第12回Vascular Forum in Cardiology

新宿文化クイントビルのファイザー(株)本社 18階会議室で開催された、第12回Vascular Forum in Cardiologyに出席しました。

国立循環器病研究センターの安斉俊久先生からは、acute coronary syndrome(ACS)と炎症について。循環器の学会や研究会で感じるのは、脳卒中と比べると学問として成熟していること。
内臓脂肪については、こちら。冠動脈に沿って心臓の脂肪は蓄積、ACSと関連と。心筋梗塞後の発熱はこちら
発熱が、リモデリングが予測できるなど、予後と関連と。CRPが心筋梗塞の進展と関連があるという安斉先生の論文はこちら
major adverse cardiac events(MACE)がAKI・CKDなど腎障害と関連、これも炎症が関与している。造影剤腎症の論文はこちら。atorvastatinの高容量投与で腎保護と。
炎症と心不全の総説はこちら

岐阜大学の吉村紳一先生は、頚動脈狭窄に対する内膜剥離術(CEA)とステント術(CAS)についてのご講演でした。
内頚動脈の高度狭窄が原因で脳梗塞になる場合、還流圧低下によるwatershed infarctionを思い浮かべますが、実は冠動脈同様、プラーク破綻による血栓塞栓が原因になっていることが圧倒的に多いそうです。意見交換会でお聞きしたところ、国循で病理学的に確認されたようです。
頚動脈ECHOで見られるJelly fish sign(動くプラーク)は危ないソフトプラーク。MRI Black Blood法では動脈壁を撮像しますが、T1強調画像で高信号を呈するプラーク内出血は不安定プラークのマーカーとなります。通常読影でも分かりますが、近くにある胸鎖乳突筋と信号強度を比較すると分かりやすい。TOF-MRAでもプラークが白く見えることがあり、プラーク内出血を示唆。このときCAS実施でステントの自己拡張により後にシャワーエンボリになった症例が提示されました。吉村先生のStroke論文はこちら。プラーク診断の重要性を強調されました。
日本ではCASの件数がCEAの2倍。吉村先生のようにCASもCEAもできる先生はCEAを優先しますが、CASしかやらない施設もある。欧米は、EVA3S・SPACE・ICSSといった臨床試験からCEAが優勢。CEA高リスク群ではCASはCEAと同等。SPPHIRE。CRESTでも。石灰化が強い固いプラークや、ソフトプラークはCEA、その中間はCASまたはCEAですが、日本はMRIが普及しているので、プラーク診断で術式の選択がありうる。
どうしてもソフトプラークに対してCASの時、reversal flow法。MO.MA Deviceの臨床試験、ARMOURはこちら
スタチンでプラーク安定化を狙った論文はこちら。Radiologyの論文はこちら。CAS術前のスタチンの効果についても検討中だそうです。AB-CAS。
吉村紳一先生と

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