第6回日本心血管脳卒中学会学術集会

上野精養軒で第6回日本心血管脳卒中学会学術集会が開催されました。会長は木村和美先生で、西山康裕准教授中心に私たちの医局でお手伝いさせていただきました。

2018年12月8日脳卒中・循環器病対策基本法案が可決したばかり、primary stroke center(PCS)の施設認定も始まりますので、脳卒中の診療体制について会長招宴、懇親会も含め活発に議論されました。

私は、「脳と心臓の核医学検査」というシンポジウムで、脳の核医学検査について講演しました。バイオマーカーとADステージについてはこちら。アルツハイマー病アミロイド仮説についてはこちら。Movement Disorder Societyのパーキンソン病診断基準はこちら。レヴィ小体型認知症はこちら。Braak stageとPiB PETはこちら。認知機能全く正常の健常老年者でもアミロイド蓄積、こちら。J-ADNIはこちら。前頭側頭葉変性症でもアミロイド陽性のことあり、こちら。認知症の複合病理はこちら。アミロイドPETイメージング剤の適正使用ガイドライン (第2版)はこちら。bvFTD = Pickではない!こちら。CBSでのアミロイドPETはこちら。タウPETの総説はこちら

循環器のセッションは普段聞いたことがなかったので、勉強になりました。血管内視鏡のシンポジウムでは冠動脈・大動脈、コレステロール結晶の病理が議論されましたが、未破裂脳動脈瘤のシンポジウムで議論された「ステントが内皮に包埋されたかどうか」は、冠動脈などでは見て判断ということですね。

tPA・ステントなどは循環器が脳を先じていましたが、一方、AIの分野は逆転した模様。最近の心電図は自動診断がついていますが、東武鉄道株式会社診療所の加藤貴雄先生からは看過できないミスもあると。今後AIは入ってくるらしい。

新潟大学脳研究所統合脳機能研究センターの松澤等先生からは、AIが獲得した特徴量の可視化について講演がありました。大腿骨頚部骨折のX-Pへの応用はこちら。GANはこちら。AlexNetはこちら。人間が見てもわからないようなノイズを載せると、AIは判断をミスする様子も見せていただきました。最近AIによる自動運転なども開発されていますが、安易に導入すると、テロリズムにも応用できてしまう恐ろしい技術なのですね。逆に、時々サイトのログインでみる、図の変な形の字を入力する方法、コンピュータでは認識できないのですな。脳画像の自動診断も、ちょっとしたノイズでエラーする可能性あり。AIのセキュリティについてはすでに当局の基準もあるようですね。

学会が上野だと、空いた時間で美術館や博物館に行けますね。東京都美術館でクリムト展やってました。

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