第9回「川崎認知症ケアミーティング-かかりつけ医ネットワークをめざして-」

日本医科大学街ぐるみ認知症相談センターで第9回「川崎認知症ケアミーティング-かかりつけ医ネットワークをめざして-」が開催されました。
関口医院関口博仁先生からは、アルツハイマー病の症例報告がありました。

私は、レヴィ小体型認知症(DLB)の診断について、講演しました。McKeithらの診断基準では、DLBと認知症を伴うパーキンソン病(PDD)の区別に、One year ruleを使っています。病理や画像ではこの二つを区別困難、分けることに議論もあります。

One year ruleではPDDなのに、簡易的な診断チェックシートにより認知機能障害と幻視の存在などからDLBと診断、donepezilが投与され、パーキンソニズムが悪化し車椅子生活の症例を提示しました。ナンテコトナイ、幻視がでやすい抗パーキンソン病薬を中止するなど調節し、幻視もなくなりパーキンソニズムは軽減、ADLが自立しました。

発症10年後に来院したパーキンソン病、MMSE 19/30、PDDの診断でレボドパ投与し軽減した例は、DatSCANでは予想外の集積低下、よ〜くご家族にお話を聞いたら、以前から幻視はあったと。One year ruleに合致するかは確認しようがない...

研究や治験目的で、診断基準を用いて典型的なDLBをピックアップするのはそれほど難しくないですが、ここの症例でDLBと診断するのはそう単純ではない。画像診断は所詮補助診断、詳細な問診と長期のフォローアップが大事で、途中で臨床診断を疑問視することも大事と結論しました...

今回の講演で、エビデンス以外のところで参考になった本は以下です。

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