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日本医科大学産業医研修会

 日本医科大学産業医研修会でした。コロナ禍で産業医の単位確保ができていませんでした。日本医科大学の研修会は、2日間みっちりで辛いのですが、短期間で単位がたくさん取れるのでありがたいです。 長時間労働者、高ストレス者の面接指導に関する報告書・意見書作成マニュアルは こちら 。ここに面接時の生活習慣・セルフケアのアドバイスの例が記載されていますが、睡眠については以下の通りです。 睡眠に問題のある場合には、以下のような指導を行います。  毎日十分な睡眠時間を確保する。  眠くなってから寝床に就き、起床時刻を一定に保つようにする。  就寝前にリラックスすることがスムーズな入眠に有効である。  就寝直前の激しい運動や夜食摂取、飲酒や喫煙、就寝前 3~4 時間以内のカフェイン摂取は睡眠の質を悪化させるので控える。  就寝前の寝室の明るすぎる照明は、睡眠の質を低下させるので眠りを邪魔せず心地よいと感じられる程度に調整する。寝床に入ってからの携帯電話操作も覚醒を助長させるので控える。 不眠症は、メンタルヘルス不調の症状として現れることもある。睡眠に関連する問題で、日常生活や勤務に悪い影響が出てきて、自分では対処できない時には、早めに専門家に相談するように指導する。 上記の参考文献は 健康づくりのための睡眠指針2014 。この指針に書かれているもので上記にないものを以下に抜粋。 若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。 子どもには規則正しい生活を 休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進 朝目が覚めたら日光を取り入れる 夜更かしは睡眠を悪くする 夜間に必要な睡眠時間を確保できなかった場合、午後の眠気による仕事の問題を改善するのに昼寝が役に立ちます。 午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的。  眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない 眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない 眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに いつもと違う睡眠には、要注意。 睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意 眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談 睡眠薬などの薬を用いて

脳神経内科地域連携WEBセミナー

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 脳神経内科地域連携WEBセミナーに参加しました。 東邦大学医学部内科学講座神経内科学分野の森岡治美先生からは視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)についてのご講演でした。多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017は こちら 。国際診断基準は こちら 。 NMOSDはアストロサイトの傷害が病態の首座 。アストロサイトの足突起に水チャンネルであるアクアポリン4(AQP4)が多く発現。NMOSDの多くは抗AQP4抗体が病態に関与。それでアストロサイトが傷害され、炎症を生じる。 抗AQP4抗体は主にB細胞から分化したプラズマブラストが産生、IL-6はプラズマブラストの生存期間を伸ばし、抗AQP4抗体が持続的に産生される。 BBBで抗AQP4抗体はブロックされるが、通常の炎症などによりBBBが破綻、流入することになる。 図は こちら から。 NMOSD患者では、髄液および血中のIL-6濃度が多発性硬化症などと比べて高値になっている 。 東邦大学医学部内科学講座神経内科学分野の柳橋優先生からは、意外な症状からたどり着いた神経疾患、神経疾患によくある症状が内科疾患だった7症例が提示されました。ポイントは、詳細な問診、神経学的診察、時には長期フォローでした。てんかんの分類は こちら と こちら 。 パーキンソン病の前駆症状は こちら 。 脳卒中のpre-hospital scale、FASTは こちら 。大学の後輩、鈴木健太郎先生らのELVOは こちら 。stroke mimics は こちら 。stroke chameleonsは こちら 。この鑑別のポイントは意識と目! 認知症鑑別では高カルシウム血症とビタミンB12欠乏症。メチオニン⇄ホモシステインの代謝にビタミンB12→葉酸が関与。ビタミンB12が正常値でもホモシステイン高値は要注意。B12欠乏は認知症の原因になるが、アルツハイマー病のリスクでもありと。 こちら 。

第41回日本認知症学会学術集会/第37回日本老年精神医学会[合同開催]

東京国際フォーラムで 第41回日本認知症学会学術集会/第37回日本老年精神医学会 が開催されました。ハイブリッド開催なので、聞けなかったセッションは後日確認。 プリオン病に関するセッション・講演がいくつかありました。MRI拡散強調画像での大脳皮質のリボン状の高信号が特徴、 RT-QuIC法など髄液マーカー で診断が容易になってきました。しかし MM2型 はミオクローヌスなど神経症候に乏しく、他の病型と比べ髄液マーカーの感度が低い。 プリオン病の治療法が開発されている 中、早期診断が重要になってきているとのこと、新しいバイオマーカー、検体採取法が検討されているようです。 Japanese Consortium of Prion diseaseは こちら 。 本邦の、人工硬膜からの感染については こちら 。

第31回日本脳ドック学会

 大磯プリンスホテルで第31回日本脳ドック学会が開催されました。日本医科大学脳神経内科木村和美教授が会長。お手伝いに行きました。現地とライブ配信のハイブリッド(一般演題以外はオンデマンドあり)でしたが、最近の学会の中では現地よりでした。私が東京労災病院に異動した時はすでにコロナ禍だったので、久々にお会いした先生方にやっとご挨拶ができた感じです。 私は、コロナ禍での神経診察の変化に関するアンケート調査について発表しました。詳細は こちら をご参照ください。別刷が若干ございますので、ご希望の方、郵送致しますのでmishina@nms.ac.jpまでリクエストしてください。カーテン徴候など咽頭の観察はエアロゾルを発生しますので避けた方がよい。でも脳卒中救急の現場では、搬送されたその日の食事の形態を決めるため必要な診察。フルPPE+N95で実施している先生方が少なくない。指鼻指試験は指鼻試験・指耳試験にすると患者に触れずに診察できます。

