第31回日本神経治療学会総会


第31回日本神経治療学会総会が今日で3日目です。



第一日目から、教育講演がたくさんありました。脳波判読のレクチャーは、京都大学池田昭夫先生。脳波はEPSPとIPSPの総和、spike/sharp waveとsharp transientsの鑑別、delta brushは抗NMDA受容体抗体関連脳炎と関連。めまいの診断は、河村満先生。多くは良性発作性頭位眩暈症。河村先生がおすすめの、平塚共済病院城倉健先生の著書はこちら。



ランチョンセミナーでは青森県立病院冨山誠彦先生より、istradefyllineのご講演。最近のistradefyllineの講演では私の論文が取り上げられ、ありがたい限りです。

冨山先生の論文はこちら

日本神経治療学会理事長の糸山泰人先生は、これからの日本神経治療学会の役割について。神経疾患は学会創立当時は治療法がないものがほとんど。30年後、難病の一部は病因が解明され治療法も開発されてきました。



日本医科大学片山泰朗先生の会長講演は脳卒中の基礎実験について。「The outlook for stroke therapy is excellent ... if you are a rat…」。ISC 2012でのRingelstein先生のご講演を思い出しました。

イブニングセミナーでは島根大学山口修平先生の脂質異常症に関するご講演を聴きました。statinやEPAの話題でした。


2日目は午後から参加しました。

アルツハイマー病のシンポジウムでは、PETの話題。特に放射線医学研究所の樋口真人先生のタウイメージングは圧巻でした。

その後はポスターで発表。オンディーヌの呪いについて発表しました。間もなく、J Nippon Med Schでpublish予定です。

岩手医科大学の小川彰先生からは、日本の医療の問題点についてのご講演でした。日本の医療は世界一と評され、しかも安く押さえられている。医薬品・医療機器の輸入超過、混合診療、TTPなど、米国の保険業界の外圧で利益を吸い取られつつあると。アカデミアは問題であることを積極的に提言すべき。

イブニングセミナーでは日本医科大学の森田明夫先生の脳動脈瘤についての講演。UCAS Japanの論文はこちら。インパクトファクターの高い雑誌に載せるのも大事だが、実際に引用件数が多い論文が必ずしも「一流誌」とはかぎらない、アイデア勝負と。

懇親会は盛況でした。


3日目のシンポジウムでは、産・官・学協働の新薬開発について。医薬品医療機器総合機構のサイトはこちら。協和発酵キリンの森明久先生からは、istradefyllineの20年に及ぶ開発過程が提示されました。開発初期の方向付けが重要です。

ランチョンセミナーでは、国立循環器病研究センターの中川原譲二先生から、脳血管障害のPET・SPECTのご講演。脳血管狭窄による15O gas PETはゴールデンスタンダードですが、まだまだ研究課題があるのですね。

私は脳梗塞rt-PA適正使用講習会で、使用経験について講演しました。

ということで、学会終了。

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