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脳深部刺激術(DBS)

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2008年4月2日で止まっていた 脳深部刺激術(DBS) を、日本医科大学武蔵小杉病院で再開しました。6例目です。私自身は、手術より抗パーキンソン病薬が優先と思っております。

血管機能勉強会〜佐倉地区〜

志津コミュニティセンターで開催された、血管機能勉強会に参加しました。東邦大学医療センター佐倉病院の宮下洋先生より、 CAVI による動脈硬化の評価とイコサペント酸(EPA)の講演がありました。インスリン抵抗性→酸化ストレス→LDL→酸化LDL→動脈硬化と、インスリン抵抗性→酸化ストレス→血管内皮障害→動脈硬化があり、このカスケードを止めなければなりません。スタチンでLDLを減少させるのも一つですが、必ずしもそれだけでは不十分な場合があるそうです。例えば、 酸化LDLと考えられている、malondialdehyde-LDL(MDA-LDL)が下がれば動脈硬化の指標CAVIも低下した とのこと。 JELIS で注目されているEPAもCAVIを減少させる作用があり、特に、EPA/アラキドン酸(AA)が低値だと効果があったそうです。CAVIは、血管内皮障害だけでなく、血管平滑筋・コラーゲンなど、様々な要素が関与していると思われますが、検討中だそうです。

脳卒中ADL評価講習会in千葉

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 京葉銀行文化プラザで開催された、脳卒中ADL評価講習会in千葉を受講しました。 機能的自立度評価表(Functional Independence Measure、FIM) の講習会です。FIMは脳卒中でのリハビリテーションの評価に使われるようになりました。 印旛脳卒中地域連携パスで も 千葉県共用パス でも採用しています。しかし、私自身は勉強したことがなく、本会主催の リハビリテーション科 や回復期リハビリテーション病院に丸投げ状態でした...   ADL評価法として普及しているBarthel index(「バーセル」とおっしゃる方が多いですが、「バーテル」が正しいそうです)、は「できるADL」を評価します。つまり診察するわけです。一方、FIMは「しているADL」を評価します。つまり、観察です(階段昇降はテストしてもよい)。そして、患者の状態、というより、介助の量を測定するものです。  今回の講演会は、総論を日本医科大学千葉北総病院リハビリテーション科、各論は 永生病院 のスタッフの先生方が担当されました。FIMの各項目の採点は1〜7点。 点数 介助者 手出し 手助けの程度 7 不要 不要 自立 6 不要 不要 時間がかかる、装具や自助具が必要、投薬している、安全性の配慮が必要 5 必要 不要 監視、準備、指示、促しが必要 4 必要 必要 75%以上自分で行う 3 必要 必要 50〜75%未満自分で行う 2 必要 必要 25〜50%未満自分で行う 1 必要 必要 25%未満しか自分で行わない この原則を、18項目につき評価します。具体的に、何%の介助なのかは、講演を聞かないと難しいと思いました。 Brunnstrom stage ステージ 上肢・下肢 手指 I 動きなし(弛緩麻痺) 動きなし(弛緩麻痺) II 連合反応 わずかに握る III 共同運動 握れるが開けない IV 分離運動の開始 横つまみ・わずかな伸展 V 個別的な関節運動可能 色々なつまみ・伸展可能 VI 全運動可能 全運動可能 Barthel Index 食事 10 自立。自助具などの装着可。標準時間内に食べ終える 5 部分介助(例えば、おかずを細かくしてもらう) 0 全介助 車椅子からベッドへの移乗 15 自立。ブレーキ、フットレストの操作ができる。歩行自立を含む。

電子カルテキックオフミーティング

日本医科大学千葉北総病院で電子カルテキックオフミーティングがありました。 印旛脳卒中地域連携パス は電子カルテとリンクさせる千葉県共用パスバージョンを開発中です。

