本望修先生からは、体性幹細胞による脳梗塞治療の講演がありました。 2007年のNHKの番組 は衝撃的でしたが、MRIのFLAIR画像の病巣が投与翌日に縮小傾向にあったと開設されたコンソール画像には懐疑的に思っておりました。しかし、今日経時的に撮影されたものを並べていただき、確かに縮小したことがよくわかりました。テレビでは、このような画像の変化は向かないんでしょうか。それにしても、全麻痺の状態が投与翌日には動きだす、それも急性期ではなく慢性期に効果があるのは画期的です。骨髄間葉系幹細胞が病巣に遊走して、神経栄養因子などを放出するのが効果の機序として考察されています。ますますリハビリテーションが重要だと思いました。拘縮しては動きませんから。骨髄の細胞のうち1/1000が間葉系幹細胞だそうです。温度・溶液濃度など、極わずかな培養条件の違いで異なる変化をしてしまうそうです。脳梗塞のような劣悪な環境でも幹細胞は生きていられ、BBBを通過して遊走します。ES細胞の移植がteratomaになってしまうことが知られています。しかし、例えば脳表なら軟骨ができるなど、同じ場所には同じものができるとのこと、ES細胞に間違った信号が伝わることでteratomaができてしまうようです。iPS細胞も同じ問題があります。その点、体性幹細胞は常に制御を受けている。体性幹細胞を得るには骨髄穿刺が必要ですし、大規模な細胞調節施設(Cell Processing Center, CPC)も必要です。iPS細胞に正

北総栄病院

北総栄病院 に見学に伺いました。 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) にもご加入いただいています。もともと整形外科の病院、リハビリテーションも充実しています。入院・外来のリハビリテーションの他、訪問リハも始めたそうです。さかえケアセンターも隣接しています。

第51回日本神経学会総会演題締切が延期

第51回日本神経学会総会 の演題締切が2009年12月10日まで延期されていました。

LaCie Little Big Disk Quadra

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LaCie Little Big Disk Quadra 1Tが到着しました。今までは TimeCapsule でバックアップしていました。当たり前ですが、Firewireでつないだ方が圧倒的に速い。Little Big Diskだと、電源がFirewireバスパワーなので、携帯にも便利です。

LED Cinema Display

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LED Cinema Displayが到着しました。最近はいろいろなところから仕事を頼まれ、同時にたくさんの書類・データベース・HTML・メールを開いていたので、効率アップに大画面が必要なのでした。iSightカメラだけでなく、スピーカーまで付いていました。輝度調節ボタンがない!と思ったら、USBでつなぐと環境設定で調節できるのですね。

第3回生活習慣病フォーラム

 オークラ千葉ホテルで開催された、第3回生活習慣病フォーラムに参加しました。  順天堂大学卜部貴夫先生からは、慢性期脳梗塞の治療についてご講演がありました。食生活の欧米化、つまり肉食が増えてきて、アテローム血栓性脳梗塞が増えてきたこと、欧米のガイドラインでアスピリンがfirst choiceから外れたこと、高LDL-Choも問題だが、低HDL-Choも問題。それをEPAが軽減するそうです。糖尿病も、IGTのうちにボグリボースなどで介入すべきと。糖尿病の動脈硬化・血管内皮障害については こちら 。シロスタゾールもNOを増加し内皮保護があるとか。TIAも積極的に診断・治療を。リスクの評価は こちら 。特に頚動脈ECHOで低輝度は不安定プラーク。  野江病院武俊介先生からは、心インタベンション医の立場から、冠動脈疾患の予防についてのご講演がありました。治療部位の再狭窄はバルーンで40%、金属ステントで15%、薬剤溶出性ステントが出てきて5%程度になったそうですが、心筋梗塞再発や死亡は変化なし。これらは最初の1年をなんとかする手段で、薬物による二次予防が必須だそうです。スタチンやARBも有効ですが、 JELIS ではEPAの効果も証明されました。もともと魚食の日本人でEPAの効果がでたことで、欧米での注目度も高く、ダウンロードランキングも上位です。

アミロイドPETの脳ドック

福島県の南東北医療クリニックで、 アミロイドPETを使った脳ドックが始まったようです 。PIBはシーメンスのライセンスがあり研究目的でしか認められていませんが、この脳ドックでは東北大学にあったBF研究所のリガンド、BF227を使用、ライセンスの問題がありません。

脳卒中地域連携パス解説ページ

脳卒中地域連携パスとは何かを解説するページ を作りました。

印旛市郡医師会報 第49巻

印旛市郡医師会報 第49巻に、私が書いた「印旛脳卒中地域連携パス概論」が出版されました。 三品雅洋:印旛脳卒中地域連携パス概論。印旛市郡医師会報 第49巻 2009.10 p38-57, 2009

IT Medical Vol. 2 No. 3 p45-48

IT Medical に、脳卒中地域連携パスのデータベースとウェブサイトに関する総説が掲載されました。 三品雅洋、小林士郎:印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS)〜手作りデータベースとウェブサイト〜。IT Medical Vol. 2 No. 3 p45-48, 2009

第21回日本脳循環代謝学会総会 2

 今日は、パーキンソン病におけるCFT・RACの病期による違いについてプレゼンしました。  ランチョンでは、八千代病院川端先生の認知症診断の講演を拝聴しました。SPECTは有用ですが、問診が最も大事です。  シンポジウムでは小動物分子イメージング。放医研・理化学研究所は事業仕分けの対象のようですが、世界の頭脳が集まったこれら研究所を停滞させると、人類の不利益につながるのだ、ということがよくわかりました。 Amazon.co.jp ウィジェット

第21回日本脳循環代謝学会総会 1

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千里ライフサイエンスセンターで開催された、第21回日本脳循環代謝学会総会に参加しました。今回の会長は大阪大学畑澤先生、核医学色が強くなっています。  Yale大のHyder先生から、脳のエネルギー代謝の講演がありました。J Cereb Blood Flow Metabの論文は、 ここ と ここ 。  その後、脳エネルギー代謝のシンポジウムがありました。 Gliaが重要な役割を担っています 。Glucose transporter(GLUT)については こちら 。MELASのPETについては こちら 。

第4回印旛認知症市民公開講座

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日本医科大学千葉北総病院で開催された、第4回印旛認知症市民公開講座に参加しました。香川大学の中村祐先生をお招きして、認知症についてご講演いただきました。精神科の立場から、周辺症状の対処方法など、神経内科とはひと味違うアプローチで、勉強になりました。認知症の味覚は、酸味→苦味→塩味→甘味の順で低下していくそうです。したがって、精神を安定させるのに「 いちごミルク 」が効果的、口の中で溶けるとミルクが出てくるので長時間に口腔に残らず窒息も回避。βアミロイドの凝集を「ゆでたまごの白身」という説明は、まねさせていただきます。

日本医科大学千葉北総病院保険診療講習会

日本医科大学千葉北総病院保険診療講習会に出席しました。政権が変わったばかり、今後どのように変化していくのかは不透明です...

薬業時報

薬業時報11月10日号 に取材記事が掲載されました。

第3回地域連携心筋梗塞パス協議会

 日本医科大学千葉北総病院で開催された、第3回地域連携心筋梗塞パス協議会に参加しました。  循環器内科の山本先生からは、抗血小板療法を自己中断されたためステント血栓症になった症例が報告されました。パスを使ったのですが、退院後そのまま受診されなかったそうです。再発後はきちんと通院されているとか。集中治療室畑先生のお話では、以前の班研究で、脳梗塞のコンプライアンスは99%、心筋梗塞は88%くらいだったそうです。脳梗塞の患者さんは何らかの障害を持って退院されることが多いですが、循環器の先生は名医なので患者さんたちはピンピンした状態で退院されるから(神経内科はヤブ医者)、中には病識が少ないためでしょうか。山本先生によると、ステント後の閉塞は術後2〜3日後が多いのですが、遅発性に起こるものは自己中断が多いとか。それなりの頻度があるとすると、患者個人の性格の問題だけではなく、服薬指導の徹底が非常に重要です。  パスの会議では、こういったうまくいかなかった事例の検討が有用なことがわかりました。今後の脳卒中地域連携パス会議にも取り入れたいと思います。  循環器内科雪吹先生からは、千葉県共用パスについてプレゼンテーションがありました。 印旛脳卒中地域連携パス でも、日本医科大学千葉北総病院脳神経センターだけ県共用パスへの切り替えができていないのですが、循環器内科も先行して使用していた独自のパスから切り替えていません。県共用パスはこの独自パスをたたき台にして作られたものですが、並べて見比べても、独自パスはよくできているように思います。禁煙指導が入っていなかったと雪吹先生のご意見がありましたが、これは脳卒中地域連携パスでもまねしたいと思います。  集中治療室畑先生からは、CCUが行っている診断・治療について講演がありました。脳卒中と同時に合併することもあり、tPA時に大動脈解離を見逃すと大変なことになりますから、勉強になりました。急性の循環器疾患でも、紹介状を持って翌日来院されることが時々あるそうで、診断を付ける前でも不安定なら(あるいは不安なら)すぐに搬送を、と強調されていました。脳卒中でも同様です。MRI・頚動脈ECHOなどさんざん検査したあげく、ベッドがないので転送、というくらいなら、最初から取らないでほしい場合もございます(超急性期など)。

第13回Neurology SPECT定量研究会

 八重洲富士屋ホテルで開催された、第13回Neurology SPECT定量研究会に参加しました。  シンポジウムのテーマは認知症の医療連携について。認知症認定看護師の芳賀赤十字病院斉藤さんと、 先月訪問した 日本医科大学街ぐるみ認知症相談センターの石井さんからプレゼンテーションがありました。 脳卒中地域連携パス が注目されていますが、認知症の連携も必要です。専門医とかかりつけ医の連携もありますが、医療者と介護スタッフとの連携も大事です。脳卒中と違い緊急性がないことが多いでしょうから、講習会などで地域で集まり、知識と情報を共有するのがいいのではないでしょうか。  国立循環器病センターの飯田先生からは、QSPECTについてご講演がありました。Quality controlと検査の標準化により、機種に依存せずSPECTも安定したデータ収集ができるようです。ドパミン系のSPECT画像は線条体が「丸い」画像が多いのですが、飯田先生の提示されたものは、「線条体」でした。日本医科大学千葉北総病院のSPECTはPRISM-IRIX、クリスタルが厚いため、QSPECTが適応できず... [I-123]IMP SPECTの無採血法もあるそうですが、現在はばらつきが20〜30%あり、絶対値をどこまで妥協できるかというところ、現状では、飯田先生の開発された1点採血法がよさそうです。  旭神経内科リハビリテーション病院の篠遠先生からは、アミロイドイメージングを中心に、認知症の分子イメージングの講演がありました。現在はPIBが主流ですが、深部白質にも集積があります。最近、非特異結合が少ないリガンドも開発されているようです。健常者でアミロイドの蓄積が見つかることもあり、最近は脳ドックに期待されているようですが、PIB陽性の方が、生きている間に必ずアルツハイマー病になるわけではありません。高齢健常者のPIB陽性例もそれなりの割合で確認されています。しかし、健常のPIB陽性例が、脳のハブと言われている楔前部のdeactivationが認められないというfMRIの研究が紹介されました。Neuronの論文は こちら 。ということは、やっぱりアルツハイマー病根本治療の対象にすべき?  特別講演では、J-ADNIの中心の東京大学岩坪先生から、アルツハイマー病根本治療とADNIの進捗状況について講演がありま

平成21年度宇都宮高校同窓会東京支部総会

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ゆうぽうとで開催された、平成21年度宇都宮高校同窓会東京支部総会に参加しました。

