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血小板を考える

ホテルメトロポリタンエドモンドで開催された、「血小板を考える」に出席しました。関西医科大学野村昌作先生(血液内科)による、血小板の講演です。日本の死因はガンがNo1ですが、世界ではアテローム血栓症がNo1(2002年)。アテローム血栓症の成立については こちら 。血小板はPDI2とADPaseが豊富な血管内皮に粘着しないが、内皮の損傷がありコラーゲンにふれると活性型血小板になります。血管の狭窄で生じるずり応力も活性型血小板の原因。microparticleは凝固を進展する。 こちら 。microparticleのexosomeとectosome。Flipposeはリン脂質が内側、Floppase、Scramblaseでリン脂質が外側に。野村先生の論文は こちら 。総説は こちら 。microparticleは凝固を促進しますが、動脈硬化も進展します。tissue factorを含むmicro particleも。Nature Reviews Immunologyの総説は こちら 。 こちら と こちら も総説。傷をなめて止血するのは、唾液にtissue factorがrichなmicro particleが多数存在するからとか。血小板と免疫は こちら 。RAではmicroparticleが重要で、関節液に存在。 こちら 。コラーゲンの受容体は こちら 。野村先生によるmicroparticle測定の日本語の論文はCytometry Research 21(1):71〜84,2011なんですが、リンクが貼れない... ELISA Kitは こちら 。日本血栓止血学会誌の総説は こちら です。microparticleがメタボと関連あり。 こちら 。IL-6との関連は こちら 。冠動脈疾患との関連は こちら 。ラクナ梗塞よりアテローム血栓性脳梗塞でmicroparticle高値。 SAHでも上がる 。従来の血小板機能の測定は安定していませんでしたが、microparticle測定は、遠心分離の際の小さい血小板の混入に気をつければ安定して測定可能で、凍結検体でも大丈夫らしいです。疾患の診断というより、モニタリングの手段として注目しているそうです。 DM 、 シロスタゾール 、 Af 、 EPA 。

エキスパートミーティングin東京

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泉ガーデンタワーでエキスパートミーティング in 東京が開催されました。東京都健康長寿医療センター桑島巌先生からは、利尿剤の併用を中心に降圧の講演でした。早朝高血圧に関して、まず血圧を測るタイミングが悪いことがあると。起床直後は副交感神経から交感神経優位に変わる時なので、当然血圧は上がり気味。朝食直前くらいが良い場合がある。ARBが主流だが、コントロールが不十分な場合利尿剤の併用が効果的。フルイトランなどサイアザイド系利尿薬より、インダバミドなどサイアザイド系類似薬の方が降圧効果が強く、利尿薬はそれぞれ違う。 こちら 。順天堂大学島田和典先生からはARBの多面性について。ヒトは、2時間以上持久力を持って走り続けることができる。 こちら 。 降圧剤による糖尿病抑制効果は こちら 。やっぱりRAS系の降圧剤。UKPDS 80の論文は こちら 。Metabolic Memoryについては ここ に書いてありました。IRMA2は こちら 。STENO-2は こちら 。OASIS-5は こちら 。薬物だけでなく、 食事・運動・禁煙も大事 。獨協医科大学の石光俊彦先生からは、ARB・利尿薬に加え、カルシウム拮抗薬の併用について。ACCORD studyは こちら 。利尿薬の併用は、代謝系の副作用が容量依存性に増加するのに対し、降圧効果はそうでもなく、少量投与が吉。 情報交換会は住友会館。眼下に東京タワー。食事もよかったです。

第53回日本神経学会学術大会の演題締切の延長

第53回日本神経学会学術大会の演題締切は今日だったのですが、12月2日まで延期されていました。

Reminyl Clinical Meeting

ヤンセンファーマ本社で開催された、Reminyl Clinical Meetingに参加しました。日本医科大学石渡明子先生からはMCIからADにコンバートした例で、ドネペジルからガランタミンに変更した症例が報告されました。周辺症状に効果があったそうで。ヒガノクリニックの日向野春總先生から、ガランタミンを含めたAD治療薬の経験が披露されました。ガランタミンで穏やかになった症例が多かったと。ドネペジルは多動の傾向があるが、ガランタミンでは落ち着く傾向らしいです。浴風会病院須貝祐一先生からも、ガランタミンなど新規のAD治療薬の使用経験が提示されました。AchE阻害剤は記憶力の改善より、注意力の改善が認められる傾向と。 この研究会では、画像診断などbiomakerではなく、診療の経験による診療法、職人技に近いです。

過渡的認定脳卒中専門医に対する第1回CBT試験

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過渡的認定脳卒中専門医に対する第1回CBT(Computer Based Testing)試験が実施されました。 会場が日本医科大学だったので、私は楽でしたが、遠方の先生もいらっしゃいました。 根津神社は、七五三のお参りの方がたくさんいらっしゃいました。

