Stroke Total Care
ひきつづき、ホテルオークラ東京で開催された、Stroke Total Careに参加しました。連携についてのお話が多数出てきましたが、連携について私が見落としていた大事なお話がたくさんでてきました。ただこの研究会は撮影が許可されず、スライドをデジカメで撮らなかったので、正確にはお伝えできません。私のメモと記憶のみです。
地域脳卒中センターとプレホスピタルの連携
長崎リハビリテーション病院栗原先生より、脳卒中の地域連携のお話がありました。長崎では、脳卒中急性期の患者が専門施設に搬送されるのが52%に留まるとのこと、rt-PAを使う地域脳卒中センター、さらに高度な施設を高次脳卒中センターを作り(既存の施設が手を挙げる)、75%が専門施設に搬送されることが目標だそうです。
千葉県でも救急搬送の実態を調べなければなりません。重症例は日本医科大学千葉北総病院脳神経センターに搬送していると思うのですが、軽症例で発症2時間以内のときはどうか。倉敷市など一部地域では、救急隊のスケールがあり、血栓溶解療法の対象になる可能性がある場合は、血栓溶解療法が可能な施設に搬送する体制ができあがっているそうです。アメリカのシンシナティのスケールが有名です。これは全国の消防隊で使うべきなのではないでしょうか。
また、全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会が作成した、脳卒中地域連携パスのご紹介もありました。これは私たちの印旛脳卒中地域連携パス同様、急性期と回復期のパスが分かれている形式です。急性期の部分はなかなかよろしいのではないでしょうか。
エダラボンとアルテプラーゼ(rt-PA)の併用
日本はrt-PA使用可能になったのが欧米より遅れること約10年、しかし、エダラボンのようなラジカルスカベンジャーを併用することができるのは日本だけです。新薬の治験は選ばれた専門施設のみが行うため治療成績がよいことが多いわけですが、アルテプラーゼの場合はJ-ACTなど治験の成績と実際一般臨床での治療成績が大きく変わらないとのこと、エダラボン使用が影響しているのかもしれません。岡山大学阿部先生のご講演でした。エダラボン使用で、3ヶ月後の大腿筋の萎縮の程度に差があるようです。
脳卒中≠Brain attack
聖マリアンナ医科大学の長谷川先生のご講演です。脳卒中は医師が診断しますが、Brain attackは、医師だけでなく、消防・一般市民も診断します。脳卒中のうち、脳内出血・くも膜下出血は症状が重いので3時間以内に搬送される率が非常に高い、問題は脳梗塞です。症状が軽い場合は様子を見てしまう方が多いのです。そこで、アメリカではACT-FAST(顔・腕・言葉の異常ですぐ受診)のCMがテレビで流れています。以前書いた、荏原病院長尾先生の講演を参照ください。
札幌はrt-PA実施可能施設を公示
中村記念病院中川原先生より、札幌の例がご呈示されました。札幌市脳卒中地域連携パスネット協議会のサイトをご参照ください。rt-PA例の輪番制があるそうです。つまり、急性期施設の連携です。rt-PAができないということをいかに明らかにするか、できないならできるところにお願いする。国立循環器病センター山口先生より、脳卒中協会で、rt-PA治療の認証をやることを考えていると、お話がありました。治療成績が悪かったり血栓溶解療法の体制ができていない施設では許可がおりないのでしょうか... でも、血栓溶解療法では当然のことです。政治やメンツがからまない公正な判断を期待します。
予防
埼玉医科大学の棚橋先生より、抗血小板療法・抗凝固療法とリスクファクターに関する講演がありました。日本人の脳梗塞患者の半数が、10年以内に再発しているそうです。予防の継続は、かかりつけ医との連携です。ワーファリンでのコントロールが難しいためアスピリンに切り替えられてしまい、再発した症例もあります。服用し続けて再発がないため、ご自分で止めてしまった症例もあります。抗血小板療法・抗凝固療法の継続の必要性、リスクファクターのことを、かかりつけ医・リハビリテーション病院だけでなく、患者さんにもきちんと説明することが大事です。
脳卒中後うつ
日本医科大学の片山先生からは、誤嚥性肺炎と脳卒中後うつ(Post stroke depression、PSD)の講演がありました。私たちの印旛脳卒中地域連携パスでは、回復期のリハビリテーションが終了後、脳卒中うつを見落とさないよう、MINIというスケールでチェックするシステムになっています。
在宅リハビリテーションセンター
最後のパネルディスカッションのなかで、船橋市立リハビリテーション病院理事長石川先生よりコメントがありました。まずは、急性期病院のリハビリテーションがpoorであること、それから、回復期施設終了後、かかりつけ医や療養期施設でも継続してリハビリテーションができるような仕組みが必要であること。浅草に在宅リハビリテーションセンターがあり、在宅のままリハビリテーションが継続できるよう支援するそうです。こういったものが全国に普及していくといいのですが。
