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7月, 2009の投稿を表示しています

第21回日本脳循環代謝学会演題締切延長

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第21回日本脳循環代謝学会の演題締切が、 8月11日まで延長されていました 。

Treatment of the Parkinson’s Disease in Chiba

 ホテルスプリングス幕張で開催された、Treatment of the Parkinson’s Disease in Chibaに参加しました。University of Milan-hovelのAngelo Antonini教授より、パーキンソン病治療に関するご講演でした。  初期診断が重要であるとされ、イタリアでは、DAT scan(ドパミントランスポータのSPECT)が用いられるそうです。SPM解析で、被殻後部の低下が示されました。そして、MSA-Pとの鑑別では、DAT scanとMIBG心筋シンチの組み合わせが有用とおっしゃいます。しかし、パーキンソン病初期では、MIBG集積が低下しない場合もございますが。SPECTの解像度だと、線条体も丸くなりますし。やはり、 CFT & RAC PETがいいと思いますけど 。  Entacaponeをパーキンソン病初期から使用すると、ジスキネジア発現のリスクが高まるそうです。  注目のnon-motor symptomについては、 Antonini先生らの論文 と Baron先生らの論文 を。non-motor symptomは、QOLを悪化させます。特にdepression。off時のnon-motor symptomを聴取すべきだそうです。  欧米では、levodopa duodenal infusionができ、1日1回カセットを取り替えるのみで、持続的にlevodopa投与ができるそうです。1日1回投与のpramipexoleは、sleep attackを防げる可能性があるそうです。  この懇談会で、 美浜神経内科 師尾郁先生から、連携に関するアイディアをいただきました。頭痛や両側のしびれなどの軽微な症状は、救急病院に行くのではなく、専門医のいるクリニックが担うのがいいのではないか、というご意見です。大病院とは違い、MRIなどの検査がすぐできます。クリニック同士が専門性をオープンにして、連携する仕組みを作れればいいのですが...

千葉県地域連携の会

千葉大学附属病院で開催された、千葉県地域連携の会に出席しました。 千葉県共用パス の会議で、 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) の会議も兼ねています。議事録を作成しましたので、近々 InCliPSのサイト にアップいたします。PDF自体は完成したのですが、大学のサーバーは大学内に入らないと接続できません。しばしお待ちください。

千葉県医師会日医認定産業医研修会

 千葉県医師会で開催された、千葉県医師会日医認定産業医研修会に出席しました。   君津健康センター の山瀧一先生からは、「企業外労働衛生機関の活用」という題で、君津健康センターの業務を中心に講演がありました。君津健康センターは、新日鉄君津製作所内にあります。産業医活動をこういった専門機関と連携すると良さそうです。千葉県には、 千葉産業保険推進センター というとこともございます。  東京大学大久保靖司先生からは、化学物質取り扱いの作業指針の作り方のお話がありました。 国際労働機関(International Labour Organization、ILO) が、開発途上国向けに作成したリスクアセスメントツールが、コントロールバンディングです。United Kingdom's Health and Safety Executiveが開発した、 The COSHH Essentials がベースになっているそうです。The COSHH EssentialsのサイトはInternet Explorerじゃないときちんと動かないようです。まずは 化学物質の有害性のチェック 。国際化学物質安全性カード(ICSC)日本語版は こちらから 。ILOのICSC検索は こちらから 。European Chemicals Bureauのサイトは こちら 。そして、作業指針シートは、 The COSHH Essentials でPDFがダウンロードできます。日本語版は こちら 。これらのシートが全てに国に適用できるわけではないので、それぞれの国の法律に照らし合わせて変更する必要があります。また、物質の添付文書にも準拠すべきとのことです。  労働衛生コンサルタント事務局元気げんきの永島昭司先生からは、独立系産業保健専門家の活動についてのお話がありました。最近の不景気は産業医の仕事に密接に関連しているようです。巨大企業より、200〜500人規模の企業の方が、世の変化に迅速に対応しているそうで、経営者の能力が問われるとのことでした。不採算部門として切り離された子会社が、業績改善でふたたび大企業に吸収されたりしているそうです。病院もそうかもしれません。最近の回復期リハビリテーション病院はいろいろ工夫されていますが、大病院は... 労働衛生コンサルタントの報酬の参考値は こちら 。