第35回日本脳卒中学会総会のレポート

m3.comに、 第35回日本脳卒中学会総会のレポート が出ていました。私のブログよりはるかに詳細です。

第11回千葉パーキンソン病研究会

 京成ホテルミラマーレで開催された、第11回千葉パーキンソン病研究会に参加しました。 昨年も参加しました 。  東邦大学医療センター佐倉病院の榊原隆次先生からは、 パーキンソン病の便秘について のご講演がありました。榊原先生は排尿障害など自律神経症状について 多数の業績 があります。パーキンソン病では便秘が効率に合併しますが、L-DOPAで便意が出やすくなったりanismusが軽快するそうです。さらに症状が改善しないときは、ガスモチンや大建中湯が効果的だそうです。  東北大学武田篤先生からは、嗅覚障害についてのお話がありました。 黒質細胞は45万、加齢により減少します 。パーキンソン病ではさらにexponentialに減少します。これまで神経保護作用を目的にした薬剤が数々開発されてきましたが、当然ですが発症後のパーキンソン病が対象になっていました。しかし、発症前の、減少しきっていない時期に投与しないと効果が発揮できなかったのかもしれません。そのためには、発症前に診断する手段を開発する必要があります。 私たちが核医学学会で発表した 、偶然発見された発症前の 11 C-CFT PETもありますが、治療薬投与で集積が変化する可能性があります。そこで、嗅覚障害など非運動症候が注目されているわけです。ただ本日びっくりしたのは、アミロイドPETリガンドとして開発された、BF227で、αシヌクレインやGCIに集積があり、今回MSAのGCIを画像化した、ということ。間もなくBrainに掲載されるそうです。健常中脳にも集積があるので、パーキンソン病の黒質変性を捉えられるかどうかはこれからだそうですが、期待されます。あるいは次のリガンド? いわゆる神経保護作用も、変性する黒質細胞そのものというよりも、被殻より先の回路がいわば錆び付かないようにする効果ではないか、とのこと、発症早期にも積極的な治療がいいのかもしれません。

医師国家試験の問題

第104回医師国家試験の問題は こちら 。 第103回医師国家試験の問題は こちら 。 第102回医師国家試験の問題は こちら 。 本日大学で筋疾患の講義、試験問題を作らなければなりませんので...

第3回エリアエキスパート会議

 ホテルニューオータニで開催された、第3回エリアエキスパート会議に参加しました。   脳卒中協会 専務理事の中山博文先生からは、脳卒中協会の活動報告がありました。脳卒中対策基本法に向けた運動、 NHK岡山放送局のサイト に公開中の動画・ AC Japanの広告キャンペーン ・市民公開講座など啓発活動などです。  大阪大学の大平哲也先生からは、ストレスなど心理社会的要因と脳卒中に関する講演がありました。 Circulatory Risk in Communities Study(CIRCS) という5地域のコホート研究を実施されています。重症の高血圧が脳卒中のhigh riskであることは言うまでもないが、 軽症でもあなどれない 。Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Studyでも、高脂血症・糖尿病・喫煙などリスクファクターの関与は証明されています。しかし、ストレスは科学的に証明されたのか。日本人での研究は これ です。うつでは、 脳梗塞が多くなるそうです 。一方、 怒りは抗酸化物質を減少させる 。 飲酒は2合以上飲むと朝の高血圧の原因に 。 人生楽しく暮らすと、心血管病変が減ります 。  弘前大学奥村謙先生からは、心原性脳塞栓の予防に関する講演がありました。 弘前脳卒中センター では循環器専門医が脳卒中を担当しています。 心房細動は加齢により増加します 。脳卒中データバンクの検証では、心原性脳塞栓例の発症前に心房細動があっても抗凝固療法がなされていない場合が多いようです。新しい抗凝固剤が期待されます。 心房細動のrate controlとrythm controlの比較 で、洞調律にコントロールできている症例は40%弱と意外と少ない。 アブレーション は、 新しいカテーテルも出現し期待される が、そう単純ではないようです。  脳卒中地域連携についてのシンポジウムがありました。かかりつけ医のためのリハビリテーションe-learningは こちら 。 喫煙はニコチン依存症ととらえ、患者の意思に頼らず 、ニコチンの入っていないチャンピックスがよさそうです。

