第64回日本核医学会学術総会
パシフィコ横浜で第64回日本核医学会学術総会が開催されました。
シンポジウム03:Prodromal レヴィ小体病とEANM-JSNM Joint Session:Parkinson Imagingを企画させていただき、シンポジウム03ではProdromal 「レヴィ小体病」について講演させていただきました。
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小阪憲司先生が、のちにdiffuse Lewy body disease(DLBD)と呼ばれる、進行する認知症とパーキンソニズムを呈し、大脳皮質に広範なレヴィ小体が出現した剖検例を症例報告されました。こちら。
小坂先生はDLBDをアルツハイマー病変を伴うcommon formと伴わないpure formに分類されました。こちら。そしてレヴィ小体の存在を特徴とする病態、レヴィ小体病(Lewy body disease:LBD)という概念を提唱されました(小阪憲司ら、精神神経学雑誌 82号: 292-311, 1980)。LBDにはgroup A (diffuse type, = びまん性レヴィ小体病)、group B (transitional type)、group C (brain stem type, = パーキンソン病)の3タイプに分かれ、のちにcerebral typeが追加されました。脳幹型のパーキンソン病はDaTSCANで必ず集積低下がありますが、レヴィ小体型認知症(Dementia wiht Lewy bodies:DLB)では集積低下がない例もあります。cerebral typeが該当すると思われます。
1995年第1回国際ワークショップで、レヴィ小体型認知症(dementia with Lewy bodies: DLB)の名称と臨床診断基準が提唱されました。こちら。
DLBの診断基準は、核医学検査が重要視されるようになりました。パーキンソン病でも同様です。
認知症を伴うパーキンソン病(Parkisnon's disease:PDD)とDLBを分ける基準は1-year ruleです。しかし科学的根拠に乏しい基準であるため、1-year ruleを使わずにパーキンソン病としたらどうかという意見もあります。確かに、アミロイドPETでDLBの方がPDDより集積が多い、病理でもDLBの方がAlzheimer病理の併存が多い、PDDの黒質の神経細胞脱落はDLBより高度と量的な違いはありますが、両者に質的な差があるという証拠はありません。
しかし私は1-year ruleで分けることには賛成です。例えば、DLBの特徴のひとつ、向精神薬の過鎮静はパーキンソン病では少ないです(アルツハイマー病よりは多いみたいですが)。DLBはPDDと比べ静止時振戦が少ない、左右差が目立たない、認知機能障害は強いと思います。ここにも書いてありました。
前駆状態については、アルツハイマー病で先行しています。新しい診断基準はバイオマーカーを重視しています(ただ、バイオマーカー重視の基準に批判的な論文も出ました)。
LBDにおいては、αシヌクレインが分子マーカーとなりますが、臨床実装はまだまだです。αシヌクレインもアミロイドの一種、アミロイドβはαシヌクレインより豊富かつ広範囲に分布することから、ヒトのαシヌクレインPETは最初の報告以来難渋しました。アミロイドβやタウの親和性を弱めたリガンドがいくつか開発され、18F-C05-05 PETで久々にヒトのαシヌクレイン画像を拝見できました。
DLBの前駆状態の診断基準はこちら。藤城弘樹先生のDLBの前駆症状の論文はこちら。
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