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第60回日本核医学学会学術総会

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 第60回日本核医学学会学術総会が神戸国際会議場で開催されました。会長は神戸市立医療センター中央市民病院分子イメージング研究部の千田道雄先生。東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター)ポジトロン医学研究室室長であり、若い頃にご指導いただきました。 私は、「神経変性疾患のイメージング〜アミロイドとタウの先をめざす〜」と題したシンポジウムで、パーキンソニズムの臨床医としてプレゼンさせていただきました。ガイドラインに核医学検査が入った、 こちら と こちら 。ただし、パーキンソン病、特に初期はMIBG集積正常がありうる、 こちら 。MIBG心筋シンチが低下した多系統萎縮症剖検例は こちら 。レヴィ小体病cortical typeと思われる症例ではDatSCAN正常、 こちら 。つまり、診断に核医学検査は有用であるが確定診断ではなく少なからず例外がありうる。パーキンソニズムの臨床診断は専門医であっても病理診断と異なることがある、 こちら 。しかし私たち臨床家は診断を付けなければならない。治療に結びつけるため、公的援助を受けるため。アデノシン受容体の論文は こちら と こちら 。ジスキネジアのセロトニン仮説は こちら 。 オンデマンド配信(市民公開講座を除く全プログラム) は2020年12月7日(月)~2021年1月6日(水)。 こちら から。

老年精神医学雑誌第31巻第8号「特集;認知症ケアチームの実践のために」

老年精神医学雑誌第31巻第8号で認知症ケアチームの特集を組みました。 こちら 。 連載の「認知症診断のための神経所見のとり方」も私が担当編集員です。今回は「神経診察のツール」。

神経疾患治療を考える会2020

 神経疾患治療を考える会2020がweb開催されました。私は座長で横浜ランドマークタワー。 聖マリアンナ医科大学脳神経内科の白石眞先生からはパーキンソン病について。自律神経領域へのレヴィ小体病理は こちら 。PDナースは こちら 。姿勢異常については こちら 。Mikamiらの論文は こちら と こちら 。 聖マリアンナ医科大学脳神経内科の山野嘉久先生からはHTLV-1関連脊髄症(HAM)について。山野先生が中心にまとめた診療ガイドラインは こちら 。ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染者は全国に約100万人。そのうちHAMを発症するのは0.3%。成人T細胞白血病(ATL)を発症するのが5%。HAM患者がATLを発症することもあり予後不良。日本では毎年約4000人のHTLV-1新規感染者、 こちら 。オーストラリア原住民は40〜50%が感染、 こちら 。腎移植後のHTLV-1感染・HAM発症が高いと、 こちら 。HAMの長期予後を予測するバイオマーカーとして、髄液のneopterinとCXCL10、 こちら 。研究目的で測定しただけると、HAMネットのページは こちら 。ATL発症リスクについては こちら 。

第45回脳卒中学会

 脳卒中学会は3月に開催できず、8月24日〜9月24日web開催となりました。 画像のセッションの座長をやらせていただきましたが、web上で演者に質問、回答を得る形式。出張しなくてよく、仕事が終わってから、あるいは家でのんびり演題を閲覧することができました。ただ、まあ、出張しないとなると、仕事しているわけで、閲覧する時間があるわけではない... 学会に出向くより、見れるものが減りますね... 来年は福岡 です。

第234回日本神経学会関東・甲信越地方会

 しばらく開催できなかった神経学会関東・甲信越地方会がweb開催されました。一つだけネット環境の関係で最後までプレゼンできませんでしたが、地方会ならではの稀有な症例報告は勉強になり開催できてほんとに良かったと思いました。 いつもですと、大御所から厳しい質問があり緊張感がありますが、今回のweb開催では質問をチャットで書き込むのですががまだ慣れてませんね。最後まで発表を聞いて質問する、というよりは、発表途中でも疑問に思ったことはドンドン書き込む、あるいはテキストエディターにメモ書きして、時間内にコピペする、という方法がいいのかなと思いました。座長のお仕事が増えますね。質問のピックアップ、質問を読んで演者に伝える、質問なければ質問する。でもこの方法は、質問者と演者が直接議論するのは難しいです。参加者全員をZoomで繋ぐというのは相当のネット環境が必要でしょうし、大学など参加者が多いとその施設のネット環境に影響することもあり得ます。私たちがチャットに慣れ、チャットで議論する。あるいは、今年の脳卒中学会がそうだったように、掲示板書き込み方式がいいですかね。 さて今回私は、会長のJAとりで総合医療センターの冨滿弘之先生のご推薦で、座長をさせていただきました。 1例目は若年性認知症から見つかった 脳腱黄色腫症(Cerebrotendinous Xanthomatosis:CTX) 。ガイドラインは こちら 。Sekijimaらの日本の全国調査は こちら 。 2例目は海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻による認知症。 3例目は Marchiafava Bignami Disease 。ビクナミと読む人がいますが、Ettore Marchiafava先生とAmico Bignami先生はイタリアの病理学者、「マルキアファーヴァ・ビニャミ」と読みます。 4例目、抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体と抗N-methyl-D-asparatate(NMDA)受容体抗体陽性の脳炎。類似の症例は こちら 。オリゴデンドロサイトにはMOGとNMDA受容体があり、両方に対する抗体ができる可能性ありと、 こちら 。 5例目は、subacute encephalopathy with seizures in alcoholism(SESA)。アルコールの離断症候

