第234回日本神経学会関東・甲信越地方会

 しばらく開催できなかった神経学会関東・甲信越地方会がweb開催されました。一つだけネット環境の関係で最後までプレゼンできませんでしたが、地方会ならではの稀有な症例報告は勉強になり開催できてほんとに良かったと思いました。


いつもですと、大御所から厳しい質問があり緊張感がありますが、今回のweb開催では質問をチャットで書き込むのですががまだ慣れてませんね。最後まで発表を聞いて質問する、というよりは、発表途中でも疑問に思ったことはドンドン書き込む、あるいはテキストエディターにメモ書きして、時間内にコピペする、という方法がいいのかなと思いました。座長のお仕事が増えますね。質問のピックアップ、質問を読んで演者に伝える、質問なければ質問する。でもこの方法は、質問者と演者が直接議論するのは難しいです。参加者全員をZoomで繋ぐというのは相当のネット環境が必要でしょうし、大学など参加者が多いとその施設のネット環境に影響することもあり得ます。私たちがチャットに慣れ、チャットで議論する。あるいは、今年の脳卒中学会がそうだったように、掲示板書き込み方式がいいですかね。


さて今回私は、会長のJAとりで総合医療センターの冨滿弘之先生のご推薦で、座長をさせていただきました。

1例目は若年性認知症から見つかった脳腱黄色腫症(Cerebrotendinous Xanthomatosis:CTX)。ガイドラインはこちら。Sekijimaらの日本の全国調査はこちら


2例目は海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻による認知症。


3例目はMarchiafava Bignami Disease。ビクナミと読む人がいますが、Ettore Marchiafava先生とAmico Bignami先生はイタリアの病理学者、「マルキアファーヴァ・ビニャミ」と読みます。


4例目、抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体と抗N-methyl-D-asparatate(NMDA)受容体抗体陽性の脳炎。類似の症例はこちら。オリゴデンドロサイトにはMOGとNMDA受容体があり、両方に対する抗体ができる可能性ありと、こちら


5例目は、subacute encephalopathy with seizures in alcoholism(SESA)。アルコールの離断症候群は禁酒/断酒後数時間〜数日以内に起こるが、SESAはいつでも起こりうると。


6例目はneurolyphomatosisで、ランダム皮膚生検では見つからず、FDG PETの結果を元に実施した腕神経叢の生検で診断。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)は無治療での寛解が報告されていて、神経症状も変動すると。

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