第8回さいたま脳卒中地域連携研究会

 大宮パレスホテルで開催された、第8回さいたま脳卒中地域連携研究会で脳卒中地域連携パスに関する講演をいたしました。とはいっても、埼玉県は全国にさきがけ地域で統一した脳卒中地域連携パスを運用している地域、私の方が勉強させていただきました。
 川口市立医療センター荒木先生からは、電子カルテ上の脳卒中地域連携パスの運用について発表がありました。入院時に「埼玉県脳卒中地域連携パス」に沿った治療を行うことをご説明するそうです。また、診療情報提供書と脳卒中地域連携パスのPDFがリンクしていて、診療情報提供書に書いた内容がパスに反映されるようになっていました。これらは同院の医療情報室の方が作ったとか。恐れ入ります。
 また、希望病院天草先生から、回復期の入院患者の高齢化・重症化についての発表がありました。埼玉県ではmodified Rankin Scaleが5に相当する重症の方は、回復期ではなく直接療養型にいくことも多いそうです。
 私の講演後に、ハーモニークリニックの中根先生から、在宅医療に関してご意見をいただきました。中根先生はクリニックのサイトにあるように、大規模に在宅医療をなさっています。厚生労働省は在宅医療を目指していますが、介護する家族・在宅医療のスタッフは疲弊しています。例えば肺炎などのとき、引き続き在宅で治療するのではなく、急性期病院に「在宅用病床」を設けてその間の治療を急性期病院で行うと、その間に患者家族は休めますし、在宅医療も元気になる。さいたま市の例を教えていただきました。これまでは連携パスの枠組みで、療養期・かかりつけ医の段階でのリハビリテーションの継続など結局脳のことばかり考えていました。現実は肺炎や褥創など脳以外の問題が多いわけで、そこも支援する体制の重要性を実感しました。日本医科大学千葉北総病院脳神経センターがこの機能を担うのは不可能なので、周辺地域の病院で、どなたかやっていただけませんか?

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