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沖縄県南部保健医療圏脳卒中医療連携システム結成大会

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 沖縄県医師会会館で開催された、沖縄県南部保健医療圏脳卒中地域連携システム結成大会にお招きいただきました。脳卒中地域連携パスの講演をしたわけですが、 沖縄県の医療体制の充実は医療崩壊の千葉県とは雲泥の差 があります。今回の沖縄県南部は人口約70万人、ちょうど印旛保健医療圏と同じです。リハビリテーション病院数は、前者21施設、後者1施設... 21施設もあっても、経営難の施設は全然ないそうですぞ。1票の格差がよく問題になりますが、病院数・医師数・看護師数の格差は問題にしなくてよいのでしょうか。  沖縄赤十字病院高良英一先生からは、沖縄県南部保健医療圏脳卒中医療連携についてのご講演がありました。脳卒中は長い機能不全とつきあっていかなければならず、地域全体で支える必要があります。今回作成されたパスシートは、 沖縄県医師会のサイト からダウンロードできます。連携パスを通じて、沖縄県の脳卒中登録事業を再開させたいとのことでした。沖縄県は、以前は長寿で有名でしたが、今は、食生活の欧米化で40歳代の脳卒中・冠動脈疾患が多いそうです。沖縄県の食生活の欧米化は、他の地域の比ではないでしょう。こんなところにも基地問題が...

松戸コムタン錠学術講演会

ザ・クレストホテル柏で開催された、松戸コムタン錠学術講演会に出席しました。福岡大学坪井義夫先生より、パーキンソン病の治療と、 Perry症候群 の講演がありました。ドパミンアゴニストとL-DOPAが中心ですが、今後は、Duodopaやapomorphineなど新しい治療法が期待されます。Perry症候群は睡眠時の無呼吸など重篤な経過をとる遺伝性のパーキンソン病です。 DCTN1のmutation がわかっています。世界に8家系、そのうち九州に4家系だそうです。TDP-43が蓄積します。

研究倫理に関する講習会

日本医科大学千葉北総病院 で開催された、研究倫理に関する講習会に参加しました。2008年7月31日に改正された、「 臨床研究の倫理指針 」で、臨床研究の従事者に義務づけられているものです。日本医科大学千葉北総病院治験推進室のサイトは こちら 。日本医科大学千葉北総病院は、日本医科大学千葉北総病院治験推進室長を兼ねる集中治療室の畑先生を中心に、臨床研究を実施するための環境を整えてくれているので、非常に助かります。倫理委員会や薬物治験審査委員会も頻回に実施されています。

第66回千葉北総神経放射線研究会

日本医科大学千葉北総病院で開催された、第66回千葉北総神経放射線研究会に参加しました。診断に苦慮している画像を元新潟大学放射線科教授の伊藤壽介先生にご覧いただく会です。小児の、シルビウス裂にできた髄膜腫、脳梁欠損、PRES、etat crible、小脳無形成など、1施設ではなかなか経験できない症例報告がありました。

第1回千葉北脳卒中地域連携パス研究会

ウィシュトンホテルユーカリで開催された、第1回千葉北脳卒中地域連携パス研究会を開催しました。 印旛脳卒中地域連携パス の会議です。人数では 1月の第1回千葉県脳卒中連携の会 にはかないませんが、かなりつっこんだ議論ができました。議事録が完成しましたら、 印旛脳卒中地域連携パスのサイト にアップします。千葉県共用パスの発行は、急性期病院でも慣れれば簡単のようです。回復期では各部門とも好評で、特にMSWは効率的になったようです。開業医にはまだ普及していませんが、今後は急性期病院から回復期施設を経ずにかかりつけ医に戻った場合も千葉県共用パスを使うようにする必要があります。しかし、ご開業の先生方にとっては、千葉県共用パスは情報量が多すぎる、というご意見もありました。

「千葉県共用地域医療連携パス」の普及に関するシンポジウム

 千葉市文化センターで開催された、千葉県医師会・関係病院・県の恊働による「千葉県共用地域医療連携パス」の普及に関するシンポジウムに出席しました。日本医科大学千葉北総病院は、糖尿病・脳卒中・心筋梗塞・ガンのパスはいち早く運用されていましたが、各医局が主動でした。連携って、ようは急性期病院の患者は減りますから、単純に考えると病院には収益減少につながります。しかし、県共用パスで行政もからむようになると、病院も協力的になりました。 印旛脳卒中地域連携パス でも入院日数は減少しましたが、日本医科大学千葉北総病院脳神経センターは脳卒中ケアユニット加算があり、それ以外のベッドが空いていることで、14日間限定の脳卒中ケアユニットベッドが有効利用できます。  脳卒中は、 1月に県全体会議を成功させました 。ただ、脳卒中地域連携パスは接着パスがメインですごろく型。糖尿病や心筋梗塞のような循環型パスは、「パス」のメリットがよく生かされている印象でした。  ご開業の先生方が連携パスに望むのは、再発や合併症による急変時にパスを発行した病院が無条件に引き受けてくれること。心筋梗塞では9割の患者さんが社会復帰可能とのこと。脳卒中の場合は、再発ならパスを発行した脳外科が引き受けられますが、誤嚥性肺炎だと内科にお願いしなければなりません。しかし、3次救急の内科医は冠動脈のインターベーションなどそれぞれの専門分野があるわけで、肺炎の専門家がいるわけではありません。となると、病院によっては脳外科医が肺炎を見ている所もあります。合併症を見ていただける1〜2次救急病院にご協力いただかなければなりません。しかし千葉県の場合は、1〜2次救急病院が周囲にない地域もあります。  というような問題点が明確になるのも、脳卒中地域連携パスの利点です。

