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5月, 2010の投稿を表示しています

Adenosine A1 receptor

先日 神経学会総会 でアデノシンA 2A 受容体にくらべA 1 受容体の研究が少ないとしゃべったばかりですが、針治療の効果にアデノシンA 1 受容体が関与する、という論文が Nature Neuroscienceにでていました 。同じグループは、 DBSもアデノシンA1受容体が重要という論文 を出しています。

神経内科ハンドブック

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神経内科ハンドブック第4版が到着。ちょうど私が神経内科認定医(今の専門医)試験を受けるころに第3版を購入、その後神経内科学は遺伝や分子生物学など大変な進歩を成し遂げたわけですが、第4版はそれを反映した内容になっています。最近順天堂大学の先生方とご一緒する機会が多いのですが、作成過程をお聞きすると、この教科書のクオリティの高さが納得できます。

第49回千葉核医学研究会

 京葉銀行文化プラザで開催された、第49回千葉核医学研究会において、 Dr.ViewをMacで起動する方法 を発表しました。  最近お世話になっている 千葉療護センター の内野福生先生からは、脳のPETに合わせて全身のPET-CTを併用する意義が提示されました。転移性脳腫瘍と思われた症例で、実は重複癌である場合があるようです。  放射線医学研究所の島田斉先生からは、レヴィ小体病でのアミロイドPETの検討が報告されました。 アミロイドの毒性は特に側頭葉内側面で多いようで 。  虎の門病院丸野廣大先生からは、心臓核医学の教育講演がありました。心筋のviabilityの有無で血行再建術の効果がわかります。アデノシン負荷は120μg/kg/minを6分間。12時間前よりカフェイン摂取の制限。CKDでは特にSPECTで評価を。  岩手医科大学の小笠原邦昭先生からは、脳血管障害に対する手術適応にSPECTを応用した研究について講演がありました。脳循環予備能が不良だと脳梗塞に移行しやすいのはあきらかです( こちら と こちら )。しかも発作が起こるとしたら1年以内。ということでバイパス術がでてきます。CEAやCASの合併症もSPECTで予測可能。 塞栓が術中飛ぶことがある が、これが脳梗塞になる場合とならない場合があるそうで。これを 術前のSPECTで血管反応性が不良例で脳梗塞が多いことを証明されました 。 CASでも同様 のようです。 過灌流も予測可能 。出血も1%ありますが、 高次脳機能障害が問題 です。CASでも出血が予想可能、その場合はCEAにすべきだそうです。てんかん焦点に用いる 123 I-iomazenil SPECTは、iomazenilが結合するベンゾジアゼピン受容体がGABA受容体と複合体を形成し神経細胞に広く分布することから、神経細胞のマーカーと考えられています。そして、てんかん焦点が神経細胞の減少として捉えられるとされてきました。しかし 小笠原先生の自験例 で、 123 I-iomazenil SPECTの可逆性を証明されました。 類似の症例は私たちも経験しました 。神経細胞は短期間で復活したりしませんから、私たちはこれの減少をGABA受容体の変化と考えました。つまり、抑制性のGABA系が減少することで神経活動が活発になりすぎているのがてんかんと考えました

第51回日本神経学会総会 web cast

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第51回日本神経学会総会のweb castがアップされました。 こちらから 。

第9回脳卒中市民公開講座

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 日本医科大学千葉看護専門学校講堂で、 第9回脳卒中市民公開講座 を開催しました(主催: 脳卒中協会千葉県支部 )。演者は日本医科大学内科学講座 神経・腎臓・膠原病リウマチ部門、片山泰朗先生でした。脳梗塞のリスクファクターについてEBMに基づいたご講演でした。参加者約500人と例年の2倍の参加者でした。

第51回日本神経学会総会 2

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 第51回日本神経学会総会2日目です。日頃お世話になっている東京都健康長寿医療センターの石井賢二先生のアミロイドPETに関する講演を拝聴しようと思ったのですが、会場が満員で入れず、モニター会場も満席、断念しました... 神経学会総会は早めに動かないとダメですね。同時に行われていた画像のセッションを聞きました。最先端の発表が多かったのですが、VSRADや3DSSPといったフリーの統計画像ソフトを使用した研究がいくつかありました。神経学会では統計画像だけ提示することが多くなっていますが、生の画像を出してほしいです。  私はポスターでアデノシンA1受容体の加齢変化について報告しました。A2A受容体では加齢変化が観察できなかったのですが、A1は加齢により減少しました。DBSのポスターでは、non-motorの影響に関する研究が多く見られました。  イブニングセミナーでは、慶応大学星野晴彦先生と荏原病院長尾毅彦先生による脳梗塞の抗血栓療法のディベートを聞きました。心原性脳塞栓では抗凝固療法、アテロームやラクナは抗血小板療法になります。WARSS studyは こちら 。WASID studyは こちら 。いずれもアスピリンの量が多いことにご注意。頭蓋内動脈狭窄例でのアスピリンとワーファリンの比較は こちら 。ESPRIT studyは こちら 。ACTIVE Wは こちら 。心房細動例での一次予防において、 CHADS2スコア でワーファリンの適応を決めることが推奨されますが、実は低リスクで本当にワーファリンが不要か、エビデンスがないようです。 ACTIVE A ではアスピリン単独よりクロピドグレルとの併用の方が心原性脳塞栓の予防効果が高いことが示されましたが、ACTIVE Wと合わせると、やっぱりワーファリンに劣ります。しかし、 therapeutic range(TTR)が悪い、すなわち、飲み忘れなどでコントロール不良の時期が多い人だと、ワーファリンの優位性がなくなります 。この論文のコントロール不良は、効き過ぎも入っているので解釈には要注意。 ワーファリンを服用しPT-INRが2.0以上なら、たとえ心原性脳塞栓になったとしても軽症で済む可能性が高くなります 。冠動脈ステントが入っている心房細動例だと、 アスピリン・クロピドグレル・ワーファリン三剤併用もやむなし ...