第6回千葉北総神経放射線研究会特別講演会

 三井ガーデンホテル千葉で開催された、第6回千葉北総神経放射線研究会特別講演会に参加しました。  荏原病院井田正博先生のご講演は、脳卒中急性期の画像診断でしたが、首都高が大渋滞で間に合いませんでした...    名古屋市立大学芝本雄太先生 からは、最新の放射線治療についてのご講演がありました。トモセラピー・サイバーナイフ・ガンマナイフ・陽子線治療などの最新治療が勉強できました。腫瘍部を照射するのは当然ですが、照射したくない部位の線量をいかに低下させるか、テクノロジーの結集で夢のような治療が実現しています。驚いたのは、名古屋市立大学だけでなく周辺の関連病院にも放射線治療機器があって、腫瘍によって最適な治療装置を紹介できる連携ができている点です。千葉県循環器病センターに頼っている千葉県とは大きな違いです。日本医科大学千葉北総病院では、 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) の他にガンの連携パスもあるのですが、放射線治療の連携も千葉県内に必要なのではないでしょうか。

納涼会

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ヒルトン成田で開催された、日本医科大学千葉北総病院脳神経センター納涼会に参加しました。 InCliPS ご参加の先生方にも多数ご参列いただきました。

第13回「脳梗塞フォーラム」研究集会

 新宿のヒルトン東京で開催された、第13回「脳梗塞フォーラム」研究集会に参加しました。当番世話人の日本医科大学片山泰朗先生のお話では、本邦で2005年の承認以来約4,000例にアルテプラーゼによる血栓溶解療法が実施されているそうです。しかしこれは急性期脳梗塞患者の約2.5%にすぎず、3時間以内の来院に限っても9.3%にすぎないそうです。この研究会は、rt-PAの話題です。  日本医科大学大久保誠二先生からは、エダラボンとアルテプラーゼの併用療法についての講演がありました。ラットのMCA閉塞モデルで、エダラボン併用による梗塞巣の縮小と、therapeutic time windowの延長を確認されました。埼玉医大棚橋先生からエダラボンとtPAの相乗効果についての質問がございました。私の意見はこうです。ラジカルはTNF-αを惹起し、PAI-1を増加させますが、PAI-1はt-PAと結合してtPA-PAI1複合体を作ります。したがって、ラジカルを減少させるラジカルスカベンジャーは、ラジカルによるt-PAの減少を抑制するのではないかと思っています。詳細は こちらの論文 をご覧ください。だから私たちの施設では、アルテプラーゼ投与待機中(採血の結果待ち)に、エダラボンを流しておきます。  日本医科大学桂研一郎先生からは、脳卒中急性期における脳保護療法についてのレビューがありました。これまで動物実験では数々の脳保護薬の有効性が証明されていますが、臨床治験はエダラボン以外は失敗に終わっています。最近桂先生や 日本医科大学老人病研究所 が行った水素の酸化ストレス抑制作用は注目されます。Nature Medicineの論文は こちら 。  国立循環器病センター峰松一夫先生からは、rt-PA治療の現状と今後の展望についてのお話がありました。アルテプラーゼの市販後調査では、本邦においては比較的安全に実施されていること、現在MRI画像診断の研究が終了していることが示されました。日本での実施率が低いということですが、 国内では特にStroke Care Unitを有する施設を中心に実施されているとのことです 。そして、4年間で1例もアルテプラーゼが使用されていない医療圏がいまだに存在し、医療格差を問題視されました。ということで、 脳卒中協会 などが中心になって活動されている、脳卒中対策基

