付属病院クリニカルパス大会


日本医科大学橘桜会館で付属病院クリニカルパス大会が開催されました。
日本医科大学付属病院院長福永慶隆先生より、新病院に向けてのクリニカルパスの重要性を強調した開会のご挨拶の後、クリニカルパス委員会委員長の金沢義一先生より、院内の現状報告とアンケート結果が報告されました。医師の協力が得られないと、なかなか進みません。


山田岳史先生からは、クリニカルパスの「基礎」の講演がありました。標準的な医療を提供すること、在院日数の適正化、チーム医療の実現など、クリニカルパスにはメリットがあります。何より、アウトカムの評価など、医療がデータ化され、改善が容易になる。そしてパスを作りっぱなしにせず、バリアンスを検討し改善していくのが大事と。例えば外科手術で、糖尿病や抗凝固薬服薬例はバリアンスになりがちなので、これらは別にパスを作ればよいと。

以下私見。
 脳梗塞のクリニカルパスは全員違った経過をとります。同じラクナ梗塞でも病巣の位置でもかわってくるし、stroke in evolutionもあるし... tPAも溶ける場合と溶けない場合があるし、その後血管内治療にいく場合もあるしいかない場合もある。診断も単純ではない。そこで、私が日本医科大学千葉北総病院のstroke care unitで考えついたのは、ブロック式のクリニカルパスでした。入院直後は混沌としがちなので、通常の薬物療法になる患者は決まった薬物治療パスを発行。看護部は看護部で、重症度に応じた看護パス。嚥下障害がある場合は嚥下パス。最後は脳卒中地域連携パスでリハビリテーション病院へ。と組み合わせて使ってました。これが、電子カルテのクリニカルパスになると応用できず... 軽いラクナ梗塞のパスならできそうですが、3次救急では少ないケース... でも、北総病院時代に山田先生に言われました。「とりあえず作ってみたらどうですか。それを修正していけばよいのです。」
 それから、付属病院内科でクリニカルパスが普及しない理由。医師がたくさんいるから、効率化しなくても何とかなる。みんなカルテをたくさん書くのが好きみたいし。

最後に、クリニカルパスを積極的に使用した病棟の表彰がありました。眼科・泌尿器科・消化器外科・腎臓内科など、クリニカルパスが作りやすい診療科かどうかも影響しているかもしれませんが、医師の協力体制も影響していますね。最後の福永院長の言葉が辛らつでしたね。「今いる古い医師がやめれば推進する...」

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