脳病態画像解析学講座 2015年〜2019年 活動報告

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日本医科大学脳病態画像解析学講座の2015年〜2019年の活動報告をアップしました。 こちら からPDFがダウンロードできます。最新版のAdobe Acrobat Reader DCをご使用いただくと、閲覧できます。冊子版をご希望の方は、mishina@nms.ac.jpまでご一報ください。

第2回 Parkinson's Disease seminar in KAWASAKI

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第2回 Parkinson's Disease seminar in KAWASAKIがweb開催されました。 第1回は こちら 。 登戸内科・脳神経クリニック リハビリテーション科の三上恭平先生からは、パーキンソン病のリハビリテーションについて。 パーキンソン病診療ガイドライン でもリハビリテーションは重要視されてきてます。   LSVT-Bigなど高強度の運動が有効。 こちら 。運動を定着させることが重要。 パーキンソン病では、姿勢異常を「異常」と感じていない。三上先生の論文は こちら 。静止画を用いてその自覚を促す介入をなさっています。 こちら と こちら 。垂直性の学習に、ティッシュペーパーの箱を縦に立て、左右にある箱の底・上面が見えないように座る。すくみ足評価の論文は理学療法 (0910-0059)36巻9号 Page816-823(2019.09)。Visual Cueは慣れると効果が落ちるので、Cueを変更すると良いと。パーキンソン病の自発運動のfMRIの論文は こちら 。 歩数をイメージするとすくみが改善すると。 順天堂大学神経学講座の西川典子先生からは、早期パーキンソン病の治療についてのご講演でした。 パーキンソン病の経過については こちら 。パーキンソン病発症時ドパミンニューロンはすでに半分以上減っている。 こちら 。最初の症状が運動症状ではない症例が21%、痛みが多い、 こちら 。REM睡眠時行動異常・便秘など非運動症状が運動症状に先行、ONSET PD studyは こちら 。パーキンソン病の診断・治療のJAMAの総説は こちら 。 L-DOPA反応性の論文は こちら 。西川先生のL-DOPA論文は こちら 。若年・benserazide・薬の総量・MAO-B阻害薬がジスキネジアと関連、 こちら 。高用量L-DOPAはoffのリスクでもある、総説は こちら 。そこでmicrotablet、 こちら 。 衝動制御障害はドパミンD3受容体、 こちら 。ただ、やめるとdopamine agonist withdrawal syndromeに注意。ドパミンアゴニストの功罪の総説は こちら 。 MAO-B阻害薬selegilineとrasagilineの比較は こちら 。 負荷の強いエアロビクスが有効、 こちら 。 パーキンソン病のうつ治療

専門職向け公開講座 地域ケアの実現に向けて 第33回

専門職向け公開講座 地域ケアの実現に向けて 第33回 が開催されました。 第27回は こちら 。 第29回は こちら 。 第31回は こちら 。 第32回は こちら 。 日本医科大学先端医学研究所生態機能制御学の南史朗先生に、糖尿病についてご講演いただきました。 アフリカで誕生した人類。ヨーロッパに行った人たちは食料は豊富。しかしモンゴルの方に行った人たちはひもじい思いをした。少ない食料でも平気な人たちが生き残る。だからアジア人はそんなに太っていなくても糖尿病の人がいる。 低血糖は要注意。細胞はブドウ糖と酸素を使ってガソリンであるATPを合成。脳もそうだが、腎も低血糖に弱い。HbA1cだけを指標にコントールし、低血糖を増やすのは危険と。80〜160 mg/dLの人も、40〜400 mg/dLの人も、HbA1c 7%。血糖の日内変動の機器ができてきたので、これで血糖を見る。 食物繊維の摂取は血糖を下げる、 こちら 。 朝食食べないと血糖上がる、 こちら 。 2型糖尿病は認知症のリスク、 こちら 。耐糖能異常と認知症リスクの久山町研究は こちら 。 糖尿病性認知症は こちら 。

偉人に学ぶ脳卒中セミナー〜2020〜

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偉人に学ぶ脳卒中セミナー〜2020〜が庭のホテル東京で開催されました。 枚方総合発達医療センターの緒方絢先生からは、脳卒中の病理についてのご講演でした。clotについては こちら と こちら 。nonbacterial thrombotic endocarditis(NBTE)は こちら 。緒方先生の論文は こちら 。ラクナ梗塞は こちら と こちら 。アミロイドアンギオパチーは こちら 。Interstitial Fluid Flowは こちら と こちら と こちら 。 Binswangerは こちら 。état cribléは こちら と こちら 。

