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7月, 2008の投稿を表示しています

放射線医学研究所

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  放射線医学研究所 分子イメージング研究センター先端生体計測研究グループ 画像解析研究チームの 木村先生 ・ 長縄先生 と研究の打ち合わせをするために、放射線医学研究所を訪れました。さすが放医研、巨大な施設でした。そして、通常のPET施設の10〜200倍の比放射能。  最近は、脳卒中地域連携パス関係の出張が多かったのですが、ひさしぶりに、アカデミックなお仕事でした。アデノシン受容体の論文、何とか完成させませんと...

Edaravoneの論文

心原性脳塞栓におけるedaravoneの効果と出血性変化に関する論文 がpublishされました。 Masahiro MISHINA, Yuichi KOMABA, Shiro KOBAYASHI, Shushi KOMINAMI, Takaharu FUKUCHI, Takayuki MIZUNARI, Akira TERAMOTO and Yasuo KATAYAMA; “Administration of Free Radical Scavenger Edaravone Associated With Higher Frequency of Hemorrhagic Transformation in Patients With Cardiogenic Embolism”, Neurologia medico-chirurgica, Vol. 48, pp.292-297 (2008) .

ドクターヘリの論文

脳卒中に、 ドクターヘリの論文 が掲載されました。 熊谷智昭、三品雅洋、武井健吉、松本尚、小南修史、福地孝明、水成隆之、益子邦洋、小林士郎、片山泰朗、赫彰郎:千葉県における脳卒中診療での救急医療用ヘリコプターの利用状況。脳卒中 30(4)、545-550、2008

Dr. Michael S. Okun講演会

 コモディオ汐留にある 日本メドトロニック(株) エデュケーション&トレーニングセンターで開催された、Dr. Michael S. Okun講演会に参加しました。Okun先生の講演は、 神経学会総会 、 ICPD2008 に続いて3回目ですが、また新しい情報を得ることができました。  上記2つの講演に追加する事項として、まずは、術前の認知機能の評価です。Okun先生はdementia rating scaleというスケールをご使用で、130点を基準にされているとのことでした。また、story memoryや、失認・失行もチェックすべきと。STN-DBSでは怒りっぽくなるそうで、術前にmentalのコントロールができない方は、STN-DBSは困難とのこと。ボーダーラインの方では、STNではなくGPiを選択されるそうです。ただ、以前自治医大藤本先生にお聴きした時は、STNの3倍の大きさのGPiを刺激するのは、場合によっては電極を2本入れなければならない、広く刺激するため電池交換が早く来る、など、そう簡単ではないようですが。  その他のSTN-DBSの適応外として、すくみ足・重度の立ち直り反射障害・warfarinなど抗血小板/抗凝固療法実施中の方・重度の脳萎縮をあげられていました。on-offで、UPDRS-IIIが30%以上改善しないなら、DBSは考えないそうです。それから、5年以内に急に進行する場合、薬剤抵抗性が考えられ、DBSは考慮しないそうです。前日offにして、次の日の朝、offの状態を評価しているそうです。  比較的若年例で適応を考えるときに、「仕事ができるように」ということは適応基準として考慮すべきではないそうです。DBS後に運動症状が軽減することと、仕事が可能になることは、必ずしも一緒ではないからです。  刺激装置の調節期間はoff medicationとして、副作用が出ない範囲で電圧をあげ、そのあとパルス幅・周波数を調節。電圧は3.6Vを超えると電池の消費が増大します。副作用が出る場合はmonopolorからbipolarに変更、効果が不十分なら2点のmonopolarに。その後抗パーキンソン病薬を戻して6ヶ月くらいかけて減量、L-DOPAを急激に減量すると、うつや心気症が出やすいそうです。  終了後の懇親会では、Okun先生とお話しする機会がありまし

第5回千葉北総神経放射線研究会特別講演会

三井ガーデンホテル千葉で開催された、第5回千葉北総神経放射線研究会特別講演会に出席しました。この会は、通常日本医科大学千葉北総病院に伊藤壽介先生をお招きして、診断に苦慮している症例の画像を見ていただく会ですが、今回は東京大学の青木先生から拡散テンソル画像のお話と東邦大寺田先生のAIDSの講演がありました。

ディベート・効率的な糖尿病診療とは!?

