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10月, 2011の投稿を表示しています

大和健康セミナー

大和証券町田支店で脳卒中に関する講演をしました。でも、ちょうど政府が為替介入。講演どころじゃなかったのでしょうね...

第51回日本核医学会学術総会

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つくば国際会議場で第51回日本核医学会学術総会が始まりました。 まずは緊急合同シンポジウム「福島第一原子力発電所事故による放射性物質漏えいについて」。核医学学会は サイト で情報を出していますが、マスメディアでは未だ間違った解釈を垂れ流し。少なくとも専門家集団である核医学学会会員は、正しい情報を持とう、というものです。長崎大学の長瀧重信先生からは、 チェルノブイリ原発事故 の調査のご経験から福島原発事故との対比が示されました。当時の報道は、「原発のなかで2,000人が亡くなり、周辺住民の5万人が放出された放射性物質のためなくなった。」と。住民はパニック状態で、長瀧先生方専門家は、まず子を心配する親たちを安心させることだったそうです。 UNSCEAR が発表した“正確な情報”は、原発内部で124人がacute radiation syndromeを示し、高線量被曝で他界されたのは28人。清掃作業や石棺の建築に携わった 作業員 24万人は平均100mSv被曝したが、明らかな健康被害は認められませんでした。汚染された牛乳を飲用した児童に6,000人の甲状腺癌が発見され、15人が亡くなっています。それよりも、精神的なダメージで数百万人が自立できない状態にあるそうです。実はチェルノブイリ原発事故が放出した放射性物質は、原爆実験よりも少ないらしいです... 東北大学福田寛先生からは、放射線の生物への影響について。確定的影響と確率的影響があります。確定的影響は閾値があり、それ以下では何も起こりません。例えば皮膚は、2〜3Gyの被曝で紅斑が生じます。18Gy以上では難治性の潰瘍や壊死を生じます。確率的影響はDNA損傷とその修復エラーなどにより将来の発癌・癌死のリスクです。広島・長崎の被爆者のデータがevidenceになります。白血病は7年後にピークとなりその後減少。固形癌は10年後以降に発生しその後増大。しかし、100mSv以下の被爆者は癌死の有意な増加がない。福島原発事故では確定的影響はなし、確率的影響は500mSvを超えた可能性がある4名(だったか、抄録では2名)の作業員だけが考慮される。福島県立医科大学の宍戸文男先生からは、現場の原発事故対応について。1999年のJCO事故を受け、原発事故の被曝に対応すべく毎年訓練を実施、マニュアルもあったそうです。被爆者が大量に押

EndNote X5

EndNote X5になって、引用のマークが、 The density of A2ARs in the basal ganglia was lower in patients with Huntington’s disease than in normal subjects (Martinez-Mir et al., 1991). に加え、 Hurley MJ et al. (2000) reported that mRNA levels for A2AR of the patients with Parkinson’s disease were decreased.... というのも可能になりました。Wordのメニューの「ツール」からEndNote X5、Find Citations... で、文献を検索・選択し、Insertボタンの三角をクリック、Insert & Display as: Author (Year)を選択しましょう。コードは、 {Hurley, 2000 #199} ではなく、 {Hurley, 2000 #199@@author-year} ですね。マニュアル見ないとできませんでした。

第15回Neurology SPECT定量検討会

 都庁の会議の後は、東京ステーションコンファレンスで開催の第15回Neurology SPECT定量検討会へ。パーキンソン病の核医学検査がテーマなので、行かないわけにはまいりません。といってもちょっと遅刻。関東中央病院織茂智之先生からは、MIBG心筋シンチとIMP SPECTについて。病理所見での裏付けは圧巻です。自治医科大学村松慎一先生からは、FMT-PETによるドパミンシナプス前機能の画像化。自治医科大学で行っているパーキンソン病に対する遺伝子治療の効果を、PET画像で評価します。千葉大学平野成樹先生からは、放射線医学研究所との共同研究であるMP4A・MP4PのPETでの、コリンエステラーゼ活性の画像化。篠遠仁先生を中心に行われた様々な神経変性疾患にわたる素晴らしい研究です。東北大学武田篤先生からは、αシヌクレインの画像化を、元々アミロイドプローブとして開発されたBF-227で実現したお話。論文は こちら 。 パーキンソン病より多系統萎縮症の方がシヌクレインが多いんですね 。国立精神・神経センターの村田美穂先生からは、ドパミントランスポータ(DAT)を画像化する[ 123 I]FP-CIT SPECTの期待と、村田先生が見いだした抗てんかん薬ゾニサミドのパーキンソン病治療への応用、腰曲がりの治療が講演されました。DAT SPECTは固縮と姿勢反射障害の重症度とは相関しますが、安静時振戦・姿勢時振戦の重症度とは相関しないそうで。最後は総合討論。  私が以前書いたパーキンソン病のPETについては こちら 。その後、書いた総説は こちら 。CFT PETによる発症前診断の可能性についてもふれました。