第51回日本神経学会総会 1

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 5月20日から 第51回日本神経学会総会 開催です。会場が広いので移動が大変です。  国立循環器病センターの前田先生の演題は、 SAMURAI研究 の解析で、心房細動に対するワーファリン内服中に脳出血になった場合に、ワーファリン再開をどうしているかのアンケート調査が報告されました。期間もCT所見からの判断も結局はケースバイケース、今後の前向き研究が必要だということでした。  熊本赤十字病院奥村先生は、80歳以上のt-PA療法についての演題でした。過去の報告では高齢者での血栓溶解療法が予後不良とされていましたが、そうでもないようです。フロアーからのコメントも、高齢者の血栓溶解療法に肯定的でした。  静岡済生会総合病院の吉井先生は、軽症から中等度の心原性脳塞栓がt-PA療法効果あり、という演題でした。これは現場で実感できます。驚くべきは、脳梗塞の19%でt-PAを使ったとのこと、発症早期に搬送される症例が多いようです。啓発活動の成果なのか、救急搬送体制なのか...  ランチョンセミナーは神戸大学戸田達史先生のパーキンソン病の遺伝子のお話でした。孤発性のパーキンソン病も、アルツハイマー病同様、多因子遺伝性の変性疾患と考えられています。メンデル遺伝性のパーキンソン病はここ数年で多くの研究成果があります。PARK1はαシヌクレインの易凝集化、PARK4はαシヌクレインの遺伝子重複による発現量増化。そして Gaucher病の保因者にパーキンソン病が多い が、 パーキンソン病の9.4%にGBA変異が認められた 。 Gaucher病のメタ解析でGBA変異があると5倍パーキンソン病になりやすい 。また、 パーキンソン病のゲノムワイド関連解析 では、50万個のSNPを判定、高いのはαシヌクレインだったそうです。  国立精神・神経医療研究センターの村田美穂先生は、2009年楢林賞受賞者招待講演でした。抗てんかん薬のゾミサミドがパーキンソン病に有効であることを見いだし、その作用機序を解明していきました。  会長講演の辻省二先生は、まずは本学会のコンセプト、web castなどの新しい点を提示されました。そして、神経内科のトレーニングプログラムの重要性を強調されました。辻先生は遺伝子研究では数多くの業績があります。ゲノムワイド関連解析はeffect sizeが小さいなどの限界がある。次世代

千葉県脳卒中公開講座2010

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 京葉銀行文化プラザで開催された、千葉県脳卒中公開講座2010を 日本脳卒中協会千葉県支部 として開催しました。  千葉県医師会会長藤森宗徳先生より、ご自身の体験を交えたご挨拶がありました。  千葉労災病院脳神経外科小沢義典先生からは、脳卒中になったときの対処についてのご講演がありました。まずは症状から。小沢先生がご使用のAct FASTのビデオは こちらから 。脳卒中の分類もアニメーションで解説いただきました。また、千葉県の 脳卒中地域連携パス のお話もありました。  東京慈恵会医科大学附属柏病院神経内科の栗田正先生からは、脳卒中予防に関するお話がありました。 巨人木村拓也コーチ がくも膜下出血で他界されましたが、それ以来、頭痛やしびれで外来にいらっしゃる方が多くなりました。MRIをご希望される方が多いですが、検査をしたからOKというわけではありません。リスクファクターの管理が大事なのです。  脳卒中ーー予防十か条   ● 糖尿病 放っておいたら悔い残る ● 不整脈見つかり次第すぐ受診 ● 予防にはタバコを止める意志を持て ● アルコール控えめは 薬 過ぎれば 毒 ● 高すぎるコレステロールも見逃すな ● お食事の 塩分・脂肪控え目に ● 体力にあった運動続けよう ● 万病の引き金になる太りすぎ ● 脳卒中起きたらすぐに病院へ