千葉脳神経外科病院

  千葉脳神経外科病院 に見学に行きました。  2009年3月18日、 印旛脳卒中地域連携パス も 千葉県共用パス に移行することに決定していましたが、日本医科大学千葉北総病院脳神経センターはまだ移行できていません。 これまではFileMakerを使って連携パスを作成していました 。これを 千葉県共用パス に変えるには、大量のフィールドとレイアウトの作成が必要になります。勤務の合間にできる仕事ではありません。そこでいろいろな業者に打診していましたが、作成ファイルをアウトプットするのが紙への印刷に限定されることが多く、なかなか決まりませんでした。  そこで、私たちよりも早期から連携パスや治療パスを導入、いち早く千葉県共用パスに切り替えた 千葉脳神経外科病院 がどのようなシステムをご使用か、見学させていただいた次第です。  その効率の良さは、衝撃でした。オーダリングシステムにある文書作成機能の柔軟性が、日本医科大学千葉北総病院のものは月とスッポン。  それから、皆さんが笑顔でお出迎え。接客研修も徹底しているのでしょうか、急性期病院の多くは部外者には冷たいことが多いですが。隔世の感、それはITだけではありませんでした... 勉強になりました。  日本医科大学千葉北総病院脳神経センターで千葉県共用パスに切り替えるのはどうすればよいか、これだけの差があるとかなり難しいですが、できることからマネしていきたいと思いました。

4th International Expert Meeting on the Treatment of Parkinson's disease

 ホテル日航東京で開催された、4th International Expert Meeting on the Treatment of Parkinson's diseaseに参加しました。  欧米の先生方が提示するジスキネジアの動画は、日本での診療で経験するものよりはるかに激しいことは 以前も書きましたが 、本日のInnsbruck Medical UniverictyのPeowe先生のプレゼンテーションもそうでした。先日シカゴで開催されたNeuroscience 2009で、私のポスターの患者さんたちが治療開始後もジスキネジアが出ていないことをマサチューセッツ総合病院のSchwarzschild先生に伝えると、「I know therapy is mild in Japan.」とおっしゃっていました。きめ細かい治療と言ってほしい...  未治療で症状も日常生活に影響ない症例で、治療を始めるか、開始せずに経過観察するかのcontoversyがありました。前者と後者で、会場の意見は半々だったのが意外でした。

医学のあゆみ 第231巻 第5号

医学のあゆみ 第231巻 第5号に三品雅洋と東京湾岸リハビリテーション病院近藤国嗣院長が書いた、「 脳卒中地域連携パスの現状と今後の課題 」が出版されました。印旛脳卒中地域連携パスの運用実績報告を兼ね、メンバーの方には別刷りを郵送する予定です。

PMOD Version 3.1

PMOD Version 3.1がリリースされたとメールが来ました。でも、アップデートは有料のようです...

第2回千葉県脳卒中講演会

 ホテルニューオータニ幕張で第2回千葉県脳卒中講演会が開催されました。日本脳卒中協会千葉県支部・大塚製薬の共催です。  私は千葉県共用パスに関する講演をしました。 印旛脳卒中地域連携パス では、東京女子医科大学八千代医療センターと東邦大学医療センター佐倉病院は共用パスを使い始めていますが、日本医科大学千葉北総病院脳神経センターはいまだ準備中です。  埼玉医科大学棚橋先生からは、抗血小板療法に関するご講演がありました。マウスの血管にレーザーを当て、血栓が形成されていく様子、そしてそれが再開通する様子が動画で提示されたのは印象的でした。アテローム血栓性能梗塞に対する先着として、抗血小板療法も大事ですが、病態のベースとなる動脈硬化の進展抑制も大事であることを強調されていました。併用療法は、risk & benefitを熟慮すべきとのことです。無症候性脳梗塞については、患者さんをびっくりさせないように説明し、抗血小板療法ではなくリスクファクターの管理を優先するよう、まもなく脳卒中治療ガイドライン2009に記載されているとか。しかし、無症候性の血管狭窄に関しては別で、手術やステント、抗血小板療法と、粥種を不安定化させない治療をすべきということでした。

財を残すは下、仕事を残すは中、人を残すを上とす

楽天イーグルス野村克也監督のお言葉。 印旛脳卒中地域連携パス も、今は「中」。これを維持・管理・発展させる「人」を残さなければ。

日本医科大学千葉北総病院医療連携協議会

 ウィシュトンホテル・ユーカリで開催された、日本医科大学千葉北総病院医療連携協議会に参加しました。千葉県医師会石川先生をお招きし、地域医療連携のモチベーションと現在進行中の千葉県共用パスについてご講演いただきました。千葉県の医師不足・看護師不足、そして医療崩壊の中、効率的な医療に医療連携は必然であること、今後の取り組みについてご説明がありました。  懇親会では、様々な先生方と意見交換ができました。地域の小規模な中核病院が、三次救急のサポートができないか、例えば、脳卒中の既往がある患者が肺炎になったとき、中核病院が担当するような連携も必要ではないか。脳卒中後うつも重要な事項であり、脳卒中地域連携パスを使ってフォローができないか。医療崩壊を何とかしたいのは急性期病院だけではありません。集まっていただくことで、様々なアイデアが生まれてきます。  印旛脳卒中地域連携パスのサイトは こちら 。

「千葉県共用地域連携パス」の普及に関するシンポジウム

 千葉市文化センターで開催された、千葉県医師会・関係病院・県の恊働による「千葉県共用地域連携パス」の普及に関するシンポジウムに出席しました。心筋梗塞・脳卒中・糖尿病・がんの事例が提示されましたが、やはり脳卒中の運用数が圧倒的です。千葉脳神経外科病院の涌井先生からは、急性期病院としての使用経験が報告されましたが、これらの資料は事務の方が集計したものだそうです。連携パスも治療パスも効率的に使用されていますが、事務系の協力が大きいようです。東京湾岸リハビリテーション病院の近藤先生からは、共用パスにより受け入れが早くなったことが強調されました。これまでは各病院でフォーマットが違っていて、しかも欲しい情報が抜けていたため、面談にも時間がかかっていたのが、回復期リハビリテーション病院が中心になって作った共用パスを用いると、欲しい情報が書いてあるし、フォーマットの統一により把握もしやすいそうです。しかし、シートの字が小さいため、FAXでは文字がつぶれて読めないこともあるみたいです。最終的に原本を持参いただくので問題はないそうですが、やはり、申込時もFAXではなく電子媒体が理想です。葵の薗はまのの藤代先生からは、療養施設の立場でコメントがありました。これまでの紹介状は施設により異なっていたのが、やはり統一フォーマットで把握しやすくなったそうです。MSWのシートで医療情報以外のこと、例えば家族のことなども記載してあるので、面談の効率も上がったったそうです。また、介護職員にも専門的知識の教育が必要ということでした。  がんのシートはこれからのようですが、千葉県がんセンターの木村先生が提示された「がん手帳は」よくできているなあと思いました。まずとびらに医療連携の説明、次に検査の説明、検査の予定などがあって、患者さんや家族にはわかりやすいです。  質問では、県への注文、各パスの統一のリクエスト(慢性期フォロー)、三次救急病院や特定機能病院以外の中核病院の役割についての質問がありました。こうしていろいろな意見を出せるのも、連携パスのメリットです。   印旛脳卒中地域連携パス も、千葉県共用パス移行へ準備をしなければなりません。ただ今日の話では、シートに直接入力するのは小さくて不便な印象、やっぱりFileMakerバージョンを作成しないとだめかな...

第29回『神経内科を語る会』

新松戸中央総合病院で開催された、第29回『神経内科を語る会』に参加しました。Wernicke脳症、neuro-Behcet、MSA-P例が提示されました。 以前水野美邦先生とご一緒したときに 、「mini-polymyoclonus、dropped head、PISA signはMSA-P>PD、camptocormiaやREM睡眠時行動異常はPD>MSA-P、tandem gaitができるのはPD Yahr III以下>MSA-P、re-emergent tremorはPDでETではない」とご指導いただいたことを思い出しました。

Neuroscience 2009: 最終日

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 今日は「Purine Receptors」というポスターセッションがあり、アデノシン受容体の演題が多数ありました。協和発酵キリン(株)は、K-056という新しいアデノシンA2A受容体拮抗薬をポスター発表していました。KW6002より親和性も選択性も高いようです。リスボン大学のグループは、 神経筋接合部のアセチルコリンによる伝達がアデノシンA1受容体とA2A受容体により調節されていることを研究 されていますが、これが加齢により変化し、A2A受容体の作用が減少することを発表していました。午後、パーキンソン病のセッションでTMSX PETによるパーキンソン病のアデノシンA2A受容体のポスターを出しましたが、「Purine Receptors」のセッションに入ると良かったです。今回も、私のポスター印刷は、 カラープリントショップアドテック によるものです。  午前は、インディアナ大学Sporns先生により脳内のネットワークの解析について講演がありました。 この論文 が詳しいです。precuneusとposterior cingulate gyrusのコネクションが多く、脳のhubとして機能している可能性あり、という話は興味深いです。 シカゴ郊外GenevaのFox Riverです。

Neuroscience 2009: ミシガン湖

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 最近の学会は撮影禁止、Neuroscienceも同様です。デジカメはメモ代わりに有用で、例えばブログの記事を正確に記載するにも必要なんですが... しかたがないので、McCormick Placeから外に出て、ミシガン湖を撮影しました。  今日は、シグマ受容体のセッションを聞きました。私が[ 11 C]SA4503 PETで研究していた頃は、シグマ受容体のことはわからないことだらけで苦労しましたが(私の論文は パーキンソン病 と アルツハイマー病 )、今はこうしてセッションができるくらい注目されるようになったわけです。受容体が小胞体に存在しタンパク質を安定化するシャペロン機能が明らかにされました。でも、このセッションでプレゼンテーションで使用されるスライドでは、細胞膜に存在する図が多く、oralで訂正する先生が多かったです(という私も、小胞体に受容体が存在する図はまだ作っていません...)。シグマ1受容体作動薬は、神経保護のみならず神経再生にも期待されるようです。  ポスターでは、アデノシンA1およびA2A受容体拮抗薬であるカフェインがジスキネジア減少に寄与するというKOマウスの実験がありました。DBSの演題も多数ありました。日本医科大学の先輩でもある東京都立神経病院横地先生とお会いすることができ、DBSの手術適応の決定方法・カンファレンスなどご教示いただきました。

Neuroscience 2009: NIHの研究費は100億ドル

 大学の研究推進課からのメールで、平成22年度科学研究費補助金のうち、「新学術領域研究(研究課題提案型)」(文部科学省より公募)と「若手研究(S)」(日本学術振興会より公募)が、平成22年度概算要求の見直しに伴い停止されたと、通知がありました。いずれも1件あたりの予算が大きいものです。  本日Special Presentationとして、NIHのDirectorであるFrancis S. Collins先生より、"The Future of NIH: Advancing Biomedical Research to Benefit Humankind"という講演がありました。Collins先生は、あの「 Human Genome Project 」を成功させた業績があります。NIHが配布する研究費は100億ドル、ドルが安くなったといっても1兆円弱です。そして、トップが学会で、NIHが今後何に力をいれていくかをpresentation。戦略的に、自国だけでなく、世界中の医療の進歩に貢献しているわけです。  でも日本の学者は予算が少ない中、世界と対等に戦っています。少ない予算と研究以外の雑用の中でなんとかするんです。小規模研究を増やすというのも、日本ではよい戦略かもしれません。  今日もポスターではアデノシン受容体関係のものがいくつかありました。Biogenldec社はBIIB014というアデノシン受容体拮抗薬の線条体での受容体占拠率をラットで調べた演題を出していました。ニュージーランドのSonsalla先生は、カフェインがパーキンソン病モデルラットのドパミン神経の保護をすることを報告しました。順天堂大学の上窪先生は、アデノシンA1受容体が小脳のlong-term depression (LTD)をグルタミン酸受容体を介して調節していることを報告しました。東京大学の松本先生は、ドパミンによるαシヌクレイン発現の実験を報告しました。

Neuroscience 2009: adenosine A2A受容体など

 シカゴで開催中のNeuroscience 2009に出席中です。アデノシンA2A受容体の演題(全部基礎実験)も多数出ています。  National Institute of Biomedical Imaging and BioengineeringのAbesh Kumar BHATTACHARJEE先生は、ratの[F-18]SCH442416 PETの演題を出されていました。  マサチューセッツ総合病院のSchwarzschild先生のグループは、以前からアデノシンA2A受容体の研究を行っていますし、2006年にはアデノシンA2A受容体の学会を開催しています。今回は、"Adenosine A2A receptor gene deletion confers protection of nigral neurons in an alpha- synuclein model of Parkinson’s disease"という演題を出していました。  朝の講演は、John Hopkins大学のHuganir教授の受容体・シナプスと記憶の話。California大学のArnold教授からは、脳の性差についての話がありました。性ホルモンだけでなく、性染色体の違いもあることを提示されていました。  今日から、企業などの展示も始まりました。これがまた大量。ほとんどは実験機器の会社ですが、NIHの各セクションがブースを出し一角をなしていたのが印象的でした。

Neuroscience 2009: Abstractはここにあった!