第35回日本脳卒中学会総会 3

 脳卒中学会最終日。今日はグランドホテルの会場に行きました。  脳卒中診療における脳循環代謝画像のシンポジウムがありました。岩手医科大学の小笠原邦昭先生から、オーバービューがありました。血栓溶解療法の適応を決めるのに、 SPECTを用いる研究 があった( 小笠原先生のpaperはこちら )が、on callの検査としては不向きです。そこで diffusion-perfusion mismatch がでてきたわけだが、機種による違いがあるなど問題もあります。慢性期のバイパス術・CAS・CEAの適応・術前後の合併症予測にもSPECTが有用ですが、コストを考えると、 CBV-MR などでスクリーニングしたいと。座長の大阪大学畑澤順先生からは、golden standardとしてのPETをお忘れなく、とのこと。東邦大学水村直先生からは、SPECTの定量性と再現性がMRIのperfusionより優れていることが提示されました。京都府立医科大学の山田惠先生からは、MRI perfusion画像についてのご講演でした。 desmoteplaseの臨床試験 にdiffusion-perfusion mismatchを使ったのですが、見事に失敗。 EPITHET でも同様でした。しかし、これらの研究では画像診断の基準が大雑把。方法論の標準化が鍵です。東京医科歯科大学田中洋次先生からは、dynamic susceptibility contrast MRI還流画像とPETを比較した研究が報告され、特にMoyamoya病でCBV・OEFと相関していたそうです。岩手医科大学工藤與亮先生からは、CT還流画像が機種により異なることが示され、delay効果などの標準化が必要ということ、 PMA はよいようで。論文は こちら 。福井大学の木村浩彦先生からは、continuous arterial spin labelingによる脳血流測定法について解説されました。ちょうど ここに 同様の内容がありました。頸部に radio frequency (RF) pulsesを当てます。兵庫県立姫路循環器病センターの内橋義人先生からは、 QUASAR法 のASLによる脳灌流画像の臨床応用についての講演がありました。ASLは造影剤を使用しない手法なのでアレルギーの心配がないし点滴ラインが不要ですから患者も検者

第35回日本脳卒中学会総会 2

 脳卒中学会2日目、 印旛脳卒中地域連携パス の運用実績について報告しました。入院日数が減少し(脳卒中全体で約2日、パス患者では約3日)、包括医療(DPC)であるから医療費を削減したわけです。しかしながら、当院ではMSW業務を脳外科医が実施している状態、「時代に逆行している」とご批判いただきました... でも、県庁と共同で連携パスの仕事をしていくなかで、日本医科大学にもアピールできて、やっとMSW増員が決まりました。  脳卒中学会には珍しく、ノンフィクション作家の関岡英之さんから、構造改革が実はアメリカの思惑で進められたものだった、という講演がありました。郵政改革も本丸は簡保。AIGなどアメリカの保険会社が日本に参入するには、簡易保険が上場し買収できる状態が必要だったとか。そして最大の官、医療保険も狙われています... Amazon.co.jp ウィジェット  ランチョンセミナーでは、立川病院篠原幸人先生の抗血小板療法に関するお話を聞きました。2001年本邦でアスピリンが脳梗塞再発予防のための抗血小板剤として認可されたのは、米国に遅れること21年。本邦でも抗血小板療法の大規模試験として Cilostazol Stroke Prevention Study(CSPS) が実施されました。プラセボに対してシロスタゾールが脳梗塞の再発予防に効果があることが明らかにされました。さらに、アスピリンとの比較がどうか、CSPS IIが実施されました。非劣性の基準、ハザード比の95%信頼区間上限値1.33以下をクリアしました。出血性合併症は有意に減少しました。 Sarpogrelate-Aspirin Comparative Clinical Study for Efficacy and Safety in Secondary Prevention of Cerebral Infarction(S-ACCESS) はサルポグレラートとアスピリンの比較でしたが、非劣性は証明されませんでした。しかし、本邦でアスピリンの効果を調査した大規模試験として評価でき、negative studyでもStrokeに掲載されています。  特別シンポジウムは、脳卒中協会が中心になって活動している、脳卒中対策基本法についてでした。脳卒中協会理事の中山博文先生から、その概要が解説されました。埼玉医科大学

