第5回文京脳卒中マネジメントフォーラム


ホテルメトロポリタンエドモントで第5回文京脳卒中マネジメントフォーラムを開催しました。

筑波大学鶴田和太郎先生からは、clot retrieverのご講演。

虎の門病院などで積まれた豊富なご経験に基づくお話が私にも勉強になりました。まず、再開通が重要であることを強調されました。特にMCA M2は効果あり。当直帯でも治療方針の統一を図れるよう、治療プロトコルの設定が重要と。虎の門病院はMRI first、DWI clinical mismatchとASPECT≥6で血管内治療が考慮されると。ただ、症例ごとに治療法は選択すべきで、血行再建直後の血管撮影で狭窄部や遠位の閉塞が見つかれば、さらに治療戦略を再検討されるそうです。特に側複血行が豊富な症例では、むしろ粘って再開通を試みるそうで。

penumbraは柔らかい血栓に適してます。penumbraは054のカテの吸収がいいと。


Loop-extractionを使った鶴田先生の論文はこちら

大阪大学北川一夫先生からは、脳卒中の内科治療についてのご講演でした。

t-PAのtherapeutic windowが4.5時間に延長されたのですが、2012年10月に公表された治療指針では、適応の変更もされました。詳細はこちら。脳梗塞既往が3ヶ月以内禁忌が1ヶ月以内に、年齢は75歳から81歳以上が慎重投与に、NIHSSは23から26以上が慎重投与に、軽症例や急速改善例は実施しないことになっていましたが慎重投与に、脳動脈瘤・頭蓋内腫瘍・AVM・もやもや病は禁忌でしたが慎重投与に。なんと言っても、全例本人・家族の同意が必要だったのが、適用例の場合代諾者が不在でも実施できるようになりました。

アルテプラーゼに次いで、より安全に使用できるtenecteplaseやdesmoteplaseの臨床研究が進んでいます。

MRIで適応を決めるDEFUSE 2はこちら

脳はtissue factorが意外と多い。ワルファリンと違い、新規抗凝固薬は第VII因子を押さえないので出血が少ない。

アジア人は出血が多い。抗血小板剤の併用は要注意。

北川先生のOSACA 2 studyはこちら。IMTとIL-6の関連はこちら。CAS時のIL-6の研究はこちら
Arteriogenesisの研究はこちら



来年の第6回文京脳卒中マネジメントフォーラムは小生が当番世話人です。

第4回文京脳卒中マネジメントフォーラムの模様はこちら

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