平成23年度第2回東京都脳卒中地域連携パス合同会議

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東京都庁第一本庁舎で平成23年度第2回東京都脳卒中地域連携パス合同会議が開催されました。今回は、JR東京総合病院田中清和先生、東大和病院角田尚幸先生、吉祥寺南病院竹原真也先生より、脳卒中地域連携パスの使用状況、連携の効果などがプレゼンテーションされました。東京都は他地域に比べ脳卒中地域連携パスが浸透していないことが指摘されますが、使っているところは使っているのです。ちなみに日本医科大学千葉北総病院は使うべき患者にはほぼ全例使用していましたが、日本医科大学付属病院はあまり使っていません。電子カルテにパスシートが入れば、一気にトップユーザーになれるかも。

第4回文京脳卒中マネージメントフォーラム

ホテルメトロポリタンエドモントで開催された、第4回文京脳卒中マネージメントフォーラムに出席しました。 九州医療センターの矢坂正弘先生からは、脳梗塞のリスク管理についての講演がありました。脳梗塞は10年で2人に1人が再発、心原性脳塞栓に至っては4人に3人。しかし、昨今の薬物療法の発展で、無症候性脳血管障害は、 外科治療よりbest medical treatmentが上回るという論文 があるほど。血圧と出血の関係は BAT study 。心筋梗塞と違い、脳梗塞は出血につながることが多い。喫煙などリスクファクターと脳卒中・心血管イベントの関連は こちら 。弁膜症性心房細動とというとき、リウマチ性僧帽弁膜症・人工弁・僧帽弁置換術後を指し、これ以外の弁膜症を合併していても、非弁膜症性心房細動。moya ECHOは血流の欝滞。CHADS2とCHA2DS2-VAScの比較は こちら 。RE-LYの出血の検討は こちら 。脳は組織因子(tissue factor; TF)が多くあり、VIIaと複合体が良くできる。これがII・VII・IX・Xを阻害するワルファリンでは減少。Jellyfish signは こちら 。mobile plaqueは こちら 。B-Flow-winkerで、B-modeではわかりにくmobile plaqueを描出できるとか。 新潟大学小野寺理先生からは、CARASILなど 脳小血管病 に関する講演がありました。このまれな疾患が N Engl J Medに掲載 されるには、遺伝子の同定を始めとする病態の解明があったようで。白質病変については こちら 。 95%の方が何らかの白質病変が見つかるらしいです 。大血管は言うなれば土管。小血管は弾性板がなく、 Brain Blood Barrier(BBB) という機能を持つ。内弾性板がないから、物質の輸送が可能に。Nature Medicineの論文は こちら 。アルツハイマー病のneurovascular regulationについては こちら 。ラクナ梗塞がBBBの破綻であると主張する論文は こちら と こちら (ただしこのグループしか言っていない...)。ラクナ梗塞の患者はラクナ梗塞を再発しやすいという論文は こちら 。ラクナ梗塞患者の網膜所見については こちら 。したがって、小血管病と大血管病は違うも

Lancet Neurologyのパーキンソン病画像の総説

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Lancet Neurologyのパーキンソン病画像の総説 に、 PLoS ONEの論文 が取り上げられました。