第35回日本脳卒中学会総会 1

 盛岡の県民会館などで開催された、第35回日本脳卒中学会総会に参加しています。寒い...  会長の岩手医科大学小川彰先生の会長講演は、 JET や MELT など小川先生が中心に実施された研究が紹介されました。MELTは日本医科大学千葉北総病院脳神経センターもご協力させていただきました。バイパス術については かつて効果がないとされていました が、外科手術のRCTによりSPECTで症例を選べばバイパス術が有効であることが証明されました。小川先生の後をついだ小笠原先生たちは多数の論文を出していらっしゃいます。  University of HelsinkiのMarkku Kaste先生からは、血栓溶解療法の講演がありました。アルテプラーゼによる血栓溶解療法は、 発症3時間以内 から4.5時間に延長した ECASS IIIの結 果が発表されています。Kaste先生の施設では、病院到着からrtPA投与までが平均23分!! paramedicalのトレーニングを徹底しているそうです。  合同シンポジウムはやはり血栓溶解療法について。 血栓溶解療法の地域差 、なぜ0.6mg/kgになったか、そしてその妥当性、clot retriverなどの話が聞けました。千葉県内の地域格差については こちら 。

第107回東洋臨床医学セミナー

 ウィシュトンホテルユーカリで開催された、第107回東洋臨床医学セミナーに出席しました。ご講演いただいた日本歯科大学鴨井久一先生は日本医科大学千葉北総病院歯科部長鴨井久博先生のご尊父様ですし、埼玉医科大学病院長の片山茂裕先生は我が第二内科教授片山泰朗先生のお兄様、と世間は狭いことを実感。そういえば、今朝の部長回診には、東北大川島隆太教授のご子息がいらっしゃいました。  さて、鴨井先生のご講演は、歯周病についてでした。感染症ということになりますが、バイオフィルムで、薬で除去ができないので、機械的に除去する必要があります。歯周病で生じるTNF-αなどサイトカインはインスリン抵抗性を高めることで糖尿病のリスクとなり、糖尿病の第6番目の合併症が歯周病。ガイドラインは 日本歯周病学会のサイトから 。  片山先生は、直接的レニン阻害剤(DRI)に関するご講演でした。レニン・アンジオテンシン系の研究は100年以上の歴史があります( Nature Rev Drug Discovery 2008, 7 399-410 )。 Tigerstedt Rがレニンを発見したのは1898年 。ACE阻害剤、ARBと開発されていきましたが、DRIの完成には長い道のりがありました。アリスキレンは半減期40時間、安定した降圧が期待できます。ACE・ARBによるフィードバックでレニン活性が亢進した状態も、DRIで下げられます。

第9回東京Strokeフロンティア

東京ドームホテルで開催された、第9回東京Strokeフロンティアに参加しました。前半は症例報告、後半は埼玉医科大学の石原正一郎先生の脳血管内治療に関するご講演でした。脳動脈瘤に対し、日本は欧米に比べ血管内治療より手術が多い。血管内手術の発達は目覚ましく、様々なディバイスが開発されています。脳動静脈奇形の塞栓にはOnyxという血液に触れると固まる液体塞栓物質が認可されたようです。日本医科大学千葉北総病院脳神経センターの小南先生は、NBCAを用いています。その模様は、 こちら から。脳卒中の救急では、 MERCI や Penumbra などclot retrieverが期待されています。現在脳卒中協会を中心に、 脳卒中対策基本法設立に向けた動き がありますが、今後はこうした新しい治療にも対応できる柔軟な診療体制が求められます。地域格差や施設間格差は必至です。それぞれの施設が身の丈にあった体制を整備し、救急隊との病院前連携や 脳卒中地域連携パス など医療連携で地域の体制を構築すべきと思いました。