ホテルウィシュトンユーカリで開催された、「ディベート・効率的な糖尿病診療とは!?」に参加しました。ディベート形式は、The 12th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disordersでもありました。総合司会の日本医科大学千葉北総病院清野先生の進行が絶妙で、面白く聞けました。最近は、脳梗塞患者でも血圧は下げた方がいい、血糖も当然そう、コレステロールも下げた方がいい。血圧と血糖は、低血圧・低血糖は明確ですが、LDLコレステロールの加減は明確なエビデンスがありません。

Stroke Total Care

 ひきつづき、ホテルオークラ東京で開催された、Stroke Total Careに参加しました。連携についてのお話が多数出てきましたが、連携について私が見落としていた大事なお話がたくさんでてきました。ただこの研究会は撮影が許可されず、スライドをデジカメで撮らなかったので、正確にはお伝えできません。私のメモと記憶のみです。 地域脳卒中センターとプレホスピタルの連携  長崎リハビリテーション病院栗原先生より、脳卒中の地域連携のお話がありました。長崎では、脳卒中急性期の患者が専門施設に搬送されるのが52%に留まるとのこと、rt-PAを使う地域脳卒中センター、さらに高度な施設を高次脳卒中センターを作り(既存の施設が手を挙げる)、75%が専門施設に搬送されることが目標だそうです。  千葉県でも救急搬送の実態を調べなければなりません。重症例は日本医科大学千葉北総病院脳神経センターに搬送していると思うのですが、軽症例で発症2時間以内のときはどうか。倉敷市など一部地域では、救急隊のスケールがあり、血栓溶解療法の対象になる可能性がある場合は、血栓溶解療法が可能な施設に搬送する体制ができあがっているそうです。アメリカのシンシナティのスケールが有名です。これは全国の消防隊で使うべきなのではないでしょうか。  また、 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会 が作成した、脳卒中地域連携パスのご紹介もありました。これは私たちの 印旛脳卒中地域連携パス 同様、急性期と回復期のパスが分かれている形式です。急性期の部分はなかなかよろしいのではないでしょうか。 エダラボンとアルテプラーゼ(rt-PA)の併用  日本はrt-PA使用可能になったのが欧米より遅れること約10年、しかし、エダラボンのようなラジカルスカベンジャーを併用することができるのは日本だけです。新薬の治験は選ばれた専門施設のみが行うため治療成績がよいことが多いわけですが、アルテプラーゼの場合はJ-ACTなど治験の成績と実際一般臨床での治療成績が大きく変わらないとのこと、エダラボン使用が影響しているのかもしれません。岡山大学阿部先生のご講演でした。エダラボン使用で、3ヶ月後の大腿筋の萎縮の程度に差があるようです。 脳卒中≠Brain attack  聖マリアンナ医科大学の長谷川先生のご講演です。脳卒中は医師が診断しますが、Brain

Asian Scientific Symposium PD and RLS 2008

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 グランドプリンスホテル新高輪で開催された、Asian Scientific Symposium PD and RLS 2008に参加しました。Louisville大学のLitvan教授の講演を拝聴することができました。Litvan先生は進行性核上性麻痺の研究を多数なさっていて、 私の進行性核上性麻痺の論文に もいくつか引用させていただきました。進行性核上性麻痺は、最初の報告者の名前を取って別名Steele-Richardson-Olszewski Syndromeとも呼ばれていますが、その先生方の顔写真がでてきました。また、Steel先生の患者さんのビデオもでてきました。やはり初診時から画像をきちんと撮っておくのは大事なことです。  来年2月に、インドで 2nd Asia & Oceanian Parkinson's disease and movement disorders が開催されるようです。  今日は研究会が重なっているので、ここで移動、ちょうど豪雨も止み、青空が見えました。

iPhone 2.0 Software Update for iPod touch

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 iPod touchがついにアプリケーションを増やせるようになりました。これまで和暦と西暦は、メモに書いてあるものを見ていましたが、Gengou Freeで一発。郵便番号もわかります。英語の辞書も買っちゃおうかなあ。しかし、ZiPhoneとiPhoneNotesが使えなくなりました。メモも同期できるといいのですが。Stedmanもでないかなあ。iPodのKeynoteができてプロジェクターにつながるようにならないかなあ。そうすれば出張が楽になります。  また、無線LAN下なら、MobileMeでiPod touchのカレンダーと住所録が自動的に同期するようになりました。これは便利。 Amazon.co.jp ウィジェット