FileMaker Pro 11 Advanced

FileMaker Pro 11 Advancedが到着した。新機能は こちら 。

第108回東葉臨床医学セミナー

 ウィシュトンホテルユーカリで開催された、第108回東葉臨床医学セミナーに参加しました。   日本大学白神誠先生 からは、日本で普及しない後発薬品についてのご講演がありました。厚生労働省の目標は、5年間で30%まで使用率を引き上げたいわけですが、平成20年度で20%弱。アメリカ・イギリス・ドイツでは60%前後です。後発薬品の宣伝は行き届いていますが、患者が必ずしも後発薬品を希望しているわけではないというアンケート結果をご提示いただきました。薬局で後発薬品の説明を受けても変えない患者が約20%、主治医に相談する方が13%。安かろう、悪かろう、という意識もあるのでしょうか。それから、医師・薬剤師が後発薬品の品質に不安を感じていること、情報提供や供給状況に不満をもっていることも後発薬品が普及しない要因です。実際、後発薬品メーカーが不良品を出したという新聞報道もありました。後発薬品全体が悪いわけではなく、企業間のモラル・ポリシーの格差があるようです。それなら、厚労省はダメな企業を排除するくらいのことをしないと、後発薬品の信用は保てないのではないでしょうか。私がバイトしている某病院は巨大グループなので、昔から後発薬品を積極的に導入していましたが、吟味してグループ内での採用を決めています。それぞれの病院が医師や薬剤師の経験のみで判断するのは不可能です。  東北大学伊藤貞嘉先生からは、高血圧の診断について講演がありました。 昨年の神経学会総会のランチョンセミナー でも拝聴いたしました。原発性アルドステロン症のガイドラインは こちら 。一見本態性高血圧でそれなりにコントロールできている2症例が実は 原発性アルドステロン症 と Cushing症候群 。アニオンギャップ(AG)はNa-Cl-HCO3-、健常者では12mEq/l程度のきわめて狭い範囲にコントロールされています。ケトアシドーシスや乳酸上昇では増加しますが、外来に歩いて来院されるような方では12。HCO3-は24。つまり、Na-Cl=HCO3-+AG=24+12=36。これが大きければ代謝性アルカローシス、原発性アルドステロン症を考慮します。東北大学例では、約5割がKが正常範囲内だったそうです。ARB使用中はKが増加傾向になるが、正常下限に近い場合は、低K血症も考慮しなければなりません。そして副腎静脈サンプリング。ACTHを

Adobe Dreamweaverのsftp

私のサイトはAdobe Dreamweaverで作成していますが、sftpでサーバーにつながらなくなりました。でも、 解決方法 がみつかりました。Dreamweaverのsftpは、/Users/USER_NAME/.ssh/known_hostsじゃなく、/Users/USER_NAME/Library/Application Support/Adobe/Dreamweaver CS4/ja_JP/Configuration/ssh_hostsを使っているのですね。

日本医科大学第二内科のサイトのリニューアル

日本医科大学第二内科のサイト がリニューアルされていました。医局長が変わったのです。

Rail Europe

先輩に、 Rail Europe というサイトを教えていただきました。

第1回千駄木Strokeカンファレンス

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 フォーシーズンズホテルで開催された、第1回千駄木Strokeカンファレンスに参加しました。  順天堂大学卜部貴夫先生から、PDE3阻害薬であるcilostazolの深部白質病変への影響についてご講演がありました。PDE3を阻害することでcAMPが増加、eNOS→p-eNOS、CREB→p-CREB、Bcl-2の増加、COX-2合成促進など変化をもたらし、細胞新生・分化・抗apoptosis・学習効果につながるそうです。その論文は こちら 。慢性虚血モデルに関するreviewは こちら 。白質病変の保護効果については こちら 。cilostazolがTHの増加→サブスタンスPの増加→誤嚥性肺炎の予防に関する論文は こちら 。  立川病院篠原幸人先生からは、 CSPS IIの結果 のご報告がありました。2010年2月24〜26日San Antonioで開催されたInternational Stroke Conference 2010のLate-Breaking Scienceに選択されたわけですが、当日朝に記者会見があったり、特設スタジオでのインタビューがあったりと、大変だったそうです。 Cilostazol Stroke Prevention Study(CSPS) はcilostazolとプラセボとの比較でしたが、CSPS IIではアスピリンとの比較。非劣性の基準、ハザード比の95%信頼区間上限値1.33以下をクリアしました。同時期に実施された Cilostazol versus Aspirin for Secondary Ischaemic Stroke Prevention(CASISP) では、有意差がでなかったようですが、評価期間が短かったようです。 抗血小板剤の有効性 については万人が認めるところですが、 Number needed to treat (NNT、N Engl J Medの論文は こちら )にするとアスピリンは25例の治療で1例。CSPSでは18.7。これをどう評価するか。

平成21年度印旛地域保健医療協議会議事録

私が 脳卒中地域連携パス について発言した、平成21年度印旛地域保健医療協議会の議事概要が アップされていました 。気づくのは遅かった...