Neuroscience 2009の抄録のPDFが、 ここ にありました。 iPod touchにダウンロードできたもの は抄録を含んでいませんでした。私の発表は、 ここ に掲載されています。

Neuroscience 2009: Magic, the Brain, and the Mind

マジシャンの Apollo Robbins と Eric Mead をお招きして、マジックにおける記憶・注意・認知の講演がありました。もちろん、マジックも。 Apollo Robbins: The Gentleman Thief from Whizmob on Vimeo .

Neuroscience 2009 in Chicago

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シカゴで開催されているNeuroscience 2009に参加中です。私の海外デビューだった1996年のワシントンで開催された学会以来です。とにかく巨大な学会、昨年の参加者は3万人以上、演題も16,000あまり、だから大きな会場がある都市じゃないと開催できません。今回の会場の McCormick Place も巨大な展示場で、例えばカフェもいくつかあるのですが長蛇の列、聞きたかったセッションも遅刻です。同時に様々な講演やシンポジウムがあり、計画を立てて会場を回る必要があります。以前は電話帳のような抄録集が配布されていたのですが、 日によって分離されたプログラム のみ(またはCD-ROM)、抄録は Neuroscience Meeting Planner で見ることができます。あるいは、PDA用に サイト からダウンロードするようになっています。  いつもの学会では画像の話ばかりなので、今日は視点を変えて、シナプスの形成や制御のセッションを聞きました。ショウジョウバエのモデルを使っていました。  ポスターも大量です。パーキンソン病のモデルがいくつか出ていました。

PMOD version 3 build 9

PMOD 3.0のbuild 9がリリースされていました。ときどきサイトを見に行かないと気づかない...

地域医療再生基金の減額?

地域医療再生基金も、補正予算削減の対象? 結局必要なものも切られていくんでしょうか。脳卒中地域連携パスでは基金を期待していたんですが。お役人に配布するのではなく、科研費のように、現場の人間に計画書を作らせて、審査して配布するようにしていただけるといいのですが。 記事は こちら 。

街ぐるみ認知症相談センター

日本医科大学老人病研究所 の街ぐるみ認知症相談センターに行ってきました。タッチパネルのもの忘れチェックシステムも見せていただきました。

千葉県共用地域医療連携パスワーキンググループ第2回脳卒中部会

千葉県共用地域医療連携パスワーキンググループ第2回脳卒中部会がありました。介護と医療連携、全体会議について話し合われました。

総説:日本医師会雑誌 第138巻 第7号

以下の総説が出版されました。 三品雅洋、松本尚:脳卒中医療連携の現状と問題点;ドクターヘリを駆使した印旛脳卒中地域連携パス。日本医師会雑誌 第138巻 第7号, p1353-1357, 2009 日本医師会会員の方は、 日本医師会のサイト からPDFをダウンロードできます。

第49回日本核医学学会総会

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 旭川で開催されている、 第49回日本核医学学会総会 に参加中です。今回のテーマは「核医学ー再発見と技術革新」。脳の分野では、分子イメージングと検査の標準化がキーワードでした。そして、SPECTよりPETの演題が多かったような気がします。神経学会ではパーキンソン病のMIBG心筋シンチの演題がたくさん出ますが、核医学学会ではコリメータと散乱線補正の演題を散見する程度。核医学学会に出てくる神経内科医は、MIBG心筋シンチは興味の対象外? 以前書きました が、MIBG心筋シンチの標準化は絶対必要です。少なくとも、神経内科医にquality controlや散乱線補正・コリメータのことは無理なので、放射線科医師と技師のお力が必要です。   旭山動物園 名誉園長小菅正夫先生の特別講演もありました。種の保存など、学者の視点で動物園は運営されているのですね。行ってみたくなりました。が、時間が取れませんでした... Snow Leopardもいるようです。

Ischemic Brain Forum 2009

 ホテルメトロポリタンエドモントで開催された、Ischemic Brain Forum 2009に参加しました。が、渋滞にはまり、大阪大学北川一夫先生のご講演には間に合いませんでした...  NIHのJohn M. Hallenbeck先生からは、small ubiquitin-related modifier(SUMO)に関するご講演がありました。細胞核-細胞質の輸送、転写制御、アポトーシス、タンパク質の安定化、ストレス応答、細胞周期の進行など様々な細胞内のプロセスに関係すると、 Wikipediaには書かれています 。英語版は こちら 。冬眠でSUMOの活性が増加するそうです。虚血体制にも関与するとか。治療への応用も期待されます。

NeuroImage YouTube Channel Competition

Neuroimag eが、YouTubeでChannel Competitionというのを始めました。

マイコミジャーナルにInCliPSのデータベースを投稿しました

マイコミジャーナルのファイルメーカー選手権 に、 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) のシート作成用データベース2008年度版を投稿しました。  読者投票というものがございます。5点満点の採点、投票は1作品につき1回です。読者投票には、マイコミジャーナル会員登録が必要となりますが(無料)、投票いただいた方の中から抽選で1名(私に投票、ではございません、全体で、です)にニンテンドーDSiをプレゼント、と書いてあります。投票よろしくお願いします。

Norton Antivirus ver. 11がSnow Leopard対応に

 今回のNortonのLiveUpdateで、Norton Antivirusがver. 11.0.3となり、Snow Leopardで使用可能となりました。約2週間“野ざらし”になっていたので、早速全部スキャン。3時間あまりで終了? Leopardの頃は一晩かけて終わらないことがあったような気がしますが。  Symantecも、メールかなにかで連絡くれればいいのに。ノートン2010シリーズ新発売のメールは来たんですが。

Stroke Prevention Therapy Now!! その2

 熊本大学内野誠先生からは、遺伝性脳卒中の診断と治療についてご講演がありました。  熊本大学の前身、熊本医学校の出身者に、破傷風の治療法を発見した北里柴三郎先生がいらっしゃいます。そのお言葉に、「医師の仕事は病気の予防である」があります。今回の会は脳梗塞の予防がテーマですが、脳卒中の原因は高血圧・脂質異常症・糖尿病など、いわゆる生活習慣病と喫煙だけでなく、遺伝要因も関与する、ということでお話が始まりました。AT-III欠乏症・プロテインS欠乏症による静脈洞血栓症・弾力線維性偽黄色種・Fabry病・MELAS・Osler-Weber-Rendu病・CADASIL・CARASIL・HERNSについて、自験例を交えて解説いただきました。  特にCADASILについては、詳しくお話しいただきました。急性期病院ではなく、療養型施設など長く診療されているところで見つかることが多い。日本では西日本に多い(CARASILは東)。MRIで側頭極と外包に病巣。T2*で微小出血。欧米と違い片頭痛のauraは少ない。GOMは基底膜に沈着、壊死し出血する。抗血小板剤は慎重に少量に。

Stroke Prevention Therapy Now!! その1

 ホテルメトロポリタンエドモントで開催された、「Stroke Prevention Therapy Now!!」に出席しました。  熊本大学平野照之先生からは、脳梗塞の二次予防、特に、抗血栓療法について講演がありました。最近の研究では、cilostazolやclopidogrelの方がaspirinより出血合併症が少なかったり予防効果が強いとされていますが、現場では薬価の違いからaspirinが使用されることが多い。そのため、平野先生の師匠である熊本市民病院橋本先生のところでは、基準をもうけて使い分けをしていたそうです(BRAIN NURSING 2006 vol.22 no.7(765)109)。ネットで調べると、 獨協医大もEssen Stroke Risk Scoreを使ってaspirinとclopidrelを使い分けているようです 。  アスピリン抵抗性についてもお話しされました。aspirinは血小板のCOX-1を阻害し、強力な血小板凝集作用をもつトロンボキサンA2の産生を抑制する。しかし、トロンボキサンA2にはaspirinの作用が及ばない合成経路もある。例えば、単球、マクロファージ、血管内皮細胞ではCOX-2の働きによりトロンボキサンA2がつくられる。また、血小板活性を亢進させる多様な因子のなかには、aspirinの影響を受けないものある。TXA2代謝物の尿中排泄量(尿中11-CHTXb2/cre)を測定すると、aspirin無効例で高値になっているそうです。こういった検査で、aspirinと他剤の使い分けをしてもいいかもしれませんが、まだ検査そのものが高価。  抗血小板剤の併用の研究もいくつかありますが(MATCH・PRoFESSなど)、多く出血合併症の増加が確認されています。期間を限定するといいのではないかとおっしゃっていました。  心原性脳塞栓でも、以前はaspirinが使用されることがありましたが、これは無効であることが証明されましたので、warfarinが推奨されています。NVAf患者の脳梗塞発症リスク評価にCHADS2スコアを使うこともありますが、心房細動治療ガイドラインでも以前よりwarfarinが重要視されています。warfarinの出血合併症もありますから、血圧管理も大事です。アレルギーなどでwarfarinが使用できない場合は、 c

千葉パーキンソン病ワークショップ2

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 関東中央病院織茂智之先生からは、MIBG心筋シンチに関するご講演がありました。多系統萎縮症では心臓自律神経の節前線維が障害されるのに対し、パーキンソン病では節後線維のアドレナリン作動生神経が障害されます。ノルアドレナリンのアナログであるMIBGは、左室によく集積し、体内でも代謝されないそうです。前期像は脱神経、ノルアドレナリントランスポータ(NAT)・小胞モノアミントランスポータ(VMAT)の障害を反映、後期像はexocytosisの亢進などを反映していて、パーキンソン病の診断には後期像がより有用。PARK2はLewy小体がありませんのでMIBG心筋シンチも正常、PARK8はLRRK2の障害ですが低下する場合と正常の場合がある。PARK1と4は低下。incidentalに見つかったLewy body disease(ILBD)やREM睡眠時行動異常など、多数のご研究があります。たとえば こちら 。  織茂先生は楢林賞受賞など数々の業績があり、現在日本の神経内科医で最も世界から注目を浴びている先生のお一人ですが、これらの業績を臨床業務の合間になさっているということ、恐れ入ります。それから、MIBG心筋シンチは、例えばH/M比で評価するわけですが、「比」にも関わらず、しかも心臓という大きなターゲットにもかかわらず、SPECT機種によって数値が変わります。しかし、この標準化を現在検討中だそうです。 この図は、 富士フィルムRIファーマ株式会社のサイト にあります。

