印旛市郡医師会学術講演会
ヒルトン成田で開催された、印旛市郡医師会学術講演会に出席しました。埼玉医科大学棚橋紀夫先生をお招きして、脳卒中における高血圧管理についてご講演いただきました。本邦の高血圧患者は約4,000万人、3人に1人です。脂質異常症が脳卒中より虚血性心疾患の方がリスクが高いが、高血圧は脳卒中の方がリスクが高い。これには、脳出血や心原性脳塞栓など背景の違いがある。降圧により脳卒中発症リスクは減少する。心房細動に対する抗凝固療法、アメリカで発症後4.5時間まで延長されたrt-PA療法も重要だが、24時間しっかり降圧することも重要。脳卒中再発はバランス障害・認知障害・嚥下障害につながる。早朝に血圧が上昇することもあるが、交感神経亢進によるmorning sergeがありコントロールが難しい場合、長期に効果が持続する薬剤でも、2回に分けて服用するなどの手段も必要なようです。降圧剤の中でも、レニン・アンジオテンシン系を押さえる薬剤が脳卒中予防には有用です。AT1受容体の刺激は、NOを減少させ血管を狭窄、リモデリングで血管壁が肥厚、炎症による動脈硬化進展。脳内にもRA系が関与、ARBは認知機能改善効果も報告されています(AT2受容体が関与)。β遮断剤は脳血流を低下させるものもあり、脳卒中では避けたい。利尿剤はかつては脱水を考え脳卒中患者では避ける傾向がありましたが、日本人は塩分感受性高血圧が多いため効果的、少量の利尿剤とARBの併用は降圧効果が強いようです。とにかく、どの降圧剤を選択するにせよ、しっかり降圧することが大事であることを強調されました。
医療連携の中でも、血圧の情報の伝達、治療の継続が重要です。
医療連携の中でも、血圧の情報の伝達、治療の継続が重要です。
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