地域脳卒中センターとプレホスピタルの連携
長崎リハビリテーション病院栗原先生より、脳卒中の地域連携のお話がありました。長崎では、脳卒中急性期の患者が専門施設に搬送されるのが52%に留まるとのこと、rt-PAを使う地域脳卒中センター、さらに高度な施設を高次脳卒中センターを作り(既存の施設が手を挙げる)、75%が専門施設に搬送されることが目標だそうです。
千葉県でも救急搬送の実態を調べなければなりません。重症例は日本医科大学千葉北総病院脳神経センターに搬送していると思うのですが、軽症例で発症2時間以内のときはどうか。倉敷市など一部地域では、救急隊のスケールがあり、血栓溶解療法の対象になる可能性がある場合は、血栓溶解療法が可能な施設に搬送する体制ができあがっているそうです。アメリカのシンシナティのスケールが有名です。これは全国の消防隊で使うべきなのではないでしょうか。
また、全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会が作成した、脳卒中地域連携パスのご紹介もありました。これは私たちの印旛脳卒中地域連携パス同様、急性期と回復期のパスが分かれている形式です。急性期の部分はなかなかよろしいのではないでしょうか。
エダラボンとアルテプラーゼ(rt-PA)の併用
日本はrt-PA使用可能になったのが欧米より遅れること約10年、しかし、エダラボンのようなラジカルスカベンジャーを併用することができるのは日本だけです。新薬の治験は選ばれた専門施設のみが行うため治療成績がよいことが多いわけですが、アルテプラーゼの場合はJ-ACTなど治験の成績と実際一般臨床での治療成績が大きく変わらないとのこと、エダラボン使用が影響しているのかもしれません。岡山大学阿部先生のご講演でした。エダラボン使用で、3ヶ月後の大腿筋の萎縮の程度に差があるようです。
脳卒中≠Brain attack
聖マリアンナ医科大学の長谷川先生のご講演です。脳卒中は医師が診断しますが、Brain attackは、医師だけでなく、消防・一般市民も診断します。脳卒中のうち、脳内出血・くも膜下出血は症状が重いので3時間以内に搬送される率が非常に高い、問題は脳梗塞です。症状が軽い場合は様子を見てしまう方が多いのです。そこで、アメリカではACT-FAST(顔・腕・言葉の異常ですぐ受診)のCMがテレビで流れています。以前書いた、荏原病院長尾先生の講演を参照ください。
札幌はrt-PA実施可能施設を公示
中村記念病院中川原先生より、札幌の例がご呈示されました。札幌市脳卒中地域連携パスネット協議会のサイトをご参照ください。rt-PA例の輪番制があるそうです。つまり、急性期施設の連携です。rt-PAができないということをいかに明らかにするか、できないならできるところにお願いする。国立循環器病センター山口先生より、脳卒中協会で、rt-PA治療の認証をやることを考えていると、お話がありました。治療成績が悪かったり血栓溶解療法の体制ができていない施設では許可がおりないのでしょうか... でも、血栓溶解療法では当然のことです。政治やメンツがからまない公正な判断を期待します。
予防
埼玉医科大学の棚橋先生より、抗血小板療法・抗凝固療法とリスクファクターに関する講演がありました。日本人の脳梗塞患者の半数が、10年以内に再発しているそうです。予防の継続は、かかりつけ医との連携です。ワーファリンでのコントロールが難しいためアスピリンに切り替えられてしまい、再発した症例もあります。服用し続けて再発がないため、ご自分で止めてしまった症例もあります。抗血小板療法・抗凝固療法の継続の必要性、リスクファクターのことを、かかりつけ医・リハビリテーション病院だけでなく、患者さんにもきちんと説明することが大事です。
脳卒中後うつ
日本医科大学の片山先生からは、誤嚥性肺炎と脳卒中後うつ(Post stroke depression、PSD)の講演がありました。私たちの印旛脳卒中地域連携パスでは、回復期のリハビリテーションが終了後、脳卒中うつを見落とさないよう、MINIというスケールでチェックするシステムになっています。
在宅リハビリテーションセンター
最後のパネルディスカッションのなかで、船橋市立リハビリテーション病院理事長石川先生よりコメントがありました。まずは、急性期病院のリハビリテーションがpoorであること、それから、回復期施設終了後、かかりつけ医や療養期施設でも継続してリハビリテーションができるような仕組みが必要であること。浅草に在宅リハビリテーションセンターがあり、在宅のままリハビリテーションが継続できるよう支援するそうです。こういったものが全国に普及していくといいのですが。
コメント