千葉パーキンソン病ワークショップ1

 ホテルグリーンタワー千葉で開催された、千葉パーキンソン病ワークショップに出席しました。  東海大学高橋裕秀先生からは、パーキンソン病治療における高橋先生自身の戦略・治療目標の講演がありました。5年・10年ではなく、30年くらいの長期的な視野を持て、とのことでした。  パーキンソン病治療ガイドラインは、 イギリスNational Institute for Health and Clinical Excellenceのガイドラインがあります 。一方で、「パーキンソン病を治す本ー薬を使わない画期的治療でよくなる人が続出!」なんていう本もあります。しかし、その著者は、患者・社会に対して、Commitmentがあるのか。  また、L-DOPAは長期使用でon-offがでたりジスキネジアが出るということで、初期は敬遠されがち、開始も先延ばしされがちです。しかし、いよいよ薬がなくなってから使用、というより、ADLに問題がない状態に保つ、仕事もできるような状態に保つことが大事だということです。薬代が高く医療経済を圧迫、と考えるのではなく、就労できれば税金を払っていただける。必要ならL-DOPAも積極的に使用するそうです。  そこで問題になるのはジスキネジア。ただ、日本で見るジスキネジアは国際学会の動画で見るジスキネジアの程度とは被殻にならないほど軽い。これは、専門医は年1回の診察、基本的にgeneralistが診察するシステムになっていて、例えばL-DOPAの増量も、50mgー100mgー300mgー600mgというような、大雑把に調節するからだそうです。日本は、専門医が毎回診察しますし、50mgづつ、あるいは服用回数を増やしたりして調節します。日常生活に問題のあるジスキネジアは体力を消耗させるので、避けるべきです。アメリカでは、空腹時のL-DOPA服用が推奨されていますが、血中濃度の上昇が急峻になり、on-offやジスキネジアが出やすくなります。食後がなだらかになっていいそうです。 症状のダイアリー を活用されるとよいそうです。野川先生・服部先生と開発された、 MASAC-PD31 は、多忙な外来診療で短時間で患者の症状を把握するのに便利です(使用経験ありますが、次の外来までに患者さんにチェックしいただくと、把握していなかった症状がよくわかります)。  初期の"ne

日本医科大学千葉北総病院脳神経センター脊髄部門のページを作りました

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日本医科大学千葉北総病院脳神経センターのサイト内に、 脊髄部門のページ を作りました。

千葉県共用地域連携パスワーキンググループ

千葉県医師会で千葉県共用地域連携パスワーキンググループの会議がありました。 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) の中では、女子医大・東邦大が県共用パス使用開始、日本医科大学千葉北総病院は遅れております...

大和証券ヘルス財団健康セミナー

大和証券千葉支店で開催された、大和証券ヘルス財団健康セミナーで認知症に関する講演をしました。介護の現場が大変になっていること、アルツハイマー病の根本治療の光明が見えてきたこと、そのための早期治療におけるPET・SPECTの有用性などをお話ししました。

AcrobatとSnow Leopard

 Snow Leopardでは、Safariが64ビットモードで起動するので、Adobe PDF プラグインが働きません。詳細は こちら 。でも、OS標準のPDF表示もスムースだし問題ないです。  また、Adobe PDF プリンタもなくなりました。詳細は こちら 。Mac OSは標準でPDF作成がついているので問題ないのですが、わたしは、Parallels DesktopのWindows XPの印刷物を、Adobe PDF プリンタ経由でPDFにしてから印刷していたので、ちょっと困ります。

PMOD and Mac OS X 10.6 Snow Leopard

土曜日に、やっぱりSnow Leopardを上書きインストールしてしまいました... ちょっと早くなったような。ハードディスクは10GB以上空きが増えました。 しかし、FileMakerでは、あるデータベースだけ問題あり... なんと 脳卒中地域連携パス用のデータベース 。開くのは開くのですが、入力画面に移ってフィールドにカーソルを移動するとくるくる回ってエラーメッセージ... 他のデータベースは開くのですが... 特殊なことは何もやっていないと思いますが... それと、ログイン後などに、「/system/Library/Extensions/WkClassicNotSeizeDriver.kext がきちんとインストールされてません」という内容のダイアログがでるようになりました。いろいろ調べたら、PMODを起動するためのUSBキーの WIBUKEY のファイル。しかし該当のファイルはきちんと存在する。しかもPMODもUSBキーを挿せばきちんと起動する。で、 WIBUKEYのサイト を調べたら、 解決策がのっていました 。一度uninstallして、PPC用のファイルをインストールしない設定にするだけでした。

第19回Post stroke depression研究会

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産業医研修会の後は、東京會舘で開催された、第19回Post stroke depression研究会に出席しました。東海大学付属東京病院神経内科の大熊壮尚先生からは、post stroke depressionと脳機能局在・A型行動パターンに関する研究が報告されました。いずれも有意な関連は証明できませんでしたが、左前頭葉とA型行動パターンが関連がありそうだということでした。防衛医科大学校精神科の野村総一郎先生からは、鬱病治療のアルゴリズムについて講演がありました。一部の精神科の臨床家は根拠のないさじ加減や低容量をチョコ出しすることが多く見受けられ、EBMではないことが指摘されました。これは脳卒中診療も同様です。うつ治療はSSRIが中心ですが、今度発売されるNoradrenergic and specific serotonergic antidepressant(NaSSA)であるmirtazapineも期待できそうだ、ということです。SSRIが聞かない場合は、SNRIに切り替えたり(ただしEBMはあるが臨床現場では実感がないと)三環系に切り替えたり、リチウムを上乗せしたり、非定型精神病薬を加えたり、抗うつ剤を併用したりする方法のEBMが紹介されました。この直前に書いた産業医研修会でも感じましたが、うつはやっぱり精神科の先生にお任せした方がいいと思いました。  とはいっても、野村総一郎先生のベストセラーは、「内科医のためのうつ病診療」だそうです。

日本予防医学リスクマネージメント学会

東京大学弥生講堂で開催された、日本予防医学リスクマネージメント学会主催の産業医研修会に参加しました。内容は、職場巡視、新型インフルエンザ、うつでした

第103回東葉臨床医学セミナー

 ウィシュトンホテルユーカリで開催された第103回東葉臨床医学セミナーで、前座として、千葉県共用の脳卒中地域連携パスの講演をしました。 昨年のこの会での講演で、宇都宮高校陸上部の先輩菅原先生とお会いし 、その後の 旧友達 や ライバル(というか遠い存在) との再会につながったのでした。印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS)は、多くの医療機関のご協力により、活発に運用されています。もうじき、県共用パスに移行します。県共用パスのうち、地域生活期に使用する「診療経過表」について、東邦大学白井先生より、ガン・糖尿病・心筋梗塞とパスができているが、かかりつけ医にとっては迷惑、統一できないか、とのご意見を頂戴しました。少なくとも、脳卒中地域連携パスのリスクファクターのシートは、糖尿病・心筋梗塞と統一できると思います。今は分離しているワーキンググループが一緒になれかどうか、脳卒中地域連携パスが先行していて、運用実績も他のパスの10倍以上なので、他の疾患が脳卒中地域連携パスに同調いただくのが現実的と思います。  千葉大学横手幸太郎先生からは、生活習慣病について、基礎研究から臨床までご講演いただきました。1950年頃、日本人の平均寿命は男女とも50歳程度でしたが、今は80歳以上。100歳を超える方も1,300人以上いらっしゃいます。しかしADLが自立されているのは約2割、4割は寝たきりの状態だそうです。あまりにも急激に高齢化が進んだ日本人は、長寿に馴れきっていないのではないか。長生きが幸福なのか?そして、自立できない原因の第一位は脳卒中。という現状をふまえ、生活習慣病はどうして起こるか。まずは食べすぎ。 アカゲザルは接触制限で、死亡・動脈硬化・闘病病のみならずガンも減少するそうです 。 smad3が肥満や動脈硬化、血管内皮障害に関与している 。褐色脂肪細胞が熱を産生( N Engl J Medに論文3つ )。 Twist-1の関与 。 間欠性跛行の原因は、ASOの他に脊柱間狭窄症 。 Werner症候群は徐々に寿命が延びている が、statinやPioglitazoneの登場が関与? 152歳まで生きたと言われているThomas Parr はベジタリアンだったらしいが、長寿で有名になりチャールズ1世に謁見、パーティつづきになったら、お亡くなりになったとか。  懇親会では、連携パスや

Post Stroke Forum in Tokyo

 京王プラザホテルで開催された、Post Stroke Forum in Tokyoに参加しました。夏休み期間中は研究会がなかったですが、来週から目白押しです。  東京大学老年病科の秋下雅弘先生からは、高齢者での薬物療法の注意点がレクチャーされました。疾患が増えることによる多剤併用と、加齢による薬物動態変化による過量投与が問題です。慢性期には減量を考慮することも必要とのことでした。高齢者での慎重投与薬剤のリストは こちら 。  日本医科大学千葉北総病院リハビリテーション科の原行弘先生からは、回復期での深部静脈血栓症に関するお話がありました。急性期や手術後では深部静脈血栓対策が進んでいますが、リハビリテーションの時期も多いそうです。特にヒラメ静脈に生じやすく、 軽傷が原因になるとのこと (2例報告は こちら )。ヒラメ静脈は網目状で、静脈弁が不完全、筋ポンプも乏しいそうです。スクリーニングにはDダイマー0.5以上。原先生の論文は こちら 。シンガポールのDVTのデータは こちら 。  順天堂大学脳神経内科の卜部貴夫先生からは、脳保護療法のお話がありました。neuronだけでなく、gliaも守るべき。Cilostazolの実験結果は こちら 。また、孤束核のサブスタンスP減少が誤嚥に関与していますが、ACE・amantadineに加え、cilostazolもサブスタンスPを増加させ、誤嚥性肺炎を予防するということです。  順天堂大学精神医学教室の新井平伊先生からは、認知症とうつの講演がありました。アルツハイマー病の初期にうつがでる、あるいは鬱病が仮面認知症を呈することがありますが、うつからアルツハイマー病に移行する場合もあるということです。うつが緩解しても、 Wisconsin Card Sorting Testなど認知機能検査の低下が持続するそうです。 抗コリン剤の認知機能低下はよく知られています が、抗うつ剤の抗コリン作用が認知障害を起こしている可能性もあるとのこと。酒もうつや認知障害の原因になるそうで、断酒が認知機能改善に役立った例も提示されました。ワインのポリフェノールがアルツハイマー病に良いという話もありましたが、アルコールによる健忘症候群も要注意です。それから、 うつでparoxetin無効例にcilostazolを加えたら有効だった例があったそうです 。

SPM2でのbounding box

SPM5以降、Spatial Normalizationのbounding boxはサンプルがなくなった。そこで、SPM2での値を載せておきます。 Default -78;78 -112;76 -50;85 SPM95 -64;64 -104;68 -28;72 Template -90;90 -126;90 -72;108 小脳を入れたいときは -78;78 -112;76 -72;85

Mac OS X 10.6 Snow Leopard Compatibility List

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Mac OS X 10.6 Snow Leopardに関して、 ソフトの互換性リストがありました 。私が常用しているソフトはだいたい大丈夫のよう。問題はプリンタードライバー。 Mac OS X 10.5 Leopardの時も、 学会前にはバージョンアップしないぞと固く心に決めていたのに、ダメでした ... 来週から講演が続くし、核医学学会やNeuroscienceも控えているし...

