第1回Gold-QPD赤坂カンファレンス

 赤坂クリニックで開催された、第1回Gold-QPD赤坂カンファレンスに出席しました。川並汪一を中心に、アルツハイマー病の治療に中医学を導入する目的で作られたのがGold Cupid for Dementia Plan(Gold-QPD)です。
 本日は、エーザイ株式会社ガバメント・リレーションズの葛西美恵先生より、イギリスの医療制度についてのご講演を拝聴しました。National Institute for Health and Clinical Excellence(NICE、国立医療技術評価機構)が作るガイダンスを元に保険診療が決まるというもので、evidence based medicineの他に、費用対効果も考慮しています。コスト/Quality adjusted life year(QALY)を採用基準にしているとか。いい薬でも、効果の割に高額だと採用されないということです。イギリスは基本的に医療は原則無料ですが、かかりつけ医にかかるにも予約して順番待ち、保健医療サービスは保険省からNational Health Service(NHS)に与えた予算の範囲内で行われる、つまり誰がその治療に入れば、誰かが押し出されるということみたいです。風邪を引いて予約すると2ヶ月待ち... ただし、その他に自由診療もあるようです。
 医療費は無料、通常の外来はかかりつけ医が担当、ガイドラインに基づいた診療、というと、聞こえがいいのですが、現状はやはり厳しいです。例えば、2008年8月には、NICEが腎細胞がん治療の抗がん剤4剤全てを否定したため、がん患者が生きる権利を主張し抗がん剤使用を求め抗議デモを行いました。結局基準を緩和されたとか。医療経済はむずかしいです。

 その後、場所を隣のNouvelle Ére Hokkaidoに移し、さらに議論が白熱するのでした。

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