任侠ヘルパー

フジテレビのドラマ、 任侠ヘルパー の中で、 印旛脳卒中地域連携パス のメンバー、 東京湾岸リハビリテーション病院 が出てきました。ドラマでは高級老人ホームとして使われていましたが、1階のトイレなどは本当に高級なのです。訓練室の機器はもっと高級です。

第5回Western Chiba Neurological Seminer 2

京都大学高橋良輔先生からは、現在作成中のパーキンソン病ガイドラインのお話がありました。 これまでのガイドラインは、専門家が自分たちの考えを元に作成したものでしたが(Good Old Boys Sitting Around the Table、GOBSAT)、最近のガイドラインは、evidence-based medicine(EBM)の実践の実践(Keep It Simple and Sensible、KISS) 。  現行のガイドラインでは、パーキンソン病治療開始は、症状によりADLに影響が出てからとなっていますが 、治療開始が早い方がいいという研究もあります 。一方で、EBMができるのは、お金があるところ。つまり儲かる薬にはEBMはあるが、アマンタジンやトリヘキシフェニジルのような古くから使用されている薬は薬価も安いのでEBMもなし。しかし、費用対効果も医療体制が変わってくると重要になってくる... パーキンソン病の方は薬を飲めば仕事もできて、税金を稼いでくれるのですよ。療養施設に入ると、特定疾患の医療費補助も適用されなくなり、抗パーキンソン病薬はどんどん切られてしまうのが現状... 

第5回Western Chiba Neurological Seminer 1

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 浦安ブライトンホテルで開催された、第5回Western Chiba Neurological Seminerに参加しました。  順天堂大学の志村秀樹先生からは、ubiquitin-proteasome systemを中心に、タンパク質分解機構とパーキンソン病など変性疾患についてのご講演がありました。志村先生はすでに Nature Genetics や Science の論文がありますが、 以前書いたように 、順天堂大学の底力には恐れ入ります。  神経変性疾患が、異常タンパクの増加による神経細胞の変化が原因ですが、病理で見られる各種封入体が「異常なタンパク質」の蓄積あるいは異常な「タンパク質の蓄積」であります。その病態として、異常タンパクの産生増加の場合と、異常タンパクの分解機構の障害の場合があります。ポリグルタミン酸病は前者がメイン、パーキンソン病やアルツハイマー病は後者がメインと考えられます(もちろん双方が関与しています)。  ubiquitinがtagのようになって標識された異常タンパクは、 proteasomeという巨大分解酵素複合体による分解されます 。また、 内部に分解酵素を持つlysosomeも、ユビキチン化されたタンパクの分解に関与しているらしい 。 p62がタンパクの凝集を促進し、lysosomeのautophagyを調節している 。タンパク異常の防御機構は二重三重になっています。  パーキンソン病におけるubiquitin-proteasome systemについては こちら 。ユビキチン化が機能しなかったり、プロテアソームの分解機構の破綻がおこってしまう。 プロテアソーム阻害剤によるパーキンソン病モデルの研究がいくつかある 。しかし志村先生はプロテアソームそのものの活性低下がメインではないと推察されているそうです。Parkin=ubiquitin ligase。Parkin deficit modelでは無動・振戦・固縮などなく、黒質ドパミンニューロンの変性はない。  最後に、O-結合型糖鎖αシヌクレインの研究と、タウはCHIPというユビキチンで標識されプロテアソームで分解されるとお話がありました。