関東陸上競技選手権大会

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 千葉県総合スポーツセンターで開催された関東陸上競技選手権大会に、宇都宮高校の後輩達が出場するとの情報を得て、見に行ってきました。今日は惨敗でしたけど、2年生のうちに関東大会を経験できるのはすばらしいことです。私は3年でやっとでしたから。  日頃太陽に浴びることがないので、暑さに参ってしまいました。途中、近くのジョイフル本田で涼んでしまいました...  それから、スポーツをコンパクトデジタルカメラで撮るのは難しいですね。昔のフィルムのカメラと違い、シャッターのタイムラグがあります。1眼レフだと違うのでしょうかね。  昨日は、27年ぶりに、 栗原浩司先生 にお会いできました。

あおぞら診療所

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 7月10日と本日、 あおぞら診療所 を見学しました。最近 新松戸中央総合病院 でご一緒している、 松戸朋友クリニック の大木剛先生にご紹介いただいたのでした。  千葉県共用の脳卒中地域連携パスでは、急性期病院・回復期リハビリテーション病院だけでなく、地域生活期(維持期)の役割が重要視されています。しかし、ワーキンググループの班員にも関わらず、私自身介護や在宅医療の現場を全く知らないので、勉強させていただいた次第です。  往診は、病院にいらっしゃれない方のための外来、というより、病棟の方が近い印象です。川越正平院長のお話では、 あおぞら診療所 だけでは看護師は足らず、8つの訪問看護ステーションと連携しているそうです。しかし、往診と訪問看護は同日ではないため、処方変更などの情報を共有しなければなりません。しかも、 あおぞら診療所 と訪問看護ステーションは経営母体も違いますから、共通のカルテを使っているわけでもありません。そのためカンファレンスが必須です。千葉県共用パスでは、介護スタッフが医療機関に問い合わせするための、「連絡票」を作りました。しかし、看護師や介護スタッフが、医師の診療に対して批判とも取られかねない意見を、書類で伝達できるか? やはり、顔を合わせていれば、気楽に質問ができる。ケアマネージャーとの会議も効率よく実施されています。時間をずらして、一人のケアマネージャーと各主治医が面談するようです。先日の千葉県地域連携の会でも議論されましたが、脳卒中地域連携パスのためのシートが重要なのではなく、連携のシステムが大事なのです。  書式に関して言うと、 あおぞら診療所 オリジナルのカルテがすばらしかったです。県共用パスと共通の部分もたくさんありましたが、家の見取り図、急変時の依頼先、前医とのトラブルなども記載。チェックシートよりも具体的な文章の方が読みやすい。また、誕生日月にはサマリーを書くことになっていて、脳卒中のような長期の経過になる方では便利です。  癌末期の緩和ケアに関するツールとして、 緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM) を教えていただきました。「わたしのカルテ」は、まさに今回の県共用パスのコンセプト、患者さんが所有するパスです。しかも、疼痛・嘔気・息切れなどの症状に対してどうすればよいか、患者さんにわかるよう具体的な対処法が記載されてい

Macのウイルス対策ソフト

 長年愛用のNorton AntiVirusの年間ライセンスが切れそうなので、別なソフトを使ってみました。WINDOWSでは、ドイツの Avira Antivir を使っています。フリーですが検出率も抜群。しかし、Mac版がありません。 McAfee VirusScan for Mac は、Time Capsuleでのバックアップ(Time Machine使用)がものすごく時間がかかる。わたしが改善方法を知らないだけかもしれません。ClamXavはフリーですが、Time Capsuleでのバックアップは問題なさそう。しかし、外部ディスクのスキャンなど細かい設定が難しい。 ウイルスバスターマック版 はまだβ版。 Norton Internet Security For Mac にグレードアップも引かれるが、ライセンス延長の倍以上の価格。それに、Time Capsuleでのバックアップなどどうなるか、確認できない。WINDOWS版は体験版があるが、Mac版はありませんでした。  結局、Time Capsuleでのバックアップが安定していて、USBメモリなど外部スキャンも確実な、Norton AntiVirusのライセンスを更新したのでした。バックアップにTime Capsuleを使うのをやめて、外付けハードディスクにすれば冒険できますね。

第21回日本脳循環代謝学会演題締切延長

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第21回日本脳循環代謝学会の演題締切が、 8月11日まで延長されていました 。

Treatment of the Parkinson’s Disease in Chiba

 ホテルスプリングス幕張で開催された、Treatment of the Parkinson’s Disease in Chibaに参加しました。University of Milan-hovelのAngelo Antonini教授より、パーキンソン病治療に関するご講演でした。  初期診断が重要であるとされ、イタリアでは、DAT scan(ドパミントランスポータのSPECT)が用いられるそうです。SPM解析で、被殻後部の低下が示されました。そして、MSA-Pとの鑑別では、DAT scanとMIBG心筋シンチの組み合わせが有用とおっしゃいます。しかし、パーキンソン病初期では、MIBG集積が低下しない場合もございますが。SPECTの解像度だと、線条体も丸くなりますし。やはり、 CFT & RAC PETがいいと思いますけど 。  Entacaponeをパーキンソン病初期から使用すると、ジスキネジア発現のリスクが高まるそうです。  注目のnon-motor symptomについては、 Antonini先生らの論文 と Baron先生らの論文 を。non-motor symptomは、QOLを悪化させます。特にdepression。off時のnon-motor symptomを聴取すべきだそうです。  欧米では、levodopa duodenal infusionができ、1日1回カセットを取り替えるのみで、持続的にlevodopa投与ができるそうです。1日1回投与のpramipexoleは、sleep attackを防げる可能性があるそうです。  この懇談会で、 美浜神経内科 師尾郁先生から、連携に関するアイディアをいただきました。頭痛や両側のしびれなどの軽微な症状は、救急病院に行くのではなく、専門医のいるクリニックが担うのがいいのではないか、というご意見です。大病院とは違い、MRIなどの検査がすぐできます。クリニック同士が専門性をオープンにして、連携する仕組みを作れればいいのですが...

千葉県地域連携の会

千葉大学附属病院で開催された、千葉県地域連携の会に出席しました。 千葉県共用パス の会議で、 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) の会議も兼ねています。議事録を作成しましたので、近々 InCliPSのサイト にアップいたします。PDF自体は完成したのですが、大学のサーバーは大学内に入らないと接続できません。しばしお待ちください。

千葉県医師会日医認定産業医研修会

 千葉県医師会で開催された、千葉県医師会日医認定産業医研修会に出席しました。   君津健康センター の山瀧一先生からは、「企業外労働衛生機関の活用」という題で、君津健康センターの業務を中心に講演がありました。君津健康センターは、新日鉄君津製作所内にあります。産業医活動をこういった専門機関と連携すると良さそうです。千葉県には、 千葉産業保険推進センター というとこともございます。  東京大学大久保靖司先生からは、化学物質取り扱いの作業指針の作り方のお話がありました。 国際労働機関(International Labour Organization、ILO) が、開発途上国向けに作成したリスクアセスメントツールが、コントロールバンディングです。United Kingdom's Health and Safety Executiveが開発した、 The COSHH Essentials がベースになっているそうです。The COSHH EssentialsのサイトはInternet Explorerじゃないときちんと動かないようです。まずは 化学物質の有害性のチェック 。国際化学物質安全性カード(ICSC)日本語版は こちらから 。ILOのICSC検索は こちらから 。European Chemicals Bureauのサイトは こちら 。そして、作業指針シートは、 The COSHH Essentials でPDFがダウンロードできます。日本語版は こちら 。これらのシートが全てに国に適用できるわけではないので、それぞれの国の法律に照らし合わせて変更する必要があります。また、物質の添付文書にも準拠すべきとのことです。  労働衛生コンサルタント事務局元気げんきの永島昭司先生からは、独立系産業保健専門家の活動についてのお話がありました。最近の不景気は産業医の仕事に密接に関連しているようです。巨大企業より、200〜500人規模の企業の方が、世の変化に迅速に対応しているそうで、経営者の能力が問われるとのことでした。不採算部門として切り離された子会社が、業績改善でふたたび大企業に吸収されたりしているそうです。病院もそうかもしれません。最近の回復期リハビリテーション病院はいろいろ工夫されていますが、大病院は... 労働衛生コンサルタントの報酬の参考値は こちら 。

第6回千葉北総神経放射線研究会特別講演会

 三井ガーデンホテル千葉で開催された、第6回千葉北総神経放射線研究会特別講演会に参加しました。  荏原病院井田正博先生のご講演は、脳卒中急性期の画像診断でしたが、首都高が大渋滞で間に合いませんでした...    名古屋市立大学芝本雄太先生 からは、最新の放射線治療についてのご講演がありました。トモセラピー・サイバーナイフ・ガンマナイフ・陽子線治療などの最新治療が勉強できました。腫瘍部を照射するのは当然ですが、照射したくない部位の線量をいかに低下させるか、テクノロジーの結集で夢のような治療が実現しています。驚いたのは、名古屋市立大学だけでなく周辺の関連病院にも放射線治療機器があって、腫瘍によって最適な治療装置を紹介できる連携ができている点です。千葉県循環器病センターに頼っている千葉県とは大きな違いです。日本医科大学千葉北総病院では、 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) の他にガンの連携パスもあるのですが、放射線治療の連携も千葉県内に必要なのではないでしょうか。

納涼会

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ヒルトン成田で開催された、日本医科大学千葉北総病院脳神経センター納涼会に参加しました。 InCliPS ご参加の先生方にも多数ご参列いただきました。

第13回「脳梗塞フォーラム」研究集会

 新宿のヒルトン東京で開催された、第13回「脳梗塞フォーラム」研究集会に参加しました。当番世話人の日本医科大学片山泰朗先生のお話では、本邦で2005年の承認以来約4,000例にアルテプラーゼによる血栓溶解療法が実施されているそうです。しかしこれは急性期脳梗塞患者の約2.5%にすぎず、3時間以内の来院に限っても9.3%にすぎないそうです。この研究会は、rt-PAの話題です。  日本医科大学大久保誠二先生からは、エダラボンとアルテプラーゼの併用療法についての講演がありました。ラットのMCA閉塞モデルで、エダラボン併用による梗塞巣の縮小と、therapeutic time windowの延長を確認されました。埼玉医大棚橋先生からエダラボンとtPAの相乗効果についての質問がございました。私の意見はこうです。ラジカルはTNF-αを惹起し、PAI-1を増加させますが、PAI-1はt-PAと結合してtPA-PAI1複合体を作ります。したがって、ラジカルを減少させるラジカルスカベンジャーは、ラジカルによるt-PAの減少を抑制するのではないかと思っています。詳細は こちらの論文 をご覧ください。だから私たちの施設では、アルテプラーゼ投与待機中(採血の結果待ち)に、エダラボンを流しておきます。  日本医科大学桂研一郎先生からは、脳卒中急性期における脳保護療法についてのレビューがありました。これまで動物実験では数々の脳保護薬の有効性が証明されていますが、臨床治験はエダラボン以外は失敗に終わっています。最近桂先生や 日本医科大学老人病研究所 が行った水素の酸化ストレス抑制作用は注目されます。Nature Medicineの論文は こちら 。  国立循環器病センター峰松一夫先生からは、rt-PA治療の現状と今後の展望についてのお話がありました。アルテプラーゼの市販後調査では、本邦においては比較的安全に実施されていること、現在MRI画像診断の研究が終了していることが示されました。日本での実施率が低いということですが、 国内では特にStroke Care Unitを有する施設を中心に実施されているとのことです 。そして、4年間で1例もアルテプラーゼが使用されていない医療圏がいまだに存在し、医療格差を問題視されました。ということで、 脳卒中協会 などが中心になって活動されている、脳卒中対策基

任侠ヘルパー

フジテレビのドラマ、 任侠ヘルパー の中で、 印旛脳卒中地域連携パス のメンバー、 東京湾岸リハビリテーション病院 が出てきました。ドラマでは高級老人ホームとして使われていましたが、1階のトイレなどは本当に高級なのです。訓練室の機器はもっと高級です。

第5回Western Chiba Neurological Seminer 2

京都大学高橋良輔先生からは、現在作成中のパーキンソン病ガイドラインのお話がありました。 これまでのガイドラインは、専門家が自分たちの考えを元に作成したものでしたが(Good Old Boys Sitting Around the Table、GOBSAT)、最近のガイドラインは、evidence-based medicine(EBM)の実践の実践(Keep It Simple and Sensible、KISS) 。  現行のガイドラインでは、パーキンソン病治療開始は、症状によりADLに影響が出てからとなっていますが 、治療開始が早い方がいいという研究もあります 。一方で、EBMができるのは、お金があるところ。つまり儲かる薬にはEBMはあるが、アマンタジンやトリヘキシフェニジルのような古くから使用されている薬は薬価も安いのでEBMもなし。しかし、費用対効果も医療体制が変わってくると重要になってくる... パーキンソン病の方は薬を飲めば仕事もできて、税金を稼いでくれるのですよ。療養施設に入ると、特定疾患の医療費補助も適用されなくなり、抗パーキンソン病薬はどんどん切られてしまうのが現状... 