脳卒中専門医試験問題集の正誤表

明日試験の皆さん、脳卒中専門医試験問題集の正誤表があるのをご存知ですか? 私が買った問題集にはついていませんでしたが、同僚の問題集には付属してました... 危ない危ない。 こちら です。

在宅医療

日本医科大学橘櫻会館において、祐ホームクリニック武藤真祐先生による在宅医療の講演を拝聴しました。医療と介護の連携はトピックスです。末期ガン患者の在宅でのお看取りは多くなっています。ただ、東京都内は千葉県同様、通所リハ・訪問リハといった在宅でのリハビリテーション資源は潤沢ではないようです。

脳卒中学会の演題締切が延長されました

第37回脳卒中学会の演題締切が延長されてました。 こちら 。

第29回日本神経治療学会総会 2日目

第29回日本神経治療学会総会2日目です。 国立精神・神経医療研究センター病院の坂本崇先生による教育講演の痙縮に対するボツリヌス治療を聞きました。ウーン、ノウハウがたくさんある。参考文献は こちら 。 こちら もご参照を。 この本、おすすめとのこと。 筋の選択が重要で、視診・触診に加え、筋電図、ECHO、CTなどを併用すべきと。 私は、日本医科大学千葉北総病院における脳卒中ホットラインの現状について報告しました。地域のかかりつけ医と救急病院の連携に寄与していました。 ランチョンセミナーは、順天堂大学波田野琢先生による進行期Parkinson病治療の講演を聴きました。wearing offやジスキネジア、幻覚などのマネージメントについて勉強になりました。 脳卒中に関連したセッションで、日本医科大学大久保誠二先生の前大脳動脈解離のtPA治療例のほか、発症時間不明例でのtPA療法、tPA療法後の進行症例、血管内治療成功例などが発表されました。 2013年は日本医科大学第二内科が主催です... ということで、核医学学会、脳循環代謝学会、Neuroscience、神経治療学会と、私の学会シーズンが終わったのでした。

第29回日本神経治療学会総会

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福井のフェニックスプラザで第29回日本神経治療学会総会が開催されました。ただ、福井に到着したのは17時過ぎ... イブニングセミナーには間に合いました。日本医科大学北村伸先生より、今年から選択肢が増えたアルツハイマー病治療薬についての講演でした。rivastigmineとdonepezilの比較は こちら 。メタアナリシスは こちら 。memantineはBPSDを軽減する効果も。 こちら 。アルツハイマー病治療薬の効果は、3ヶ月は継続して判断すべきと。BPSDに対してグラマリールや抑肝散、非定形精神病薬を使うが、BPSDが治まったらダラダラ続けず切ってみるのもいいそうです。 懇親会も大盛況でした。

Society for Neuroscience’s 41st annual meeting: Monday

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The Walter E. Washington Convention Centerで開催中のNeuroscience 2011も3日目。神経治療学会参加のため、明日帰らなければならないのです... 巨大なポスター会場 Special Lectureは、 Northwestern UniversityのWoolley先生の、estrogenの話。シグマ受容体が出てくるかなあと思いましたがそれはなく、脳内のエストロゲン受容体がグルタミン酸受容体との共存ということ。グルタミン酸放出を増やします。 こちら 。preにもpostにも共存? 論文前のデータがいくつも出てきて興味ある講演でした。ということは、グルタミン酸受容体の研究では、性差に注意、ということでしょうね。 今回宿泊したのはThe Henley Park Hotel。学会場から歩ける距離、古風なこじんまりとしたホテルで窓からは隣のビルしか見えませんし、部屋もそんなに大きくありませんでしたが、快適でした。無料の無線LANもあります。

Society for Neuroscience’s 41st annual meeting

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Neuroscience 2011 の2日目です。参加者、 42,000を超えたようです 。すべての抄録は こちら 。iPadやiPod touch用にe-bookでも 配布中 。昔は電話帳のような抄録集を持って帰ってました。 まずはポスターを貼付。 ドパミンD1受容体のsupersensitivityとL-DOPAのジスキネジアに関するシンポジウムがあったので、聞きにいきましたが、ポスターのプレゼンがあったので1つだけ。フランスInstitute of Neurogenerative DiseaseaのBezard E.先生からは、PSD-95とD1受容体・ジスキネジアの関連について。PSD-95がジスキネジアで上昇とか。 で、巨大なポスター会場へ移動。端から端まで、町の2ブロック程度あります... 私はプリン代謝のセッションで発表しました。線条体のアデノシンA1受容体とA2A受容体で加齢変化が異なることを発表しました。動物実験でも両者の差異は発表されていたので、ポルトガルのLopez先生など基礎系の研究者からの質問が多数。線条体以外はどうか、が皆さんの関心ですが、今回はA2Aのリガンドが他の領域の評価に向いていないので... A1の方は今後出しましょう。MGHのSchwarzschild先生は、若年と老年のカフェイン摂取量を調査すべきと。欧米人は若年者がコーヒーを多く摂取しますが、日本人は、お年寄りも緑茶をたくさん飲まれます。コーヒーと緑茶の摂取量をどう評価すべきかは難しいですが... NIHのJacobson先生はシェーリングのコンパウンドに[F-18]でラベルしていますが、来年5月に福岡で Purine 2012 が開催されるので参加するよう、ご紹介いただきました。途中、他のポスターをブラウズしましたが、大量なので詳細は 抄録のPDF をご参照ください。神経疾患の演題が多くなってきています。パーキンソン病は遺伝子関係が多かったです。 午後はいとこのMayu家族と散歩。ワシントンモニュメントは、8月の地震以降、中に入れません。 こちらのご主人はAPECでハワイです。

