平成20年度千葉県医師会勤務医部会

 千葉県医師会大会議室で開催された、平成20年度千葉県医師会勤務医部会総会および講演会に参加しました。
 東京女子医科大学第1生理学の川上順子先生からは、女性医師の勤務継続についての講演がありました。出産・育児・学童保育・病児保育を抱える働き盛りの女性医師をサポートする体制、同僚が感じる不公平感をなくす勤務体制(給与減額など)などのお話でしたが、男女ともに育児に参加する欧米では存在しない問題だそうです。
 ついで、医療連携に関するシンポジウムがありました。これまでは、脳卒中地域連携パスに関する話ばかり聞いておりましたが、他の疾患の状況の話は大変勉強になりました。亀田メディカルセンター産婦人科の鈴木真先生からは、周産期ネットワークとコーディネーターの導入についての講演でした。千葉県でも分娩を取り扱う医療機関が2/3に減少、県外への搬送も多かったようです。今回のシステムにより、搬送決定が短時間となり、県外への搬送も減少したそうです。千葉県循環器病センター小野純一先生からは、脳卒中診療の問題の講演がありました。千葉県は、脳神経外科や神経内科を少人数で運営している施設が多く、血栓溶解療法ができる病院が限られること、回復期リハビリ病院が少ないこと、地域格差があることなどが示されました。分散している人員を集約してセンター化することも必要でしょう。次回の脳卒中学会で千葉県内の血栓溶解療法の実態について報告する予定でしたが、前倒しでレポートを作成する必要がありそうです。千葉県健康福祉部健康福祉政策課野村隆司課長から、今回の千葉県共用連携パスの状況のお話がありました。医療連携パスに行政がこれだけ熱心にサポートしている地域はそうないと思います。各連携パスは近々県庁のサイトからダウンロードできるようになりそうです。西船内科篠宮正樹先生からは糖尿病連携パス、帝京大学ちば総合医療センター中村文隆先生からは心筋梗塞連携パスのお話がありました。脳卒中地域連携パスとの違いは、回復期リハビリ病院がないことでしょう。しかしリスクファクター管理では共通の部分が多いですから、かかりつけ医にとっては、脳卒中も糖尿病も心筋梗塞も共通のフォーマットになることが理想です。しかし、脳卒中はリハビリテーションや介護施設など、いろいろな業種が関与することから、特化した部分がどうしても必要です。総合討論でもさまざまな問題がクローズアップされました。来年度も課題が山積です...

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