第5回Western Chiba Neurological Seminer 1

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 浦安ブライトンホテルで開催された、第5回Western Chiba Neurological Seminerに参加しました。  順天堂大学の志村秀樹先生からは、ubiquitin-proteasome systemを中心に、タンパク質分解機構とパーキンソン病など変性疾患についてのご講演がありました。志村先生はすでに Nature Genetics や Science の論文がありますが、 以前書いたように 、順天堂大学の底力には恐れ入ります。  神経変性疾患が、異常タンパクの増加による神経細胞の変化が原因ですが、病理で見られる各種封入体が「異常なタンパク質」の蓄積あるいは異常な「タンパク質の蓄積」であります。その病態として、異常タンパクの産生増加の場合と、異常タンパクの分解機構の障害の場合があります。ポリグルタミン酸病は前者がメイン、パーキンソン病やアルツハイマー病は後者がメインと考えられます(もちろん双方が関与しています)。  ubiquitinがtagのようになって標識された異常タンパクは、 proteasomeという巨大分解酵素複合体による分解されます 。また、 内部に分解酵素を持つlysosomeも、ユビキチン化されたタンパクの分解に関与しているらしい 。 p62がタンパクの凝集を促進し、lysosomeのautophagyを調節している 。タンパク異常の防御機構は二重三重になっています。  パーキンソン病におけるubiquitin-proteasome systemについては こちら 。ユビキチン化が機能しなかったり、プロテアソームの分解機構の破綻がおこってしまう。 プロテアソーム阻害剤によるパーキンソン病モデルの研究がいくつかある 。しかし志村先生はプロテアソームそのものの活性低下がメインではないと推察されているそうです。Parkin=ubiquitin ligase。Parkin deficit modelでは無動・振戦・固縮などなく、黒質ドパミンニューロンの変性はない。  最後に、O-結合型糖鎖αシヌクレインの研究と、タウはCHIPというユビキチンで標識されプロテアソームで分解されるとお話がありました。

ミコンビ配合錠新発売記念講演会

 京成ホテルミラマーレで開催された、ミコンビ配合錠新発売記念講演会に参加しました。  いつもお世話になっている新松戸中央総合病院の中村司先生からは、腎臓内科の立場から降圧剤に関する講演がありました。 アンジテンシンII受容体が生命予後に関連があることを示唆する論文 が、イタリアのグループからでたそうです。 telmisartanとolmesartanを比較した論文 、あるいは中村先生ご自身の研究で、telmisartanの降圧効果以外の優位性(尿アルブミンや尿細管間質マーカーのL-FABPの減少など)が提示されました。これらはPPAR-γの作用と思われます。そして、Crea 0.5mg/dlと軽症と思われる糖尿病性腎症でも、腎生検標本では糸球体硬化が認められるそうで、軽症のうちから介入すべしとのことでした。アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)で降圧が不十分の場合は、benidipineやazelnidipineをお勧めでした。カルシウム拮抗薬の多くは輸入細動脈を拡張するのですが、この2者は輸入細動脈も拡張するからだそうです。また、スタチンも積極的に使用するそうです。ただし、この積極的な治療はあくまで軽症例のお話です。LDLアフェエーシスもタンパク尿を減少させるそうです( Moorhead JF et al., Lancet 320 1309-1311 )。中村先生ご自身の論文は こちら 。また、赤ワイン(ポリフェノール?)もタンパク尿を減らすそうです。血中のAGE/RAGE/HMGB1/ADMAといった炎症マーカーがCKDでも上昇し、telmisartanで減少するそうです。これは脳卒中の研究でも使えそうなマーカーです。アルドステロンブロッカーやレニンブロッカーもそのうち出てくるそうです。  佐賀大学の野出孝一先生からは、高血圧診療のことと、体内時計遺伝子についてのご講演がありました。ARBとスタチンの併用でCKDの予後が改善する、ということです。腎保護的なARBを中止する基準は、血清Creaが前値の30%以上増加、血清Creaが前値の1mg/dl以上増加、Kが5.5mEq/l以上と提示されました。telmisartanは100%肝代謝、肝臓が悪い人では要注意です。それからCrea 2.0以上の場合の利尿薬は、まずルプラック・ダイアートから、最後にラシックスと

脳卒中フォーラム

 ホテルニューオータニ幕張で開催された、脳卒中フォーラムに参加しました。昨年は、 医療連携を推進する会 で、この懇親会で回復期リハビリテーション病院の院長先生方が回復期が作る共通の脳卒中地域連携パスの必要性を話し合い、 千葉県共用パス につながったのです。  本日の会では、白石脳神経外科病院の高橋明先生から、 砂川市立病院 にいらっしゃったころの中空知地区の医療連携のお話がありました。北海道は札幌市以外は大変な状況とお聞きしていましたが、高橋先生は市民・救急隊・内科の病院・回復期リハビリテーション病院などと積極的に講演や連携をはかり、大規模な連携システムを構築されていました。しかも脳外科医が2〜3人という状況で、血栓溶解療法も日本医科大学千葉北総病院脳神経センターより多数例、しかも好成績で実施されていらっしゃいました。tPA後に脳血管撮影を実施して、再開通があれば血圧は正常レベルまで下げ、再開通がなければ血圧を高めにするそうです。そして、軽症例を4〜5日で内科の病院に転院する、軽症例脳卒中地域連携パスは画期的ですが、これを2004年に実現されています。非専門病院の経営側のご理解が必要です。これには、収益が上がること、悪化時は専門病院がバックアップする約束、急性期をすぎて急変が少ないことをご説明する必要があります。市民公開講座には、通常の講演の他、劇を取り入れていらっしゃいました。救急隊の病院前脳卒中救護(PSLS)では、シンシナティ・ストローク・スケールを使用されていました。倉敷のKPSSもいいのですが、受け入れる病院側が把握していない、そこでKPSSは使用せず、シンプルなシンシナティ・ストローク・スケールを取り入れたそうです。これを、救急隊だけでなく、市民にも啓発、血栓溶解療法で成績がいいのは、軽症例でも早期に来院されるからだそうです。逆に重症例はどうされているか、地域の脳卒中診療のスキルがアップすると、慢性期の病院に空きが出て、受け入れてもらえるようになったそうです。インターネットとVPN、ファイルメーカーを利用した、 DASCHシステム を稼働していて、効率がよろしいようです。思ったほど経費もかかっていない模様...  東京歯科大学市川総合病院の野川茂先生からは、慢性期脳卒中のリスクファクターの管理と、医療連携の話がありました。急性期で処方したものが療養期で変

ラジカット8周年記念講演会

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グランドプリンスホテル赤坂で開催された、ラジカット8周年記念講演会に参加しました。 川崎医科大学宇野昌明先生からは、 血中酸化LDL を指標とした エダラボンの治療効果に関する 講演がありました。富山大学田中耕太郎先生からは、脳保護療法に関する基礎敵なお話がありました。げっ歯類と異なり、ヒトの脳は50%が白質を占め、しかも灰白質より白質の方が酸化的ストレスによるダメージを受けやすいことから、白質の保護が重要だとのことでした。埼玉医科大学棚橋紀夫先生からは、ラジカット市販後の臨床研究についてのレビューがありました。80歳以上でも、他の年齢と比較してもそれほど副作用が多くないこと、Crea 1.5mg/dl以下なら、腎障害はあまり出ないことなどが提示されました。立川病院篠原幸人先生からは、 EDO trial の概説がありました。その後のシンポジウムでは、世界に広めるためには、さらに臨床研究が必要であると、例えばrtPAとの併用などは調査すべきとのことでした。

佐倉厚生園に回復期リハビリテーション病床

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佐倉厚生園 の回復期リハビリテーション病棟の見学に行きました。 日本医科大学千葉北総病院がある印旛保健医療圏には、これまで回復期リハビリテーション病院がありませんでした。そのため、 東葛南部など他の保健医療圏にあるリハビリテーション病院と連携してきました 。待望のリハビリテーション病棟なのです。 このトイレの入り口の上が、色分けされています。紫が左片麻痺、オレンジが右片麻痺用です。これまでいろいろなリハビリテーション病院を見学してきましたが、各病院が様々な工夫をしています。 この後、研究会があるため車で移動、時間があったので、佐倉順天堂医院をちらっと見てきました。順天堂大学の本家です。長谷川泰先生がここ佐倉順天堂で医学を学び、幕末の混乱の後、明治9年本郷に済生学舎を開設、これが日本医科大学になったのでした。

お茶の水ニューロサイエンス・セミナー

 東京医科歯科大学で開催された、お茶の水ニューロサイエンス・セミナーに参加しました。講師は、日頃ご指導いただいている、東京都健康長寿医療センター研究所(旧東京都老人総合研究所)神経画像研究チームチームリーダー石渡喜一先生で、PETでどのような研究ができるか、PET薬剤の開発などのお話がありました。まず、腫瘍・てんかん・認知症・ヒ素中毒・もやもや病・ミトコンドリア脳筋症の自験例を中心に提示されました。J-ADNIでは都老研が中心的な役割を担っていますが、都老研での[ 11 C]PIB PETの検討では、アルツハイマー病では100%陽性、軽度認知障害(MCI)では60%、健常者では15%だったそうです。東北大学が開発した、[ 11 C]BF-227 PETとの相違も提示されました。それから、石渡先生が開発した、TMSX(アデノシンA 2A 受容体)、MPDX(アデノシンA 1 受容体)、SA4503(シグマ 1 受容体)の開発と応用例を供覧いただきました。ホウ素中性子捕捉療法の適応を決める[ 18 F]FBPAは、石渡先生が東北大学で最後になさったお仕事、それが数年後自身にもどってきたということでした。今後の研究として、ガンのgolden standardであるDNA合成速度を画像化する[ 11 C]SdThd PETの実現を目指していらっしゃるそうです。  1つの放射性薬剤を開発するには、いくつもの類似薬剤を比較検討してできあがる、大変な作業です。しかし開発側は、その薬剤が予想外の方面で役に立つ場合もあるそうで、薬学者・化学者だけでなく、医者・生理学者・企業など、さまざまな業種が連携することで、PET研究がなりたっているというところが、印象的でした。