第107回内科学会総会

 東京国際フォーラムで開催された、 第107回内科学会総会 に行きました。普段専門外の講演を聴く機会は少ないですが、内科学会総会ではさまざまな分野のレビューを聴くことができます。  会頭の小林祥泰先生は脳卒中の第一人者、会頭講演は脳卒中についてです。特に、小林先生が中心になって実施された脳卒中データバンクや、脳ドックで見つかる無症候性脳梗塞に関するお話は興味深く拝聴しました。脳卒中データバンクのデータベースは、脳ドック用データベース、脳卒中地域連携パス用データベースともリンクし、さらに電子カルテにもリンクさせる作業中とか。データベース化により、さらなるエビデンスの構築が期待できます。また、救急隊が脳卒中患者を適切な施設に搬送できるように作成した病院前ケアスケールは、脳梗塞の診断率約70%など有効に活用されているようです。  熊本大学の小川久雄先生からは、冠攣縮性狭心症についての講演がありました。欧米に比べると日本人には多いそうです。カルシウム拮抗薬が有効なこと、薬剤溶出ステントは内皮機能障害が生じやすく、冠攣縮も起こりやすいそうです。  名古屋大学松尾清一先生からは、ネフローゼ症候群の講演がありました。腎生検についてもregstrationがあるそうですが、糖尿病性腎症のように原因が明らかな症例ではあえて腎生検を行うことは少ないことがバイアスだそうです。浮腫には減塩とループ利尿薬、蛋白尿にはレニンアンギオテンシン系阻害薬が有効な場合があるそうです。  ポスター会場では、新潟県立中央病院から、脳卒中地域連携パス改訂作業のweb会議の導入の試みが報告されていました。 印旛脳卒中地域連携パス でもそうですが、地方では集合するにも移動時間がかかります。大人数となると会議室を確保するにも費用がかかります。web会議はさまざまな負担を軽減します。ただし、脳卒中地域連携パスの会議は「顔の見える連携を」という目的もあるので、全てをnet上で行うのは賛成できません。  内科学会総会や国際学会も、webにしてしまえば、大変な費用が削減できますし、大人数の移動がなくなれば地球温暖化削減にも貢献できます。

松戸神経内科訪問リハビリテーションの見学

松戸神経内科 北野院長のご好意で、訪問リハビリテーションを見学しました。 印旛脳卒中地域連携パス では、医療圏内のリハビリテーション病院不足から、医療圏外の東葛南部・東葛北部の施設と連携することで、日本医科大学千葉北総病院など急性期病院から回復期リハビリテーション病院への連携がスムースになっています。しかし、リハビリテーション病院を転院しご自宅に戻ると、リハビリテーションを継続することが困難です。松戸神経内科のような在宅リハを提供しているクリニックは限られています。すでにご開業の先生にご相談しても、外来診療で手一杯... ならば日本医科大学千葉北総病院が、と思っても、そもそも医師やリハスタッフ不足でそれどころではありません... 訪問リハビリテーションは、病院に来院することができない方がやむを得ず自宅で実施するリハビリテーション、というわけではありませんでした。関節訓練の他、自宅での生活で必要な動作の練習、ご家族の介助の指導、玄関などの段差や手すりといった生活環境の整備など、多くのメリットがあることがわかりました。脳卒中後うつになり、通所リハに出て来れなくなった症例では、在宅でリハをしながらメンタル面のケアも行い、通所リハや社会に復帰させることもあったそうです。麻痺のある方が携帯電話を使うための手作りの道具(ユニバーサルカフ)と、その使用訓練もありました。逆に クルリモ は、外出した家族が患者の状態をインターネット経由で確認できます。患者も家族も、病院に来院したときと、自宅に医療者が訪問するときでは、立場が違います。後者の方がフランクです。 現場を見学して気づくのは、在宅医療のスケジュールです。病院の外来予約は平気で1時間遅れたりしていますが、在宅ではことなる事業体が入れ替わり立ち替わり訪問。時間厳守です。FIMのような時間がかかる評価は不可能。リハビリテーションの内容や家庭の背景、自宅の状態など、文章での記載がわかりやすい。 訪問リハビリテーションの実例や問題点については、以下の本が詳しいです(作業療法士石山さんにご紹介いただきました)。