第2回勝浦地区エリア講演会


塩田病院で開催された第2回勝浦地区エリア講演会で講演をしました。

高齢化社会を迎えるわけですが、具体的な数値がいくつか公表されました。平成25年人口動態統計の概況はこちら(具体的な数値をダウンロードでき、自分好みのグラフを作成可能です)。
 脳卒中は死亡原因4位に後退しましたが、要介護の原因は相変わらず1位であり、特に介護度が上がると多くなります。高齢化の波は東京都にも押し寄せてきますが、高齢者の割合は全国でも低い。しかし、元々の人口が多いので、実数でいうと2010年から2040年に75歳以上の方が約80万人も増える。これは徳島県の全人口に匹敵。国立社会保障・人口問題研究所のサイトはこちら日本創成会議からは、2040年までの医療レベル・介護用ベッドを視点に全国の医療・介護の受け入れ能力を調査しています。日本医科大学付属病院のある文京区は、救急の医療レベルは全国平均(余裕ある方かと思っていましたが)、介護用ベッドの準備はかなり不足... そう思っていたら、このデータを参考にされたのか、政府は病院ベッド削減可能と推計... こちら。東京都は、病院を増やすわけにはいかないので、採択医療を推進。こちら

そんななか、私たち脳卒中屋は、さらに高齢化を推進してしまうかもしれない、Clot Retrieverにevidenceが発表されてしまったのでした。Prabhakaran S. et al., JAMA 2015; 313 (14) 1451-1462の総説にHonolulu ShockとNashville Hopeの各研究が表に並んでいます。そして、各施設はtPAやClot Retriever開始・再開通までの時間短縮の競争中。こちら。ただこういった治療は、脳卒中全体のごく一部。リハビリテーション・誤嚥性肺炎や褥創の予防・栄養・退院支援など、メディカルスタッフの活躍する分野は全ての患者が恩恵を受ける。時間短縮もメディカルスタッフの協力は必須。

ということで、各医療機関が地域に応じた脳卒中診療体制の現状を検証し改善することが重要です。

そのためにも、塩田病院にデータベースを立ち上げてきました。仕事を増やしてすみません...

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