投稿

12月, 2022の投稿を表示しています

日本医科大学産業医研修会

 日本医科大学産業医研修会でした。コロナ禍で産業医の単位確保ができていませんでした。日本医科大学の研修会は、2日間みっちりで辛いのですが、短期間で単位がたくさん取れるのでありがたいです。 長時間労働者、高ストレス者の面接指導に関する報告書・意見書作成マニュアルは こちら 。ここに面接時の生活習慣・セルフケアのアドバイスの例が記載されていますが、睡眠については以下の通りです。 睡眠に問題のある場合には、以下のような指導を行います。  毎日十分な睡眠時間を確保する。  眠くなってから寝床に就き、起床時刻を一定に保つようにする。  就寝前にリラックスすることがスムーズな入眠に有効である。  就寝直前の激しい運動や夜食摂取、飲酒や喫煙、就寝前 3~4 時間以内のカフェイン摂取は睡眠の質を悪化させるので控える。  就寝前の寝室の明るすぎる照明は、睡眠の質を低下させるので眠りを邪魔せず心地よいと感じられる程度に調整する。寝床に入ってからの携帯電話操作も覚醒を助長させるので控える。 不眠症は、メンタルヘルス不調の症状として現れることもある。睡眠に関連する問題で、日常生活や勤務に悪い影響が出てきて、自分では対処できない時には、早めに専門家に相談するように指導する。 上記の参考文献は 健康づくりのための睡眠指針2014 。この指針に書かれているもので上記にないものを以下に抜粋。 若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。 子どもには規則正しい生活を 休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進 朝目が覚めたら日光を取り入れる 夜更かしは睡眠を悪くする 夜間に必要な睡眠時間を確保できなかった場合、午後の眠気による仕事の問題を改善するのに昼寝が役に立ちます。 午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的。  眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない 眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない 眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに いつもと違う睡眠には、要注意。 睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意 眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談 睡眠薬などの薬を用いて

脳神経内科地域連携WEBセミナー

イメージ
 脳神経内科地域連携WEBセミナーに参加しました。 東邦大学医学部内科学講座神経内科学分野の森岡治美先生からは視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)についてのご講演でした。多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017は こちら 。国際診断基準は こちら 。 NMOSDはアストロサイトの傷害が病態の首座 。アストロサイトの足突起に水チャンネルであるアクアポリン4(AQP4)が多く発現。NMOSDの多くは抗AQP4抗体が病態に関与。それでアストロサイトが傷害され、炎症を生じる。 抗AQP4抗体は主にB細胞から分化したプラズマブラストが産生、IL-6はプラズマブラストの生存期間を伸ばし、抗AQP4抗体が持続的に産生される。 BBBで抗AQP4抗体はブロックされるが、通常の炎症などによりBBBが破綻、流入することになる。 図は こちら から。 NMOSD患者では、髄液および血中のIL-6濃度が多発性硬化症などと比べて高値になっている 。 東邦大学医学部内科学講座神経内科学分野の柳橋優先生からは、意外な症状からたどり着いた神経疾患、神経疾患によくある症状が内科疾患だった7症例が提示されました。ポイントは、詳細な問診、神経学的診察、時には長期フォローでした。てんかんの分類は こちら と こちら 。 パーキンソン病の前駆症状は こちら 。 脳卒中のpre-hospital scale、FASTは こちら 。大学の後輩、鈴木健太郎先生らのELVOは こちら 。stroke mimics は こちら 。stroke chameleonsは こちら 。この鑑別のポイントは意識と目! 認知症鑑別では高カルシウム血症とビタミンB12欠乏症。メチオニン⇄ホモシステインの代謝にビタミンB12→葉酸が関与。ビタミンB12が正常値でもホモシステイン高値は要注意。B12欠乏は認知症の原因になるが、アルツハイマー病のリスクでもありと。 こちら 。