第3回文京ニューロサイエンスフォーラム

湯島の東京ガーデンパレスで開催された、第3回文京ニューロサイエンスフォーラムに参加しました。この会は日本医科大学の神経関係の科である、神経内科、脳神経外科、精神科、小児科が集まり、症例検討などをする研究会です。特別講演では、埼玉医科大学の松田先生より、SPECTなどの統計画像を用いた精神神経疾患の講演がありました。幻聴の脳血流などの他、SPMのWrappingやpartial volume effectの処理など、興味あるお話を拝聴できました。

医療連携を推進する会2

 続いて、熊本市民病院橋本先生のご講演でした。 脳卒中は当日〜翌日でoutcomeが決まる  熊本のクリニカルパスは、疾患別ではなく、FIMなどで区分した重症度によって分類されたパスをご使用です。急性期病院は、例えばラクナ梗塞のパスというように、疾患ごとに分けることが多いです。しかし、次のステップである回復期は、疾患を治すのではなく、障害を治すわけで、土俵が違う。さらに追加すると、療養期は生活が対象になる。今私はラクナ梗塞のクリニカルパスを作成中、ちょっと考え直す必要が... 重度障害でもリハビリテーションのチャンスを  2〜3ヶ月は回復する可能性があるわけで、リハビリテーションに乗りそうもないと最初から療養型に送るのではなく、回復期施設がいいだろうとのことです。私たちはこのような場合に特殊疾患病棟を持つ施設に送るルートを作りました。でもその前に、リハビリテーションをすべきということです。ただし、同じ病院に続けて何人も送ってしまうと、結局その病院の回転が遅くなります。なぜなら、急性期病院は全病室に酸素のコンセントがありますが、リハビリテーション病院ではそうではないからです。その部屋が空かないと、次の重症者は受け入れられない。だから、重症者は一カ所に集中しないように、分散させるようにしたほうがいいとのことでした。 脳卒中地域連携パスはどこが作るべきか  私たちの 印旛脳卒中地域連携パス は、日本医科大学千葉北総病院脳神経センターと新八千代病院が中心になって始めたものです。新八千代病院は当時すでに千葉脳神経外科と連携パスを作成していて、それぞれが治療のクリニカルパスがあり、それをそのまま使用していました。私たちは連携パスは急性期〜回復期〜療養期を1枚の紙にすることを考えていましたが、それぞれ別な紙とし、後で統合するシステムとしました。急性期の部分は私たち急性期病院で作成しました。  しかし、橋本先生は回復期が作るべきとおっしゃいます。例えば急性期病院からの診療情報提供書、こういう風に診断して、こう治療して、肺炎になっても何とか治して...と、自慢話の羅列です。しかし回復期はどういう情報が欲しいのか、麻痺の程度、食事形態、発語、排泄、患者さんの障害の程度を知りたいのです。これらの事項は私たちの紹介状では抜けがちです。回復期が必要な情報を提供するのが地域連携パスの目的です。