アデノシンA2A受容体の総説

Parkinsonism & Related Disordersに アデノシンA2A受容体拮抗薬の総説 が出ていました。

千葉パーキンソン病フォーラム

 京成ホテルミラマーレで開催された、千葉パーキンソン病フォーラムに参加しました。  千葉大学朝比奈正人先生からは、「パーキンソン病の自律神経障害のマネージメント」というご講演でした。パーキンソン病では起立性低血圧(約50%)や便秘(約70%)など、自律神経障害の合併が多いことが知られていますが、今回はその対処法がメインでした。まずは生活指導が大事とのことです。ご留学されていたQueen Squareでは、special nurseがいらっしゃっていて、患者指導をしてくれるようですが、日本では... ゆっくり立ち上がる・臥床をさけ夜間ベッドアップする・坐位では足を組む(すると血圧が上がる)などなど。それから悪性要因を避けること、起床時に飲水する・食事性低血圧では頻回少量投与や炭水化物を朝減少や食後のコーヒー・飲酒を避ける・排便排尿では息みを避ける・男性も坐位で排尿など。低血圧の原因薬物、例えば降圧剤・ドパミンアゴニスト・エフピーなどの使用を控える。低血圧の治療では、リズミック・メトリジン、ドプスもいいがそんなに効果がないと。食事性低血圧では、グルコバイ・ベイスンなどαグリコシターゼ阻害剤を使用。発汗過多にはカタプレス、ただし起立性低血圧に注意。大変勉強になりました。  和歌山県立医大の三輪英人先生には、パーキンソン病におけるプラセボ効果についてご講演いただきました。パーキンソン病患者は、プラセボ効果が顕著に見られるそうです。多数の大規模試験で、プラセボ群の改善率が20〜40%! Goetzらの研究 では、かなり厳密にプラセボ効果を定義して他施設共同研究を精査、プラセボ群で16%の改善を認めたそうです。年齢・性別・罹病機関・宗教などと無関係でした。 胎児副腎の移植手術の研究では 、[ 18 F]FDOPA PETで集積増加があるのにも関わらず、プラセボ(シャム手術)群と実手術群で有意差なしでした。 プラセボ群を増加したら、有意差がでたとか 。シャム手術群でのQOL scoreの上昇は、実手術をされたと感じたからのようです。 Fuente-Fernandezら は、[ 11 C]RAC PETを使って、プラセボ服用時のドパミン放出を確認しました。 Fuente-Fernandezら は、[ 11 C]RAC PETを使って、プラセボ服用時のドパミン放出を確認しました。 B

検索エンジンの最適化

検索エンジンの最適化について、 非常に良い資料(PDF) がGoogleにありました。つまり、Googleなどで検索上位になるためのコツが書いてあります。

iPhone OS 3.0 for iPod touch

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iPhone OS 3.0 for iPod touch にアップしました。私のiPod touchは第一世代なので、一番のメリットは、「メモ」がMac本体のMailのメモと同期するのとコピーアンドペースト。以前使っていたCLIÉではParmの同期ソフトを使ってメモの管理が便利だったのですが、iPod touchではメモの同期ができなかったので、「Air Sharing」を使ってtextファイルを転送して持ち運んでいました。しかし、同期する訳ではなく、転送を忘れることも... Bentoも同期ソフトが出ましたが、まだ未購入。ただ、メモの同期は項目の分類ができないので、全部同じ並び。横置きキーボードも使いやすいです。

第4回脳卒中診療ネットワークフォーラム

 浦安ブライトンホテルで開催された、第4回脳卒中診療ネットワークフォーラムで講演しました。 InCliPS の実績報告と、千葉県共用パスのご紹介、脳卒中地域連携パスの問題点についてお話ししました。そして、なぜ InCliPSのサイト が、GoogleやYahooなど主要検索サイトで「脳卒中地域連携パス」と検索するとトップでヒットするのか、も明かしてしまいました。第一ページのランク入りが脅かされるのも時間の問題かも...  順天堂大学附属浦安病院リハビリテーション科林明人先生からは、脳卒中とパーキンソン病のリハビリテーションの現状についてご講演がありました。 「リハビリテーション」は、宗教言語だったんですね 。順天堂医院では、入院患者4〜5人に1人がリハビリテーションしているそうです。なぜなら、神経内科・脳神経外科・整形外科以外の患者でも、廃用症候群があるからです。何もしないで安静臥床していると、3〜5日で10〜20%の筋力低下、3〜5週間では約50%だそうです。だから、脳・筋・骨の疾患じゃなくても、関係する訳です。そして、林先生が、研修医・レジデントなど若手医師にリハビリテーションの重要性を教育、実際に現場でオーダー出すのは若いスタッフなので、あらゆる科のリハビリテーションの依頼が浸透したそうです。都内私立大学のリハスタッフ数のグラフが出てきました。林先生はご指摘なさりませんでしたが、私は見逃しません、日本医科大学付属病院が最下位でした。そして、OT・STなし... リハビリテーション科がありませんから。でも、リハビリテーションがDPCに入らないこと、「リハビリができる」という宣伝効果、あらゆる疾患での廃用症候群の予防、などを考えると経済効果は抜群のようで... 最近順天堂大学ご出身の先生方とご一緒することが多いのですが、革新的と言いますか、いいことはどんどん取り込んでいくところは、まねしていきたいところです。それから、林先生と言えば、パーキンソン病の音楽療法とボツリヌス、ビデオで劇的な改善をご提示いただきました。すくみ足に対して、レーザーポインターの「点」も意外と効果あり、のようです。それから、パーキンソン病では、年に1〜2回、ブラッシュアップのための入院をして2週間くらいリハビリテーションするのがいいそうです。Cervical dystoniaのsensory

千葉県共用脳卒中地域連携パス回復期部会

東京湾岸リハビリテーション病院 で開催された、千葉県共用脳卒中地域連携パス回復期部会に参加しました。早く到着したので、近藤国嗣院長に院内をご案内いただきました。すばらしい病院です。いろいろなリハビリテーション病院を見学しましたが、それぞれがリハビリテーションに関して細かいところまで工夫されています。 さて、千葉県共用パスはこの会議で微調整が行われました。修正バージョンは近日到着予定。これをPDFのインタラクティブなファイルに作りなおし、 InCliPSのサイト にアップする予定です。

脳卒中協会千葉県支部のロゴ

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脳卒中協会千葉県支部 のロゴができました。

パリのおみやげ

Ladurée のマカロンと、 Jean-Charles Rochoux のチョコレート。値段も一流です。

The 13th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders 注目のポスター

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とにかく、activation studyが目立ちました。皆サンフランシスコで開催されているHuman Brain Mappingには行かず、こっちに来たのかな? 少なくとも私はそうですが。日本からはMIBGの演題が多数出ていました。そして、順天堂大学水野先生からはついに、日本のIstradefyllineの治験データが発表されました。協和発酵森先生によると、海外の状況に追いついてきたとのこと。他にもいくつかアデノシンA2A受容体の研究発表がありました。 で、私が注目したポスターは、 Test-retest reliability of 18F-AV-133 PET imaging to assess striatal dopaminergic neuron integrity C.M. Clark, M.J. Pontecorvo, K. Saha, D. Jennings, L. Adler, R.M. Zweig, A. Joshi, M. Lowery, D. Skovronsky(Philadelphia, Pennsylvania) です。VMAT2のリガンドです。test-retestの発表がIPCDに出てくるなんて... 今までのVMAT2のPET画像はクリアなものはなかったのですが、このポスターの画像は非常にきれいでした。なぜなら、SUV画像だから。動態解析はしないのかを訪ねると、クリアランスが早いからこれでいいのだ、と。 それから、 "Espresso coffee" for the treatment of excessive daytime sleepiness in Parkinson's disease: Results of four pilot n-of-one clinical trials J.J. Ferreira, L. Correia-Guedes, R.A. Freire, M. Coelho, M.M. Rosa, O. Rascol, C. Sampaio.( Lisbon, Portugal) エスプレッソとカフェイン抜きのものを併用して、不眠を改善したという研究。まだ4例ということなので、これからのデータ集積が期待されます。

The 13th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders 2

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June 9 Christopher G. Goetz教授から、Jean-Martin Charcot先生の業績についての講演がありました。詳細な観察と記録が印象的でした。Richard I. Morimoto教授からは、タンパクの異常と神経変性疾患に関する講演を聞きました。 Richard Lewy教授とPeter Redgrave教授からは、大脳基底核の生理学の講演がありました。基底核のcaudaはphysical feature domain、Rostralはspatial domain。 Peter Redgrave1 and Kevin Gurney. Nature Rev Neurosci 7, 967-975 睡眠障害のセッション REM behavior disorderについてはRon B. Postuma先生から、治療法として、抗不安薬の中止・clonazepam・melatonin(3mg)・ベッドの安全確保を挙げられました。Juliane Winkelmann先生からは、Restless Leg syndromeの遺伝子についての講演がありました。Alejandro Iranzo先生からは、parasomniaの多数の動画の提示がありました。 最後に、眼球運動障害の診察方法のワークショップに参加しました。眼球運動制限の程度を見るとき、まずは片方の目を隠して観察、次に両方を見る。次に、自分の鼻を見てもらい、検者が持つペンを見てもらう。こうすることで、遅い眼球運動がわかるようです。次に、追視ではなく自発的な眼球運動。左右のコブシの一方を立て、対側を見ていただく。次が頭部の動きに合わせた眼球運動。通常は他動的に素早く動かしても目の動きは付いていきますが、障害があると、遅れて眼球位置を修正するそうです。今回被験者のデモとなったSara先生は眼鏡をかけていたので、かけていないと遅れました(これも正常)。次に、縞の布を動かし眼振の観察。最後に輻輳。Richardson's syndromeの提示もありました。進行性核上性麻痺で垂直性眼球運動障害が出ますが、初期はまず眼球運動が遅くなる。これをきちんと診察しなければなりません。今後は眼球運動の診察に時間がかかりそうです。 June 10 私はポスター発表がありました。 画像診断のセッションを聞きま

The 13th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders 1

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6月7日から11日までパリで開催されている、The 13th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disordersに出席中です。今回はご夫婦でご参加の先生方が多いです。 Vidaihet先生のご講演では、ジスキネジアに対するDBSが、GPiとGPe、GPiとVim核など、double stimulationが試みられているようです。Elble先生の振戦の講演も興味あるものでした。Olanow先生とPoewe先生からは、現在検討中のパーキンソン病治療についての解説がありました。遺伝子治療とアデノシンA2A受容体拮抗薬が注目です。Skills Workshopでは、不随意運動患者のビデオを撮影について学びました。靴・靴下・ジャケットは脱いでいただき、Tシャツやキャミソールなど肩の動きがわかるような服装にすること、子供のときは、目線の高さにすること、ベースラインとして、全身を撮ること、など。配布資料には、疾患別に標準的なビデオの構成が書かれていました。

第18回脳ドック学会2

本日は、学会受付の合間に画像診断のセッションで座長をしました。MRAの技術的な演題が中心で、勉強になりました。

第18回脳ドック学会

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東京ドームホテルで開催された、第18回脳ドック学会参加中です。日本医科大学第二内科主催です。 私は、DOPA系PETによるパーキンソン病の病前診断に関する発表をしました。ただ、ADNI以上の大規模試験をしなければ、確定的なことは言えません... イブニングセミナーでは、脳ドック学会には珍しく認知症のシンポジウムがありました。特に初石病院川崎幸子先生の認知症患者の看護についての講演は参考になりました。看護側が患者の感情の変動にふりまわされない、というところがポイントでしょう。

平成21年度第1回千葉県脳卒中リハビリテーション協議会

平成21年度第1回千葉県脳卒中リハビリテーション協議会に参加しました。なかなか厳しい現状です。

第8回脳卒中市民公開講座

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日本医科大学看護専門学校で開催された、第8回脳卒中市民公開講座を開催しました。5月25日から31日まで脳卒中週間、脳卒中協会千葉県支部では、5月24日の千葉県脳卒中公開講座2009にひきつづき、毎年恒例の公開講座です。東京大学医学部脳神経外科教授斉藤延人先生をお招きして、「脳卒中の外科治療」と題した講演を拝聴しました。

第15回医療安全管理講習会

 日本医科大学看護専門学校で開催された、第15回医療安全管理講習会に参加しました。慶応義塾大学前田正一先生より、「医療と倫理・法 インフォームドコンセント」と題して、インフォームドコンセントの意義、注意点、説明の範囲などを講義いただきました。  通常医療のインフォームドコンセントと、医学研究のインフォームドコンセントは歴史が違う、ということでした。前者は、1914年のカードーゾ事件で、患者の同意の元に手術を行うべきという判例がでて、1957年のサルゴ事件で初めて「informed consent」という言葉が使用されたということです。一方、後者の歴史は、ナチスや日本軍731部隊の人体実験をふまえ、ニュルンベルク裁判と ヘルシンキ宣言 を経て確立されたものです。前者は患者の任意性が求められ、後者は被験者の自主性が求められるなどの違いがあります。前者は、軽微な医療行為(血圧測定や聴診など)ではインフォームドコンセントは不要ですが、後者では必要です。  インフォームドコンセントには、患者/被験者の「理解」が必要ですが、これを判断するのは困難、「説明における合理的な努力」をもって「理解」とするそうです。例に出された東大病院では、「生命保険の約款や六法全書ではなく、少年ジャンプを目指せ」というポリシーで説明文書を作成せよ、としているそうです。つまり、同じ厚い書物でも、少年ジャンプなら子供でも読む、ということです。私も患者さんのリクエストがあったので、 パーキンソン病のPETを解説するPDF を作ったのですが、まだまだ少年ジャンプより六法全書の方が近いかもしれません...

