「千葉県共用地域医療連携パス」の普及に関するシンポジウム

 千葉市文化センターで開催された、千葉県医師会・関係病院・県の恊働による「千葉県共用地域医療連携パス」の普及に関するシンポジウムに出席しました。日本医科大学千葉北総病院は、糖尿病・脳卒中・心筋梗塞・ガンのパスはいち早く運用されていましたが、各医局が主動でした。連携って、ようは急性期病院の患者は減りますから、単純に考えると病院には収益減少につながります。しかし、県共用パスで行政もからむようになると、病院も協力的になりました。印旛脳卒中地域連携パスでも入院日数は減少しましたが、日本医科大学千葉北総病院脳神経センターは脳卒中ケアユニット加算があり、それ以外のベッドが空いていることで、14日間限定の脳卒中ケアユニットベッドが有効利用できます。
 脳卒中は、1月に県全体会議を成功させました。ただ、脳卒中地域連携パスは接着パスがメインですごろく型。糖尿病や心筋梗塞のような循環型パスは、「パス」のメリットがよく生かされている印象でした。
 ご開業の先生方が連携パスに望むのは、再発や合併症による急変時にパスを発行した病院が無条件に引き受けてくれること。心筋梗塞では9割の患者さんが社会復帰可能とのこと。脳卒中の場合は、再発ならパスを発行した脳外科が引き受けられますが、誤嚥性肺炎だと内科にお願いしなければなりません。しかし、3次救急の内科医は冠動脈のインターベーションなどそれぞれの専門分野があるわけで、肺炎の専門家がいるわけではありません。となると、病院によっては脳外科医が肺炎を見ている所もあります。合併症を見ていただける1〜2次救急病院にご協力いただかなければなりません。しかし千葉県の場合は、1〜2次救急病院が周囲にない地域もあります。
 というような問題点が明確になるのも、脳卒中地域連携パスの利点です。

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