第30回「神経内科を語る会」

  新松戸中央総合病院 で開催された、第30回「神経内科を語る会」に出席しました。  松戸神経内科の北野先生からは、 meralgia paresthetica の2例が提示されました。 lateral femoral cutaneous nerve は大腿神経の枝ではなく、L2・L3から直接出る神経とか。 inguinal ligament と anterior superior iliac spineが作るトンネルを通る。 Entrapment neuropathy と考えられている。妊婦や肥満で多いのですが、本日の例は、 イチローパンツ をはき続けた方と、腰痛用ベルトを使っていた方。テグレトールなどが無効で、患側を上に、大腿を屈曲させた姿勢を続けることで治ったそうです。  慈恵医大柏病院からは、 抗NMDA受容体抗体関連脳炎 の症例が提示されました。卵巣の奇形腫が原因になることが多く、感染などを契機にBBBを通過して発症するようです。ペンシルバニア大に抗体検査を頼むようです。

第1回Gold-QPD赤坂カンファレンス

 赤坂クリニックで開催された、第1回Gold-QPD赤坂カンファレンスに出席しました。川並汪一を中心に、アルツハイマー病の治療に中医学を導入する目的で作られたのがGold Cupid for Dementia Plan(Gold-QPD)です。  本日は、エーザイ株式会社ガバメント・リレーションズの葛西美恵先生より、イギリスの医療制度についてのご講演を拝聴しました 。National Institute for Health and Clinical Excellence(NICE、国立医療技術評価機構) が作るガイダンスを元に保険診療が決まるというもので、evidence based medicineの他に、費用対効果も考慮しています。コスト/ Quality adjusted life year(QALY) を採用基準にしているとか。いい薬でも、効果の割に高額だと採用されないということです。イギリスは基本的に医療は原則無料ですが、かかりつけ医にかかるにも予約して順番待ち、保健医療サービスは保険省からNational Health Service(NHS)に与えた予算の範囲内で行われる、つまり誰がその治療に入れば、誰かが押し出されるということみたいです。風邪を引いて予約すると2ヶ月待ち... ただし、その他に自由診療もあるようです。  医療費は無料、通常の外来はかかりつけ医が担当、ガイドラインに基づいた診療、というと、聞こえがいいのですが、現状はやはり厳しいです。例えば、2008年8月には、NICEが腎細胞がん治療の抗がん剤4剤全てを否定したため、がん患者が生きる権利を主張し抗がん剤使用を求め抗議デモを行いました。結局基準を緩和されたとか。医療経済はむずかしいです。  その後、場所を隣の Nouvelle Ére Hokkaido に移し、さらに議論が白熱するのでした。

日本医科大学医師会産業医研修会

 日本医科大学橘桜会館で開催された、日本医科大学医師会産業医研修会を受講しました。日本医科大学ならではの内容でした。  老年内科の中野博司先生からは、中高年の健康管理に関する講演がありました。加齢変化は個人差がありますが、臓器間でも違うのです。高齢者総合的機能評価(CGA)については こちら 。  眼科の小野眞史先生からは、ドライアイのお話がありました。点眼薬の防腐剤は、重症のドライアイでは角膜をさらに傷つけてしまうのですね。  小児科/遺伝診療科の右田真先生からは、育児不安のなかでも遺伝カウンセリングについての実例が示されました。遺伝子治療、遺伝子が作る酵素補充療法といった最新の治療の一方、究極の個人情報である遺伝子情報からわかる未来をクライアントに説明する困難。プロフェッショナルの仕事です。  元公衆衛生教授の南正康先生からは、疲労物質に関する研究が解説されました。ジアセチルトリプタミンと還元メラトニン。アデノシンとどう絡むか、興味あるところです。  感染制御室看護師長の藤田昌久さんから、インフルエンザ対策として、マスク・手洗いなどの実践が講義されました。日本医科大学付属病院のような高度先進医療を担う病院は、感染対策がなされていることが義務づけられているそうです。藤田さんは、私が救命救急センターで研修したときにご一緒したことがありました。

千葉県共用地域連携パスワーキンググループ第4回脳卒中部会

千葉県医師会で開催された、千葉県共用地域連携パスワーキンググループ第4回脳卒中部会に出席しました。パスシートは完成し、急性期病院と回復期リハビリテーション病院の連携は進展しました。しかし、地域によってはリハビリテーション病院がなく、急性期病院で長期に診療しているところもあるし、印旛地区もそうですが、在宅リハの体制が整っていない地域が多いことが問題として残りました。パスシートを作るくらいはメンバーだけで何とかなりますが、病院を作るのは無理...

病名くんとふくろうくん

ICD10がわかる病名くんと、DPCがわかるふくろうくんは、 こちら 。