医療連携を推進する会1

 ホテルニューオータニで開催された「医療連携を推進する会」に参加しました。相澤病院原先生と熊本市民病院の橋本先生のご講演を拝聴しました。 脳卒中地域連携パスもすごろく型ではなく...  原先生のお話の中で、印象的な事項がいくつかありました。  回復期リハビリテーション病院退院後、リハビリテーションが継続できるかが重要だそうです。相澤病院では、退院後も3ヶ月ごとに患者の状態をチェックするそうです。一般的な脳卒中地域連携パスは、急性期→回復期→療養期と進んでいくすごろく型です。私たちの 印旛脳卒中地域連携パス もそうです。心筋梗塞などは、カテーテル検査などをフォローアップで行う循環型が主流です。原先生は、脳卒中もリハビリ専門医の定期的なフォローが必要とおっしゃっていました。私たちの脳卒中地域連携パスの会議でも、かかりつけ医の先生から、その後のリハビリテーションはどうするのか、というご質問をいただきました。私たちの地域でも、リハビリ専門医の定期的なフォローの体制が必要と感じました。 Early Supported Discharge (ESD)  自宅退院を進めるには、訪問リハビリテーションの体制が重要ということです。相澤病院では、ラクナ梗塞は3〜4週間で自宅退院になるそうですが、その際に大事なのが、ESDチームです。私たちの急性期病院では実施困難、回復期施設にお願いすることになります。 患者用パスに書くべきこと  私たちの患者用パス( こちらからダウンロードできます )は、急性期病院で行うこと、その後回復期施設に移ることなどが書かれているだけです。相澤病院のパスには、例えば身体障害者手帳を申請する時期や、復職を目指す場合はその旨も書くようになっています。私たちのパスは私たちの体制だけをお知らせしている、相澤病院は患者さんに必要な情報を提供している... これも改善すべき事項です。 急性期のリハビリテーション  相澤病院に紹介された他施設で急性期治療を行ったケースをビデオでお見せいただきました。脳出血だから積極的なリハビリテーションは無理だったのだと思いますが、Wernicke-Mann肢位だったり、クローヌスが認められたり... 反射の亢進もまさにリハビリテーション開始の遅れとおっしゃいました。この辺は、私たちはも大丈夫、重度の患者でも翌日にはリハビリテーション科に診察

カバサール千葉講演会

 日本医科大学で科研費の説明会があった後、千葉市の京成ホテルミラマーレで開催されたカバサール千葉講演会に出席しました。まず、日本医科大学第一内科の本間博先生より、弁膜症の心ECHOについてのご講演がありました。カバサールなど麦角系ドパミンアドニストの副作用として、弁膜症が問題になっているからです。しかし、本間先生は、一連の麦角系ドパミンアドニストの弁膜症の研究で、弁膜症の診断基準に問題があることを指摘されました。心ECHOでの逆流のみで診断している場合が多く、逆流がsevereという基準でも、臨床上症状もないレベルとか。心ECHOで、弁の肥厚とかドーミング(弁の奇異な動きで腱索などのひきつれ)があれば、弁膜症と診断してもよいかもしれないが、単なる逆流は正常の人でもいると。第二内科永山先生の症例のうち心ECHOで逆流があった60例中1例しか、麦角系ドパミンアドニストによる弁膜症と思える症例がなかったとのことでした。従って、全体から見るとかなり少ないということです。単なる逆流を診断基準にせず、再検討が必要とのことでした。鎌ヶ谷総合病院千葉神経難病医療センターに移られた湯浅龍彦先生も、神経内科医は大げさに騒ぎすぎ、再検討が必要、と懇親会でお話しされていました。  そのあと、自治医大藤本先生より、パーキンソン病治療の精神症状についてのご講演がありました。パーキンソン病の治療が発達し、患者さんは長生きするようになりましたが、認知障害や気分障害が問題になることが多くなりました。プラミペキソールはドパミンD3受容体を刺激することでうつ症状の改善が期待できますが、一方で、pundingなどメンタル面の副作用もあります。STN-DBSも、精神症状が問題になっています。視床下核の上の方は運動機能ですが、下部に精神系のループがあるからだそうです。DBSはこれを抑制することになり、迷うような事項に迷わなくなったり、感情の抑えが利かなくなったりするようです。淡蒼球内節は精神症状が少ないとされていますが、広範に刺激しなければ効果がなく(場合によっては2本入れる)、電池も早期になくなるため入れ替えも多くなるということで、あまりやらないそうです。また、病的賭博や睡眠発作など副作用について、患者さんが医師にお話しないことも多く、何でも話せるような人間関係を構築することが最も大事とのことです。妄想など