ハルロピテープ発売記念講演会

グランドプリンスホテル新高輪でハルロピテープ発売記念講演会が開催されました。 あべ神経内科クリニックの阿部隆志先生からは、ハルロピテープの臨床試験の結果を報告いただきました。ロピニロールがD2受容体の選択性が高いためか、ジスキネジア少ないと。 仙台西多賀病院の武田篤先生からは、経皮的投与について。総説は こちら(薬局 64(13): 3145-3151, 2013.) 。貼付剤の基剤にはゴム系・アクリル系・シリコン系がある。ロチゴチンはシリコン系、ハルロピテープは合成ゴム系。 京都大学臨床神経学の髙橋良輔先生からは、iPS細胞など未来の治療について。カニクイザルPDモデルでのiPS細胞治療は こちら 。総説は こちら 。 総合討論では、ハルロピテープの特徴、使用法などが議論されました。

Parkinson's Disease seminar in Kawasaki

 二子玉川エクセル東急でParkinson's Disease seminar in Kawasakiが開催されました。  聖マリアンナ医科大学脳神経内科の眞木二葉先生からは、パーキンソン病の治療についてのご講演でした。一時neuro protectionが賑わっていましたが、進行抑制のエビデンスはない。Schapira先生とOlanow先生の総説は こちら 。ジスキネジアにおけるamantadineの効果は こちら 。  昭和大学医学部内科学講座脳神経内科部門の小野賢二郎先生からレヴィ小体病と認知機能について。ますは症候学。アルツハイマー病ではエピソード記憶の障害が目立ちますが、パーキンソン病では手続きやworking memoryの障害。髄液のα-シヌクレイン、アミロイドβ1-42とMoCA、COGNISTATとの関係は こちら 。レヴィ小体病の認知症の病態は、レヴィ小体そのものが原因の場合と(Braakの論文は こちら 、stage 3で認知症出現)、それ以外、アルツハイマー病理や脳血管病変が関与の場合がある。  ついでα-シヌクレインの形成について。小野先生の総説は こちら 。あと こちら はアルツハイマー病のことですけど日本語でオリゴマー仮説が解説されています。重合核依存性重合モデルでは、重合核形成相と線維伸長相。A30P、E46K、A53T の家族性パーキンソン病の αS 変異とオリゴマー形成は こちら 。メラトニンは こちら 。"Pokey like stracture"は こちら 。cross-seedingは こちら 。α-シヌクレインとアミロイドβ双方が凝集促進。タウも。

第15回認知症市民公開講座

エポックなかはらにおいて、第15回認知症市民公開講座を開催しました。 国立長寿医療研究センター島田裕之先生からは、認知症予防について基調講演をいただきました。認知症予防の総説は こちら 。MCIからの回復は こちら 。島田先生の論文は こちら 。車の運転をする人の方がMCIから回復しやすいと。コグニサイズは こちら 。神奈川県でのコグニサイズは こちら 。 シンポジウムでは、認知症予防について議論されました。日本医科大学街ぐるみ認知症相談センターの北村伸先生には、認知症予防について概説いただきました。認知症にならないようにする一次予防・早期発見し早期に対応する二次予防・BPSDなど認知症患者の悪化を予防する三次予防があります。日本医科大学先端医学研究所の南史朗先生からは、糖尿病など生活習慣病と認知症の関係を講演いただきました。とどろき地域包括支援センターの北川大先生からは、 認知症カフェ について講演いただきました。川崎市健康福祉局地域包括ケア推進室の鈴木宜子先生からは、川崎市の施策をご提示いただきました。

第72回栃木県核医学研修会

宇都宮東武ホテルグランデにおいて、第72回栃木県核医学研修会が開催されました。 福井大学医学部高エネルギー医学研究センターの岡沢秀彦先生からは、放射線科医の立場から、認知症や変性疾患の画像診断についてご講演がありました。臨床放射線の特集号は こちら 。複数の検査を組み合わせて診断すべき。DaTSCANのSBRのみで判断せず必ず視覚読影を。カウントのピークから線条体のVOIを作成する手法は こちら 。 私は脳神経内科医の立場から講演しました。アミロイド抗体薬などアルツハイマー病根本治療が実現すると、アミロイドPETが必須になる。今の治験から考えるとおそらくMCIなど軽症が対象。スクリーニングとしてアミロイドPETを実施するわけにはいかないので、新時代の診療体制を考えなければなりません。アミロイドPETでアルツハイマー病が否定できた症例、嗜銀顆粒性認知症と思っていたらアミロイドPET陽性だった例、posterior cortical atrophyの症状を呈したアミロイドPET陽性例を提示しました。

明けましておめでとうございます

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