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9月, 2009の投稿を表示しています

Ischemic Brain Forum 2009

 ホテルメトロポリタンエドモントで開催された、Ischemic Brain Forum 2009に参加しました。が、渋滞にはまり、大阪大学北川一夫先生のご講演には間に合いませんでした...  NIHのJohn M. Hallenbeck先生からは、small ubiquitin-related modifier(SUMO)に関するご講演がありました。細胞核-細胞質の輸送、転写制御、アポトーシス、タンパク質の安定化、ストレス応答、細胞周期の進行など様々な細胞内のプロセスに関係すると、 Wikipediaには書かれています 。英語版は こちら 。冬眠でSUMOの活性が増加するそうです。虚血体制にも関与するとか。治療への応用も期待されます。

NeuroImage YouTube Channel Competition

Neuroimag eが、YouTubeでChannel Competitionというのを始めました。

マイコミジャーナルにInCliPSのデータベースを投稿しました

マイコミジャーナルのファイルメーカー選手権 に、 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) のシート作成用データベース2008年度版を投稿しました。  読者投票というものがございます。5点満点の採点、投票は1作品につき1回です。読者投票には、マイコミジャーナル会員登録が必要となりますが(無料)、投票いただいた方の中から抽選で1名(私に投票、ではございません、全体で、です)にニンテンドーDSiをプレゼント、と書いてあります。投票よろしくお願いします。

Norton Antivirus ver. 11がSnow Leopard対応に

 今回のNortonのLiveUpdateで、Norton Antivirusがver. 11.0.3となり、Snow Leopardで使用可能となりました。約2週間“野ざらし”になっていたので、早速全部スキャン。3時間あまりで終了? Leopardの頃は一晩かけて終わらないことがあったような気がしますが。  Symantecも、メールかなにかで連絡くれればいいのに。ノートン2010シリーズ新発売のメールは来たんですが。

Stroke Prevention Therapy Now!! その2

 熊本大学内野誠先生からは、遺伝性脳卒中の診断と治療についてご講演がありました。  熊本大学の前身、熊本医学校の出身者に、破傷風の治療法を発見した北里柴三郎先生がいらっしゃいます。そのお言葉に、「医師の仕事は病気の予防である」があります。今回の会は脳梗塞の予防がテーマですが、脳卒中の原因は高血圧・脂質異常症・糖尿病など、いわゆる生活習慣病と喫煙だけでなく、遺伝要因も関与する、ということでお話が始まりました。AT-III欠乏症・プロテインS欠乏症による静脈洞血栓症・弾力線維性偽黄色種・Fabry病・MELAS・Osler-Weber-Rendu病・CADASIL・CARASIL・HERNSについて、自験例を交えて解説いただきました。  特にCADASILについては、詳しくお話しいただきました。急性期病院ではなく、療養型施設など長く診療されているところで見つかることが多い。日本では西日本に多い(CARASILは東)。MRIで側頭極と外包に病巣。T2*で微小出血。欧米と違い片頭痛のauraは少ない。GOMは基底膜に沈着、壊死し出血する。抗血小板剤は慎重に少量に。

Stroke Prevention Therapy Now!! その1

 ホテルメトロポリタンエドモントで開催された、「Stroke Prevention Therapy Now!!」に出席しました。  熊本大学平野照之先生からは、脳梗塞の二次予防、特に、抗血栓療法について講演がありました。最近の研究では、cilostazolやclopidogrelの方がaspirinより出血合併症が少なかったり予防効果が強いとされていますが、現場では薬価の違いからaspirinが使用されることが多い。そのため、平野先生の師匠である熊本市民病院橋本先生のところでは、基準をもうけて使い分けをしていたそうです(BRAIN NURSING 2006 vol.22 no.7(765)109)。ネットで調べると、 獨協医大もEssen Stroke Risk Scoreを使ってaspirinとclopidrelを使い分けているようです 。  アスピリン抵抗性についてもお話しされました。aspirinは血小板のCOX-1を阻害し、強力な血小板凝集作用をもつトロンボキサンA2の産生を抑制する。しかし、トロンボキサンA2にはaspirinの作用が及ばない合成経路もある。例えば、単球、マクロファージ、血管内皮細胞ではCOX-2の働きによりトロンボキサンA2がつくられる。また、血小板活性を亢進させる多様な因子のなかには、aspirinの影響を受けないものある。TXA2代謝物の尿中排泄量(尿中11-CHTXb2/cre)を測定すると、aspirin無効例で高値になっているそうです。こういった検査で、aspirinと他剤の使い分けをしてもいいかもしれませんが、まだ検査そのものが高価。  抗血小板剤の併用の研究もいくつかありますが(MATCH・PRoFESSなど)、多く出血合併症の増加が確認されています。期間を限定するといいのではないかとおっしゃっていました。  心原性脳塞栓でも、以前はaspirinが使用されることがありましたが、これは無効であることが証明されましたので、warfarinが推奨されています。NVAf患者の脳梗塞発症リスク評価にCHADS2スコアを使うこともありますが、心房細動治療ガイドラインでも以前よりwarfarinが重要視されています。warfarinの出血合併症もありますから、血圧管理も大事です。アレルギーなどでwarfarinが使用できない場合は、 c

