第33回ブレイン・ファンクション・イメージング・カンファレンス

神戸ポートピアホテルで第33回ブレイン・ファンクション・イメージング・カンファレンスが開催されました。




東邦大学医療センター大森病院放射線科の水村直先生は、microsphare法やautoradiography法など、SPECTによる脳血流定量法についてレヴューされました。それぞれ一長一短あります。本邦でのこの分野の進歩は、かつて秋田脳研にいらっしゃった先生方の精力的なご研究によることが大です。

岡山大学脳神経外科の菱川朋人先生からは脳血管手術の周術期におけるSPECTの役割について講演がありました。JET studyに象徴されるバイパス術の他、CEA・CAS後の過還流の予測にも。

順天堂大学放射線科の鎌形康司先生からは、MRIによるコネクトームについて。神経細胞の構造を元にしたBrodmannの脳地図と一致した結果であったこと、その他の新たな領域が見つかった。

北海道大学放射線診断科の工藤與亮先生からは、O-17をMRI造影剤として用いた研究。安定同位体であり安全、しかし天然存在比が非常に低いので高価... 脳血流・酸素代謝が評価できます。

放射線医学総合研究所脳機能イメージング研究部の島田斉先生からは、認知症の画像診断のピットフォールについて。MRIで海馬の萎縮があっても嗜銀顆粒性認知症、アミロイド蓄積していてもレヴィ小体型認知症、など。画像は診断を示しているのではなく、病態を表していると。

名古屋大学医学部附属病院医療技術部放射線部門の藤田尚利先生からは、脳血流の統計画像について。香川県立中央病院神経内科の森本展年先生からは進行性核上性麻痺の症例提示。富山大学脳神経外科の柏崎大奈先生からは、慢性脳血管障害でのSPECTについて。

国立長寿医療研究センターの鷲見幸彦先生からは、SDAF-PET研究に代表される、認知症診断としてのFDG PETについて。認知症もそうですが、パーキンソニズムの鑑別も、FDG PETが最強と私も思っております。

国立精神神経医療研究センター脳病態統合イメージングセンターの松田博史先生からは、DAT-SPECTの健常者データベースのご講演でした。世界最多のデータ数。線条体の加齢変化のデータとしても貴重です。

名古屋大学脳とこころの研究センターの渡辺宏久先生からは、加齢とパーキンソン病のPET・MRIについて。コネクトーム・アミロイドPET・タウPETなど。

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