デメンチアコングレスin Tokyo 2011

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ロイヤルパークホテルで開催された、デメンチアコングレスin Tokyo 2011に行きました。 日本医科大学山崎峰雄先生からは、今年から日本でも選択肢が増えたアルツハイマー病薬の使い分けに関する講演がありました。donepezil3年間投与の効果については こちら 。donepezilの高容量23mgの効果については こちら 。galantamineについては こちら もご参照ください。rivastigmineは日本ではパッチ剤のみ。経口薬では嘔気が多かったようで。butylcholinesterase(BuChE)を阻害します。イタリアでの3薬の比較は こちら 。meta-analysisは こちら 。客観的には3つに差がないということでした。memantineについては こちら もご参照ください。JAMAの論文は こちら 。donepeziにadd onで効果あり。PiBでワクチン療法の効果を見た論文は こちら と こちら 。この辺が、ADNIが目指していたところでしょうね。ADNIについては こちら 。山崎先生は介護負担のスケールをご検討中とか。 認知症介護研究・研修東京センターの長谷川和夫先生からは、認知症のケアや診察の手法についてのご講演がありました。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM)では、間もなくversion Vが予定されているとか。長谷川先生と言えば知能スケールですが、大学にいらっしゃるときは当然若い人たちがスケールを実施し、長谷川先生は数値を見ていました。しかし、最近クリニックの仕事もなさるようになると、ご自身でやらざるを得ない。しかし、自分でやることで、数値以上の情報がわかるようになったそうです。ちなみに、「100-7」の課題は、単なる計算ではありません。「93-7」をやっていただくのではなく、「100から7を順番に引いてください。」と命じ、「93」を記憶する注意力も見ています。それから、高学歴の方では認知症であっても満点を取ることがある、ということも強調されました。つまり、点数ではなく、「社会生活に支障を来す」状態を見よ、と。Tom Kitwoodのperson centered careのお話もございました。認知症の方は、下の絵のように(どなたがお書きかは

日本医科大学陸上部OB会

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京王プラザホテル中国料理「南園」 において、 日本医科大学陸上部OB会 を開催しました。多数のご参加、ありがとうございました。

第3回ニューロフォーラム東京

 京王プラザホテルで開催された、第3回ニューロフォーラム東京に参加しました。  順天堂大学深江治郎先生からは、パーキンソン病と痛風の関連について講演がありました。尿酸値が高いほどパーキンソン病の進行が遅いというデータがあります。尿酸の抗酸化作用? この分野は、長年アデノシンA2A受容体の研究をされている、MGHのSchwarzschild先生の論文があります。 こちら と こちら 。私のアデノシンA2A受容体に関する論文は こちら と こちら 。  日本医科大学の阿部新先生からは、急性期脳梗塞に対する血管内治療についての講演がありました。Merci retrival systemにつづいて、penumbraが使えるようになりました。  岡山大学の阿部康二先生からは、脳血管障害・認知症・筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン病などの共通点についての講演がありました。例えば、脳血管障害の研究から始まったneurovascular unitが、筋萎縮性側索硬化症など他疾患でも関与しているそうで。 こちら 。筋萎縮性側索硬化症ではedaravoneの臨床試験も始まっています。筋萎縮性側索硬化症と脊髄小脳変性症の合併例についての論文は こちら 。

第8回Brain Protection Forum

ホテルメトロポリタンエドモントで開催された、第8回Brain Protection Forumに出席しました。 日本医科大学須田智先生は、骨髄幹細胞移植と免疫抑制剤の併用に関する基礎実験についての発表でした。Life Scienceの論文は こちら 。神谷先生の論文は こちら 。東京医科大学佐藤友彦先生からは、シロスタゾール6ヶ月投与で認知機能やSPECTの脳血流改善についてのご報告でした。東海大学植杉剛先生からは、血栓溶解療法を実施した高齢者の実態が報告されました。死亡例が非高齢者より当然多いですが、成功例は高齢者も非高齢者も同等の割合でした。つまり、年齢は血栓溶解療法の投与禁忌ではないということ。順天堂大学内山安男先生からは、オートファジーについてのご講演がありました。necrosis・apoptosisに並んで注目を集めている現象です。細胞を保護する作用ですが、分解できずに蓄積しすぎると細胞死につながる。

Steven went to iCloud

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Stay hungry, stay foolish. My first computer. The second and active staff.

老年精神医学雑誌の総説 

以下の総説が載りました。 酒寄修・三品雅洋:特集 老年精神医学と脳循環代謝 脳循環代謝測定の意義。老年精神医学雑誌 第22巻 第9号 p1001-1007, 2011