DEKIMAGA

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アドビシステムズ社が、 デジタルマガジン「DEKIMAGA」 を創刊しました。これは勉強になります。

千葉県脳卒中公開講座2009

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千葉市ペリエホールで開催された、千葉県脳卒中公開講座2009に参加しました。東京歯科大学市川総合病院内科の野川茂先生からは、内科医の立場から脳卒中の予防と治療のお話がありました。高血圧・脂質・糖尿病・喫煙・肥満などのリスクファクター管理の重要性を強調されていました。千葉県循環器病センター小野純一先生からは、脳外科の立場からのお話でした。ご自身の手術成績をきちんと出されているところが印象的でした。

第50回日本神経学会総会-3

 午前中は、ポスター会場と口演を行ったり来たり。パーキンソン病のbody mass index(BMI)や、栄養状態との関連がいくつか報告されていました。私のアデノシン受容体研究も、BMIと絡めてみようかなあ。  ランチョンセミナーは、Vanderbilt University Medical CenterのDavid Charles先生の講演を拝聴しました。DBS手術後の感染は、胸部の刺激装置付近が多いそうです。また最後に、患者の最も困っている症状をよく聞くように、と強調されました。 参考文献 W.M.M. Schüpbach, D et al.: Neurosurgery at an earlier stage of Parkinson disease: A randomized, controlled trial. Neurology, Jan 2007; 68: 267 - 271. Frances M. Weaver, PhD et al. for the CSP 468 Study Group: Bilateral Deep Brain Stimulation vs Best Medical Therapy for Patients With Advanced Parkinson Disease A Randomized Controlled Trial. JAMA. 2009;301(1):63-73. Bradley A. Wallace et al. Survival of midbrain dopaminergic cells after lesion or deep brain stimulation of the subthalamic nucleus in MPTP-treated monkeys. Brain 2007 130(8):2129-2145

第50回日本神経学会総会-2

 ランチョンセミナーでは、東北大学内科腎・高血圧・内分泌部門教授の伊藤貞嘉先生の「脳腎関連」を拝聴しました。伊藤先生の最近のreviewが フリーでダウンロードできます 。CKDと脳卒中の関連が盛んに研究されていますが、アルブミン尿も脳卒中のリスクファクターであり、なぜそうなるかが、よくわかりました。腎臓の濾過機能は糸球体が担っていますが、これは片腎に約100万個あり、1日約150lの血液を濾過、そこには約6kgのアルブミンが存在しますが、健常者では漏れ出るのがたった30〜299mg/日。大変な臓器です。また、メチルグリオキサールが、活性酸素と共謀して新たなラジカルを発生し、細胞傷害を引き起こすそうですすが、これを東北大学発ベンチャー企業である 株式会社トリムメディカルインスティテュート で測定できるそうです。治療抵抗性の高血圧の中に、 原発性アルドステロン症 があり、アニオンギャップをきちんと見ることを強調されました。アニオンギャップ=Na-Cl-HCO3で、腎不全がなければNa-Clは36くらいが正常、このバランスが崩れている場合は、原発性アルドステロン症を考えて精査すべきとのことでした。  午後は日本神経学会の総会、ついで2008年度の学会賞・楢林賞の記念講演がありました。学会賞の新潟大学小野寺理先生からは、脊髄小脳変性症のポリグルタミン鎖に関するご講演、神経細胞が非分裂細胞であり細胞の寿命が長い、したがって、細胞の内部環境維持が重要であるというお話が感銘を受けました。また、新潟大学の先生方が詳細な臨床的観察を記録していたことも印象的でした。楢林賞の順天堂大学望月英樹先生からは、パーキンソン病の遺伝子治療のご講演がありました。すでにいろいろな手法が試されていて、今後の臨床応用が期待されます。  その後は、会長の東北大学神経内科の糸山泰人先生の会長講演。最近話題のneuromyelitis optica(MNO)のお話ですが、aquaporin4抗体を介してastrocyteが障害されるのが主要病態であるということです。しかし講演の中で、かつて日本では、多発性硬化症がアジアでは少なく視神経脊髄型多発性硬化症が多いと考えられていたわけですが、これが多発性硬化症ではなくMNOであるとの考えに至る過程を強調されていらっしゃいました。  つぎに、50周年記念シンポジウム

第50回日本神経学会総会-1

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仙台国際センターで開催中の、 第50回日本神経学会総会 に参加中です。  午前中はポスター会場におりました。私は 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) のウェブサイトの検証を発表しました。 Google Analytics を使うと、セッション数(いわゆるアクセスのうち、30分以内の再訪問はカウントせず)だけでなく、世界中のどの地域からアクセスしているのか、検索キーワードは何か、直帰率(トップページの後、他のページを見ずに閉じてしまったり他のサイトに異動してしまった率。企業のサイトだと、70%を超えると問題になるらしいです)などがわかる無料サービスです。2008年6月11日~ 2009年3月31日の InCliPSのウェブサイト は、直帰率65.2%、サイトのトップページは工夫が必要です。また、検索キーワードは地域連携パス関連が多く、一般市民のアクセスというよりは、脳卒中地域連携パスに興味がある医療関係者のアクセスがメインであることが想像できます。一般市民に脳卒中地域連携パスを認知いただくには、まず、脳卒中を解説するページを作り、そこから連携パスのページに誘導するような仕組みを採用すべきでしょう。  75歳以上の患者に対する血栓溶解療法についてのポスターがいくつかありました。75歳以上は慎重投与ということになっています。改めて日本医科大学千葉北総病院脳神経センターの状況を調べてみると、血栓溶解療法患者のうち75歳以上は34.5%でした。しかし、地域によっては、75歳以上が約半数を占めているところもあるようです。予後良好例は75歳以下の患者より少ないようですが、出血合併症は著変ないようです。私どもも実際出血合併症で困ったことはほとんどなく、最近は80歳以上の方でも他の禁忌・慎重投与事項がなければ実施することが多くなっています。全国で統一されている投与基準も、施設によっては変更してもいいのではないかと考えさせられます。

千葉県共用の地域医療連携パス

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千葉県共用の地域医療連携パス正式バージョンがリリースされました。 こちら でユーザー登録ができます。

第49回日本核医学会総会演題締切の延期

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第49回日本核医学会総会 の演題締切が5月7日から14日まで延期されていましたが、さらに19日まで延期されていました。

XIX Symposium Neuroradiologicum 2010

XIX Symposium Neuroradiologicum 2010 はVeniceで開催予定でしたが、Bolognaに変更されました。日時も、2010年10月4日〜9日となりました。

Double Rainbow with Dark Alexander Band

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帰宅時に見ました。この朝日新聞の写真のように全部は見ていませんでした。右下のみ。 なぜ二重になるかは こちら 。「アレキサンダーの暗帯(Dark Alexander Band)」については こちらも ご参照を。

Society for Neuroscience

Society for Neuroscience に入会しました。

Bento for iPhone and iPod touch

  Bento for iPhone and iPod touch がApp Storeで発売されました。  以前SonyのCLIEを使っていたときは、FileMaker mobileというのがあり、データベースを持ち歩くことが可能でした。利便性のある反面、紛失時の情報流出の観点から、結局自分の業績を持ち運ぶくらいでした。でも、ハンドヘルドに入っている必要がないし、フィールド数やデータ数に制限があり、使いやすいとは言えませんでした。  Bentoは、MacOS上ではパスワードなしで開けるので、当たり障りのない情報しかあつかえません。iPod touchはパスワードを何度か間違えるとデータが消去されるように設定可能。住所・スケジュールは標準装備なので、後はメモなどかなあ? 山ほどあるスケールも入れておきたいなあ。今は、 Air Sharing を使って、テキストやPDFなど放り込んで持ち歩いています。でも、先日は内科の認定医の番号が書かれていなくて(書き直しをコピーし忘れ)、Macを起動して調べたっけ。その辺が解消するかなあ。   EverNote というフリーウェアでも、似たようなことができそうです。

国立新美術館と森美術館

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  故黒川紀章氏設計 の 国立新美術館 で開催された、 「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」 に行ってきました。「子ども」の描写の変遷がわかります。雨が降っていましたが、国立新美術館は乃木坂駅から直結、便利です。  そのあと、 南翔饅頭店 に小龍包を食べに六本木ヒルズへ移動、夕食には早かったので 東京シティビュー に行ったのですが、 森美術館 と共通チケットだったので、そちらも見てきました。「万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより」という企画でしたが、かなりかっとんだ現代美術で、非常に良かったです。  日本の美術館は入場料が高いですが、最近は企画がすばらしいです。

鎌ヶ谷シンポジウム 認知症研究の最前線 第1回

  鎌ヶ谷総合病院 で開催された、鎌ヶ谷シンポジウムに参加しました。   福島県立医科大学の橋本康弘先生 からは、正常圧水頭症(iNPH)における髄液の糖タンパク質糖鎖についてのご講演がありました。生体内のタンパク質のほとんどは糖鎖を持っているそうです。付いてないのはアルブミンくらい。腫瘍マーカーのほとんどが糖鎖。髄液中の蛋白では、血清とほぼ同様の糖鎖があるのですが、髄液型の糖鎖も。投稿前ということで詳細は割愛しますが、この糖鎖のひとつが、脈絡叢に多い、それがiNPHでは髄液中で少なかったとのことでした。iNPHの成因に髄液吸収障害説がありますが、その代償として脈絡叢での髄液産生抑制があるとしたら...などと、臨床医に興味をさそう基礎研究で、今後の論文が期待されます。  東京国際大学の森朋子先生から、鎌ヶ谷総合病院千葉神経何秒医療センター湯浅龍彦先生との共同研究で、iNPHのシャント術後の認知機能評価についての発表がありました。 Mini-mental state examination (MMSE) 、 Frontal assessment battery (FAB) 、 Trail making test (TMT) を使用していますが、シャント術後の歩行障害の改善が認めても、認知機能はそうでもなかったとのこと、iNPHでの最適なバッテリーが求められます。  東京大学古和久朋先生からは、第61回米国神経学会議の中で、とくに Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative(ADNI) についての最新情報がプレゼンテーションされました。日本でも J-ADNI が進行中ですが、米国のADNIが先行しています。MCIのうち16.5%がアルツハイマー病にコンバートしたそうです。また、MRIでは、正常加齢で海馬・側頭葉の萎縮が1.2%/年なので、MCIでは2.0%/年、アルツハイマー病では2.5%/年でした。ApoE4アレル保有者では、正常の人でもPiB PET陽性だったとか。所詮免疫染色のようなもので、健常者の病理でも老人斑が認められることもあるように、認知症がない方でPiB PETが陽性だから今後必ずアルツハイマー病になるとは限らない、ということです。J-ADNI代表の岩坪威先生のAβの論文は、 Iwatsubo T et