「コロナ禍での神経診察」老年精神医学雑誌2022年3月号 連載 認知症診断のための神経所見のとり方 25

老年精神医学雑誌2022年3月号に、連載 認知症診断のための神経所見のとり方 25 「コロナ禍での神経診察」が掲載されました。 こちら 。

第45回日本脳神経CI学会総会 教育セミナー

 第45回日本脳神経CI学会総会 が開催されました。横浜パシフィコでの開催予定でしたが、web開催となりました。 教育セミナーで「脳卒中と認知症の核医学画像」の講演機会をいただきました。

ビデオ会議で、Keynote の発表者ディスプレイウインドウを使う

 Zoomなどでプレゼンすることが多くなりました。私はプレゼンにはKeynoteを使っています。発表者ツールを使います。発表者ツールがないと、余計なことをしゃべってしまい、時間オーバーになってしまいます... 時間は時計を見なければなりません。 で、いろいろ調べてみたら、 ここ に書いてありました。フルスクリーン表示でなく、「再生」>「ウインドウ表示」にして、発表者ディスプレイウインドウを表示させればいいようです。

森ケ崎Brain WEB Seminar

森ケ崎Brain WEB Seminarにおいて、東京労災病院で行っているパーキンソン病治療について講演しました。 パーキンソン病診療ガイドライン2018は こちら 。 Lancetのパーキンソン病の総説は こちら 。JAMAの総説は こちら 。N Engl J Medの総説は こちら 。 非運動症状の総説は こちら 。 L-DOPA誘発性ジスキネジアのセロトニン仮説は こちら 。 ドパミンアゴニスト別ドパミン受容体サブタイプの結合に違いは こちら 。 姿勢異常の総説は こちら 。 PD MED studyは こちら 。 ドパミン系以外の治療の総説は こちら 。 パーキンソン病の便秘など消化器症状については こちら 。 東京都保健医療公社 荏原病院 神経内科 野原千洋子先生には、多発性硬化症の治療に関する特別講演をお願いしました。 多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017は こちら 。 McDonald基準2017は こちら 。 厚生労働省の診断基準などは こちら 。

神経疾患よろずセミナー

 プラザ・アペアから神経疾患よろずセミナーを蒲田・大森地区を中心にweb配信しました。 Lancetのパーキンソン病の総説は こちら 。 変性疾患のパーキンソニズム鑑別には 18 F-FDG PET、 こちら と こちら 。 DatSCANでは変性疾患のパーキンソニズムとそれ以外を鑑別することは可能、変性疾患内の鑑別はできない、 こちら 。 123 I-MIBG心筋シンチはパーキンソン病・レヴィ小体型認知症と他疾患の鑑別に有用、 こちら 。ただし、 パーキンソン病の初期では低下しないことがあり 、 多系統萎縮症でも低下することがある 。 血管性パーキンソニズムはの総説は こちら 。 多系統萎縮症など画像の総説は こちら 。 排便回数が少ない人は将来パーキンソン病罹患率が高い、 こちら 。 近隣の先生方と実際にお会いして議論することが重要だなあ、と実感した会でした。

パーキンソン病WEBセミナー

 パーキンソン病WEBセミナーにお招きいただき、アデノシンのPETについて講演しました。本会場は群馬県前橋市でしたが、こういうご時世なので、私は蒲田から配信。 カフェイン摂取が多いとパーキンソン病発症リスク軽減 は こちら 。 コーヒーでなぜ目が冴えるか。 カフェインの腹腔内投与3時間後のマウスの覚醒時間が野生型マウス及びA 1 受容体遺伝子欠損マウスで投与後3時間の覚醒時間は用量依存的に増加、アデノシンA 2A 受容体遺伝子欠損マウスは覚醒時間に全く変化せず、 こちら 。 アデノシンA 2A 受容体作動薬(CGS21680)を前脳基底部クモ膜下腔や外側視索前野へ投与で強力なnon-REM睡眠を誘発、 こちら 。 結節乳頭核において、アデノシンがヒスタミン神経に発現するA1受容体を介してその活動を抑制することにより睡眠を誘発、 こちら 。 istradefyllineで、パーキンソン病における日中過眠を抑制、 こちら 。 健常者の脳内アデノシンA 2A 受容体分布の論文は こちら 。 私のアデノシンA 1 受容体加齢変化に関する論文は こちら 。 アデノシンA 1 受容体とA 2A 受容体の加齢変化の違いは こちら 。 未治療パーキンソン病のアデノシンA 1 受容体は こちら 。 パーキンソン病のアデノシンA 2A 受容体の変化は こちら 。 アデノシンPETの総説は こちら 。 11 C-Preladenant PETは こちら 。test-retestの論文は こちら 。 11 C-Preladenant PETを用いてistradefyllineの受容体占拠率を見たのは こちら 。カフェインの占拠率は こちら 。 istradefyllineでアンヘドニア・アパシー・うつが軽減、 こちら 。 istradefyllineの非運動症状に対する効果が載っていた総説は こちら 。

謹んで新春のお慶びを申し上げます

旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り誠にありがとうございます 令和三年四月日本医科大学を退職し東京労災病院に赴任いたしました コロナ禍で出鼻を挫かれましたが できることからやっております 引き続き御指導御鞭撻の程よろしくお願い申し上げます 皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます  独立行政法人 労働者健康安全機構 東京労災病院 脳神経内科部長 三品 雅洋