ミコンビ配合錠新発売記念講演会

 京成ホテルミラマーレで開催された、ミコンビ配合錠新発売記念講演会に参加しました。  いつもお世話になっている新松戸中央総合病院の中村司先生からは、腎臓内科の立場から降圧剤に関する講演がありました。 アンジテンシンII受容体が生命予後に関連があることを示唆する論文 が、イタリアのグループからでたそうです。 telmisartanとolmesartanを比較した論文 、あるいは中村先生ご自身の研究で、telmisartanの降圧効果以外の優位性(尿アルブミンや尿細管間質マーカーのL-FABPの減少など)が提示されました。これらはPPAR-γの作用と思われます。そして、Crea 0.5mg/dlと軽症と思われる糖尿病性腎症でも、腎生検標本では糸球体硬化が認められるそうで、軽症のうちから介入すべしとのことでした。アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)で降圧が不十分の場合は、benidipineやazelnidipineをお勧めでした。カルシウム拮抗薬の多くは輸入細動脈を拡張するのですが、この2者は輸入細動脈も拡張するからだそうです。また、スタチンも積極的に使用するそうです。ただし、この積極的な治療はあくまで軽症例のお話です。LDLアフェエーシスもタンパク尿を減少させるそうです( Moorhead JF et al., Lancet 320 1309-1311 )。中村先生ご自身の論文は こちら 。また、赤ワイン(ポリフェノール?)もタンパク尿を減らすそうです。血中のAGE/RAGE/HMGB1/ADMAといった炎症マーカーがCKDでも上昇し、telmisartanで減少するそうです。これは脳卒中の研究でも使えそうなマーカーです。アルドステロンブロッカーやレニンブロッカーもそのうち出てくるそうです。  佐賀大学の野出孝一先生からは、高血圧診療のことと、体内時計遺伝子についてのご講演がありました。ARBとスタチンの併用でCKDの予後が改善する、ということです。腎保護的なARBを中止する基準は、血清Creaが前値の30%以上増加、血清Creaが前値の1mg/dl以上増加、Kが5.5mEq/l以上と提示されました。telmisartanは100%肝代謝、肝臓が悪い人では要注意です。それからCrea 2.0以上の場合の利尿薬は、まずルプラック・ダイアートから、最後にラシックスと

脳卒中フォーラム

 ホテルニューオータニ幕張で開催された、脳卒中フォーラムに参加しました。昨年は、 医療連携を推進する会 で、この懇親会で回復期リハビリテーション病院の院長先生方が回復期が作る共通の脳卒中地域連携パスの必要性を話し合い、 千葉県共用パス につながったのです。  本日の会では、白石脳神経外科病院の高橋明先生から、 砂川市立病院 にいらっしゃったころの中空知地区の医療連携のお話がありました。北海道は札幌市以外は大変な状況とお聞きしていましたが、高橋先生は市民・救急隊・内科の病院・回復期リハビリテーション病院などと積極的に講演や連携をはかり、大規模な連携システムを構築されていました。しかも脳外科医が2〜3人という状況で、血栓溶解療法も日本医科大学千葉北総病院脳神経センターより多数例、しかも好成績で実施されていらっしゃいました。tPA後に脳血管撮影を実施して、再開通があれば血圧は正常レベルまで下げ、再開通がなければ血圧を高めにするそうです。そして、軽症例を4〜5日で内科の病院に転院する、軽症例脳卒中地域連携パスは画期的ですが、これを2004年に実現されています。非専門病院の経営側のご理解が必要です。これには、収益が上がること、悪化時は専門病院がバックアップする約束、急性期をすぎて急変が少ないことをご説明する必要があります。市民公開講座には、通常の講演の他、劇を取り入れていらっしゃいました。救急隊の病院前脳卒中救護(PSLS)では、シンシナティ・ストローク・スケールを使用されていました。倉敷のKPSSもいいのですが、受け入れる病院側が把握していない、そこでKPSSは使用せず、シンプルなシンシナティ・ストローク・スケールを取り入れたそうです。これを、救急隊だけでなく、市民にも啓発、血栓溶解療法で成績がいいのは、軽症例でも早期に来院されるからだそうです。逆に重症例はどうされているか、地域の脳卒中診療のスキルがアップすると、慢性期の病院に空きが出て、受け入れてもらえるようになったそうです。インターネットとVPN、ファイルメーカーを利用した、 DASCHシステム を稼働していて、効率がよろしいようです。思ったほど経費もかかっていない模様...  東京歯科大学市川総合病院の野川茂先生からは、慢性期脳卒中のリスクファクターの管理と、医療連携の話がありました。急性期で処方したものが療養期で変