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第10回文京脳卒中マネジメントフォーラム

第10回文京脳卒中マネジメントフォーラムがホテルメトロポリタンエドモントで開催されいました。10年続いたこの研究会も、今回が最後となりました。 第4回は こちら 。第5回は こちら 。第6回は こちら 。第7回は こちら 。 順天堂大学・東京医科歯科大学・東京大学・日本医科大学の神経内科の中堅が世話人となり、自分たちが聞きたい演者をお二人お招きする勉強会でした。クロージングの東京医科歯科大学三條伸夫先生のご挨拶でこれまでの演題をプレゼンいただきましたが、それぞれの時代を象徴する内容が並んでいました。 今回は、まず、岩手医科大学神経内科・老年科の米澤久司先生からは、ファブリー病についてのご講演でした。ファブリー病については こちら もご参照ください。提示された症例は、酵素補充療法開始直後、脳梗塞再発がありました。しかしその後も継続した結果、脳血流SPECTにより改善する経過を可視化されました。この治療は粘りが大事なようです。 北海道大学脳神経外科の寳金清博先生から、細胞療法についてのご講演。iPSではなくbone marrow-derived stem cell(BMSC)を使用するメリット、2001年から始まった新しい治療法を確立するための道筋など、多岐にわたる内容でした。 reviewは こちら 。 RAINBOW研究は こちら 。 TREASURE研究は こちら と こちら 。 ちょうど昨日、フジテレビのアンビリバボーが 放送20周年の特集 、最後が、ポンペ病のファブラザイムでした。Pompe病の姉弟の父が、経営のプロという立場から創薬に関わり治療法を実現したという内容。5歳と余命宣告されたお二人、存命し、キャンパスライフを楽しんでいます。しかしながら、治療法開発というのは本当に大変な事業です。細胞療法も実現させていただきたいと思いました。ポンペ病・ファブリー病のような希少疾患も治療法が開発されると予後が劇的に改善します。最近リュープリンが球脊髄性筋萎縮症の進行予防に認可されました。私たち神経内科医は、今治療法がない疾患でも、きちんと診断しフォローすることが重要です。

第33回ブレイン・ファンクション・イメージング・カンファレンス

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神戸ポートピアホテルで第33回ブレイン・ファンクション・イメージング・カンファレンスが開催されました。 東邦大学医療センター大森病院放射線科の水村直先生は、microsphare法やautoradiography法など、SPECTによる脳血流定量法についてレヴューされました。それぞれ一長一短あります。本邦でのこの分野の進歩は、かつて秋田脳研にいらっしゃった先生方の精力的なご研究によることが大です。 岡山大学脳神経外科の菱川朋人先生からは脳血管手術の周術期におけるSPECTの役割について講演がありました。JET studyに象徴されるバイパス術の他、CEA・CAS後の過還流の予測にも。 順天堂大学放射線科の鎌形康司先生からは、MRIによるコネクトームについて。神経細胞の構造を元にした Brodmannの脳地図 と一致した結果であったこと、その他の新たな領域が見つかった。 北海道大学放射線診断科の工藤與亮先生からは、O-17をMRI造影剤として用いた研究。安定同位体であり安全、しかし天然存在比が非常に低いので高価... 脳血流・酸素代謝が評価できます。 放射線医学総合研究所脳機能イメージング研究部の島田斉先生からは、認知症の画像診断のピットフォールについて。MRIで海馬の萎縮があっても嗜銀顆粒性認知症、アミロイド蓄積していてもレヴィ小体型認知症、など。画像は診断を示しているのではなく、病態を表していると。 名古屋大学医学部附属病院医療技術部放射線部門の藤田尚利先生からは、脳血流の統計画像について。香川県立中央病院神経内科の森本展年先生からは進行性核上性麻痺の症例提示。富山大学脳神経外科の柏崎大奈先生からは、慢性脳血管障害でのSPECTについて。 国立長寿医療研究センターの鷲見幸彦先生からは、SDAF-PET研究に代表される、認知症診断としてのFDG PETについて。認知症もそうですが、パーキンソニズムの鑑別も、FDG PETが最強と私も思っております。 国立精神神経医療研究センター脳病態統合イメージングセンターの松田博史先生からは、DAT-SPECTの健常者データベースのご講演でした。世界最多のデータ数。線条体の加齢変化のデータとしても貴重です。 名古屋大学脳とこころの研究センターの渡辺宏久先生からは、加齢とパーキンソン病のPE

The 23rd World Congress of Neurology 2017

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The 23rd World Congress of Neurology 2017 と合同開催の 第58回日本神経学会学術大会 が国立京都国際会館で開催されました。 9月17日のオープニングセレモニーは、秋篠宮殿下妃殿下のご臨席。この日は台風18号が直撃でした。しかし奇跡的に雨は降らず、セレモニー終了後に豪雨となりました。 学会中に学んだ注目論文は以下の通り。 本態性振戦に対するFocused Ultrasound Thalamotomyは こちら 。 柴崎浩先生のNegative myoclonusは こちら 。 DLBの新しい診断基準は こちら 。これまでのDaTSCANに加え、MIBG心筋シンチが加わりました。また、脳血流・代謝のCingulate Island Signも。 こちら と こちら 。 パーキンソン病に対する向精神病薬はリスキー。 こちら 。 CIDPの診断基準(EFNS/PNS)は  こちら 。桑原聡先生の論文は こちら と こちら 。MMNは こちら 。 magnetic resonance neurography は こちら 。Root hypertrophy。CIDPの3週ごとのIVIgでのメインテナンスは こちら 。 ポスター二つ出しました。本当はこのように並んでプレゼンしたかったのですが、実際はトイ面でした... 9月18日朝、嵐山を散歩しました。 渡月橋。台風一過、桂川は濁っています。 天龍寺。紅葉はもうちょっとですが、さすが世界遺産、苔が美しい庭です。 天龍寺北口から竹林。 常寂光寺近く。少しだけ紅葉。 常寂光寺仁王門。台風が緑を美しくしました。早朝なのに折れた枝など落ちていない。さすが日本のおもてなし。 学会場に向かう頃、観光客が徐々に。嵐山は早朝でんな。

第15回脳核医学画像解析研究会

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ベルサール八重洲で第15回脳核医学画像解析研究会が開催されました。 アルツハイマー病のコミュニケーションについて講演しました。 SPECTなど検査で、アルツハイマー病の方は途中で動いてしまう場合があります。あるいは、お約束の時間にいらっしゃらないことがあります。どうしてそうなってしまうのか、どうすれば予防できるかを講演しました。いつものように、reality orientationとvalidation therapyが中心になります。 浜松医科大学精神医学講座の山末英典先生からは、自閉症とオキシトシンについて講演がありました。点鼻薬が良さそうです。投与方法・投与期間が検討中。しかし、自主輸入は問題と。どうも、性の嗜好が変わるなど、検討すべき課題が残っているそうです。 Brainの論文は こちら 。 endophenotype-associated surrogate endpoint (EASE)は こちら 。