第7回川口脳卒中地域連携研究会

川口市民ホールで、第7回川口脳卒中地域連携研究会が開催されました。
脳卒中地域連携パスの講演をさせていただきました。東京区部・日本医科大学付属病院で脳卒中地域連携パスが普及しない現状、しかし、それは健全な医療資源があるから。で、リハビリ病院にstroke care unitのカンファレンスにご参加いただき、人の交流で連携を強化しました。でも、新規抗凝固薬など高額な薬剤は医療連携で継続できない。最近はリハビリ病院の先生方もワルファリンのコントロール、お得意ですから。

川口市立医療センターの荒木俊彦先生からは、川口や埼玉県の脳卒中地域連携パスの状況が提示されました。やはり浸透しています。新規抗凝固薬で在院日数が減ったそうです。

戸田中央リハビリテーション病院佐藤信也先生からは、機能回復についてのご講演でした。Brunnstrom stageは以下。

(Brunnstrom S: Movement therapy in hemiplegia; A neurophysiological approach. Harper & Row, New York, 1970.) 片麻痺の評価法。

ステージ 上肢・下肢 手指
I 動きなし(弛緩麻痺) 動きなし(弛緩麻痺)
II 連合反応 わずかに握る
III 共同運動 握れるが開けない
IV 分離運動の開始 横つまみ・わずかな伸展
V 個別的な関節運動可能 色々なつまみ・伸展可能
VI 全運動可能 全運動可能

これが、回復の過程を示しています。弛緩している状態が痙性麻痺になる理由がよくわかりました。

連携の会で重要なのが、その後の情報交換会。千葉の医療も厳しかったですが、埼玉も大変な状況であることがよくわかりました。特老で認知症患者が脳卒中になったら、そこのスタッフが病院に電話をかけまくって探すそうですが、ご高齢だとどこも引き取っていただけないと。急性期病院は回復期に依頼しても早くて2週間待ち。

東京だと90歳以上のtPAも当たり前だし、リハビリ転院もそんなに困らない。急性期病院のベッドが空かなくても、他に病院がたくさんある。脳卒中は消防庁がリアルタイムに各病院の受け入れ状況を把握するから、脳卒中はたらい回しなし。

川を隔てるだけで、ずいぶん違います...

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