千葉パーキンソン病ワークショップ2

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 関東中央病院織茂智之先生からは、MIBG心筋シンチに関するご講演がありました。多系統萎縮症では心臓自律神経の節前線維が障害されるのに対し、パーキンソン病では節後線維のアドレナリン作動生神経が障害されます。ノルアドレナリンのアナログであるMIBGは、左室によく集積し、体内でも代謝されないそうです。前期像は脱神経、ノルアドレナリントランスポータ(NAT)・小胞モノアミントランスポータ(VMAT)の障害を反映、後期像はexocytosisの亢進などを反映していて、パーキンソン病の診断には後期像がより有用。PARK2はLewy小体がありませんのでMIBG心筋シンチも正常、PARK8はLRRK2の障害ですが低下する場合と正常の場合がある。PARK1と4は低下。incidentalに見つかったLewy body disease(ILBD)やREM睡眠時行動異常など、多数のご研究があります。たとえば こちら 。  織茂先生は楢林賞受賞など数々の業績があり、現在日本の神経内科医で最も世界から注目を浴びている先生のお一人ですが、これらの業績を臨床業務の合間になさっているということ、恐れ入ります。それから、MIBG心筋シンチは、例えばH/M比で評価するわけですが、「比」にも関わらず、しかも心臓という大きなターゲットにもかかわらず、SPECT機種によって数値が変わります。しかし、この標準化を現在検討中だそうです。 この図は、 富士フィルムRIファーマ株式会社のサイト にあります。

千葉パーキンソン病ワークショップ1

 ホテルグリーンタワー千葉で開催された、千葉パーキンソン病ワークショップに出席しました。  東海大学高橋裕秀先生からは、パーキンソン病治療における高橋先生自身の戦略・治療目標の講演がありました。5年・10年ではなく、30年くらいの長期的な視野を持て、とのことでした。  パーキンソン病治療ガイドラインは、 イギリスNational Institute for Health and Clinical Excellenceのガイドラインがあります 。一方で、「パーキンソン病を治す本ー薬を使わない画期的治療でよくなる人が続出!」なんていう本もあります。しかし、その著者は、患者・社会に対して、Commitmentがあるのか。  また、L-DOPAは長期使用でon-offがでたりジスキネジアが出るということで、初期は敬遠されがち、開始も先延ばしされがちです。しかし、いよいよ薬がなくなってから使用、というより、ADLに問題がない状態に保つ、仕事もできるような状態に保つことが大事だということです。薬代が高く医療経済を圧迫、と考えるのではなく、就労できれば税金を払っていただける。必要ならL-DOPAも積極的に使用するそうです。  そこで問題になるのはジスキネジア。ただ、日本で見るジスキネジアは国際学会の動画で見るジスキネジアの程度とは被殻にならないほど軽い。これは、専門医は年1回の診察、基本的にgeneralistが診察するシステムになっていて、例えばL-DOPAの増量も、50mgー100mgー300mgー600mgというような、大雑把に調節するからだそうです。日本は、専門医が毎回診察しますし、50mgづつ、あるいは服用回数を増やしたりして調節します。日常生活に問題のあるジスキネジアは体力を消耗させるので、避けるべきです。アメリカでは、空腹時のL-DOPA服用が推奨されていますが、血中濃度の上昇が急峻になり、on-offやジスキネジアが出やすくなります。食後がなだらかになっていいそうです。 症状のダイアリー を活用されるとよいそうです。野川先生・服部先生と開発された、 MASAC-PD31 は、多忙な外来診療で短時間で患者の症状を把握するのに便利です(使用経験ありますが、次の外来までに患者さんにチェックしいただくと、把握していなかった症状がよくわかります)。  初期の"ne

日本医科大学千葉北総病院脳神経センター脊髄部門のページを作りました

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日本医科大学千葉北総病院脳神経センターのサイト内に、 脊髄部門のページ を作りました。

千葉県共用地域連携パスワーキンググループ

千葉県医師会で千葉県共用地域連携パスワーキンググループの会議がありました。 印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS) の中では、女子医大・東邦大が県共用パス使用開始、日本医科大学千葉北総病院は遅れております...

大和証券ヘルス財団健康セミナー

大和証券千葉支店で開催された、大和証券ヘルス財団健康セミナーで認知症に関する講演をしました。介護の現場が大変になっていること、アルツハイマー病の根本治療の光明が見えてきたこと、そのための早期治療におけるPET・SPECTの有用性などをお話ししました。

AcrobatとSnow Leopard

 Snow Leopardでは、Safariが64ビットモードで起動するので、Adobe PDF プラグインが働きません。詳細は こちら 。でも、OS標準のPDF表示もスムースだし問題ないです。  また、Adobe PDF プリンタもなくなりました。詳細は こちら 。Mac OSは標準でPDF作成がついているので問題ないのですが、わたしは、Parallels DesktopのWindows XPの印刷物を、Adobe PDF プリンタ経由でPDFにしてから印刷していたので、ちょっと困ります。