Neuroscience 2011

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The Walter E. Washington Convention CenterでNeuroscience 2011が始まりました。この会場は1996年Society For Neuroscience 26th Annual Meeting(私の国際学会デビュー)以来です。 巨大な学会だから、開催できる会場が限られています。今回も初日ですでに3万人を超えたみたいです。

Diabetes Treatment Forum

ホテルオークラ東京で、Diabetes Treatment Forumが開催されました。DPP-4阻害薬がメインテーマでした。 SUの作用機序は こちら 。 山口大学谷澤幸生先生からは、糖尿病全般のお話。UKPDS 80の論文は こちら 。糖尿病の治療による合併症の減少を見た研究です。Wolfram syndromeのWFS1遺伝子の研究は こちら 。早期のインスリン治療でβ細胞障害を緩解させるという論文は こちら 。ADOPT studyは こちら 。DLP-1のreviewは こちら 。

平成23年度宇中・宇高同窓会東京支部総会・懇親会

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 ゆうぽうとで、平成23年度 宇中・宇高同窓会東京支部 総会・懇親会。 平成20年度 以来、ずっと出席してます。 オペラ歌手大貫史朗先輩の校歌斉唱が定番です。  今日は朝が早かったので、二次会は失礼させていただきました。

第23回日本脳循環代謝学会総会

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 朝一のセッションでした。会場が都内だからホテルは取っていませんので、松戸の自宅から。今年は地下鉄が止まることが多々ありましたから、ちょっと不安でしたが、特に問題なく到着。永田町は赤坂プリンスの閉館で工事中、これから様相が変わるんでしょうね。麹町中学校も工事中でした。  私は、被殻のアデノシンA1受容体が加齢により減少することを報告いたしました。このセッションから始まる午前中は、PET関係。興味ある演題が目白押しでした。核医学学会とかぶるんですが、核医学学会は方法論が主体。脳循環代謝学会の議論は疾病論が中心です。核医学学会の方が若い研究者が多いですね。シンポジウムは、光イメージングやMR・PETIなど新しい脳イメージングの話。ランチョンセミナーは慶応大学田淵肇先生の、慶応大学病院メモリークリニックのお話を聞きました。神経内科と精神科の連携です。でも、患者さんが気軽に受診できるように、内科の一部になっています。慶応大学岡野栄之先生の、iPS細胞の教育講演もありました。損傷脊髄への移植、疾患モデル細胞としての応用など圧巻でした。会長講演は慶応大学鈴木則宏先生より、cortical spreading depressionのお話。片頭痛がこれなんですね。抗凝固療法のシンポジウムでは、warfarinに加えdabigatranが加わった環境の変化が話題。心臓血管研究所山下武志先生からは循環器医の立場から抗凝固療法の現状が講演されました。心原性脳塞栓になっていない心房細動患者には、なかなかガイドライン通りの投薬にはなっていなかったようで。  宇高同窓会東京支部総会があるので、都市センターホテルを後にしたのでした。

第23回日本脳循環代謝学会総会評議員会

 明日から都市センターホテルで第23回日本脳循環代謝学会総会が始まります。今日は評議員会。脳循環代謝学会は、私たち核医学関係の他、脳卒中、脳神経外科、基礎実験の方など、様々な分野の専門家にお会いできます。 プレイブニングセミナーは、本学会担当の慶応大学神経内科の伊藤大介先生より、iPS細胞による神経疾患の研究についての講演がありました。iPSというと、再生医療が思い浮かびますが、患者のiPS細胞で病態を研究するというもの。脳は生検が困難ですが、それに変わりiPS細胞を利用する。ALSのiPS細胞の研究は こちら 。パーキンソン病・ハンチントン病など、様々なiPSは こちら 。spinal muscular atrophyは こちら 。バルプロ酸の薬効も確認しています。Lewy Body Diseaseについても検討されました。LRRK2は こちら 。PINK1は こちら 。Gaucher diseaseは こちら 。iPS細胞の研究は、先天性疾患が先行していましたが、老年発症の疾患でも応用できそう。ということで、伊藤先生たちはアルツハイマー病に着手されました。 こちら 。今後は孤発性疾患を解析していくと。「 New Routes into the Human Brain 」。