PMOD and Mac OS X 10.6 Snow Leopard

土曜日に、やっぱりSnow Leopardを上書きインストールしてしまいました... ちょっと早くなったような。ハードディスクは10GB以上空きが増えました。 しかし、FileMakerでは、あるデータベースだけ問題あり... なんと 脳卒中地域連携パス用のデータベース 。開くのは開くのですが、入力画面に移ってフィールドにカーソルを移動するとくるくる回ってエラーメッセージ... 他のデータベースは開くのですが... 特殊なことは何もやっていないと思いますが... それと、ログイン後などに、「/system/Library/Extensions/WkClassicNotSeizeDriver.kext がきちんとインストールされてません」という内容のダイアログがでるようになりました。いろいろ調べたら、PMODを起動するためのUSBキーの WIBUKEY のファイル。しかし該当のファイルはきちんと存在する。しかもPMODもUSBキーを挿せばきちんと起動する。で、 WIBUKEYのサイト を調べたら、 解決策がのっていました 。一度uninstallして、PPC用のファイルをインストールしない設定にするだけでした。

第19回Post stroke depression研究会

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産業医研修会の後は、東京會舘で開催された、第19回Post stroke depression研究会に出席しました。東海大学付属東京病院神経内科の大熊壮尚先生からは、post stroke depressionと脳機能局在・A型行動パターンに関する研究が報告されました。いずれも有意な関連は証明できませんでしたが、左前頭葉とA型行動パターンが関連がありそうだということでした。防衛医科大学校精神科の野村総一郎先生からは、鬱病治療のアルゴリズムについて講演がありました。一部の精神科の臨床家は根拠のないさじ加減や低容量をチョコ出しすることが多く見受けられ、EBMではないことが指摘されました。これは脳卒中診療も同様です。うつ治療はSSRIが中心ですが、今度発売されるNoradrenergic and specific serotonergic antidepressant(NaSSA)であるmirtazapineも期待できそうだ、ということです。SSRIが聞かない場合は、SNRIに切り替えたり(ただしEBMはあるが臨床現場では実感がないと)三環系に切り替えたり、リチウムを上乗せしたり、非定型精神病薬を加えたり、抗うつ剤を併用したりする方法のEBMが紹介されました。この直前に書いた産業医研修会でも感じましたが、うつはやっぱり精神科の先生にお任せした方がいいと思いました。  とはいっても、野村総一郎先生のベストセラーは、「内科医のためのうつ病診療」だそうです。

日本予防医学リスクマネージメント学会

東京大学弥生講堂で開催された、日本予防医学リスクマネージメント学会主催の産業医研修会に参加しました。内容は、職場巡視、新型インフルエンザ、うつでした

第103回東葉臨床医学セミナー

 ウィシュトンホテルユーカリで開催された第103回東葉臨床医学セミナーで、前座として、千葉県共用の脳卒中地域連携パスの講演をしました。 昨年のこの会での講演で、宇都宮高校陸上部の先輩菅原先生とお会いし 、その後の 旧友達 や ライバル(というか遠い存在) との再会につながったのでした。印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS)は、多くの医療機関のご協力により、活発に運用されています。もうじき、県共用パスに移行します。県共用パスのうち、地域生活期に使用する「診療経過表」について、東邦大学白井先生より、ガン・糖尿病・心筋梗塞とパスができているが、かかりつけ医にとっては迷惑、統一できないか、とのご意見を頂戴しました。少なくとも、脳卒中地域連携パスのリスクファクターのシートは、糖尿病・心筋梗塞と統一できると思います。今は分離しているワーキンググループが一緒になれかどうか、脳卒中地域連携パスが先行していて、運用実績も他のパスの10倍以上なので、他の疾患が脳卒中地域連携パスに同調いただくのが現実的と思います。  千葉大学横手幸太郎先生からは、生活習慣病について、基礎研究から臨床までご講演いただきました。1950年頃、日本人の平均寿命は男女とも50歳程度でしたが、今は80歳以上。100歳を超える方も1,300人以上いらっしゃいます。しかしADLが自立されているのは約2割、4割は寝たきりの状態だそうです。あまりにも急激に高齢化が進んだ日本人は、長寿に馴れきっていないのではないか。長生きが幸福なのか?そして、自立できない原因の第一位は脳卒中。という現状をふまえ、生活習慣病はどうして起こるか。まずは食べすぎ。 アカゲザルは接触制限で、死亡・動脈硬化・闘病病のみならずガンも減少するそうです 。 smad3が肥満や動脈硬化、血管内皮障害に関与している 。褐色脂肪細胞が熱を産生( N Engl J Medに論文3つ )。 Twist-1の関与 。 間欠性跛行の原因は、ASOの他に脊柱間狭窄症 。 Werner症候群は徐々に寿命が延びている が、statinやPioglitazoneの登場が関与? 152歳まで生きたと言われているThomas Parr はベジタリアンだったらしいが、長寿で有名になりチャールズ1世に謁見、パーティつづきになったら、お亡くなりになったとか。  懇親会では、連携パスや