千葉パーキンソン病ワークショップ1

 ホテルグリーンタワー千葉で開催された、千葉パーキンソン病ワークショップに出席しました。
 東海大学高橋裕秀先生からは、パーキンソン病治療における高橋先生自身の戦略・治療目標の講演がありました。5年・10年ではなく、30年くらいの長期的な視野を持て、とのことでした。
 パーキンソン病治療ガイドラインは、イギリスNational Institute for Health and Clinical Excellenceのガイドラインがあります。一方で、「パーキンソン病を治す本ー薬を使わない画期的治療でよくなる人が続出!」なんていう本もあります。しかし、その著者は、患者・社会に対して、Commitmentがあるのか。
 また、L-DOPAは長期使用でon-offがでたりジスキネジアが出るということで、初期は敬遠されがち、開始も先延ばしされがちです。しかし、いよいよ薬がなくなってから使用、というより、ADLに問題がない状態に保つ、仕事もできるような状態に保つことが大事だということです。薬代が高く医療経済を圧迫、と考えるのではなく、就労できれば税金を払っていただける。必要ならL-DOPAも積極的に使用するそうです。
 そこで問題になるのはジスキネジア。ただ、日本で見るジスキネジアは国際学会の動画で見るジスキネジアの程度とは被殻にならないほど軽い。これは、専門医は年1回の診察、基本的にgeneralistが診察するシステムになっていて、例えばL-DOPAの増量も、50mgー100mgー300mgー600mgというような、大雑把に調節するからだそうです。日本は、専門医が毎回診察しますし、50mgづつ、あるいは服用回数を増やしたりして調節します。日常生活に問題のあるジスキネジアは体力を消耗させるので、避けるべきです。アメリカでは、空腹時のL-DOPA服用が推奨されていますが、血中濃度の上昇が急峻になり、on-offやジスキネジアが出やすくなります。食後がなだらかになっていいそうです。症状のダイアリーを活用されるとよいそうです。野川先生・服部先生と開発された、MASAC-PD31は、多忙な外来診療で短時間で患者の症状を把握するのに便利です(使用経験ありますが、次の外来までに患者さんにチェックしいただくと、把握していなかった症状がよくわかります)。
 初期の"neuroprotection"にも言及されました。これまで数々の論文がでましたが、今は"neuroprotection"は誰も信じておらず、「disease modification」というようになっているそうです。また、PET・SPECTを用いて"neuroprotection"を証明したとする論文もいくつかありますが、これらneuroimagingで"neuroprotection"を評価するは困難、という論文が出ています。
 Appleなど、患者さんたちの交流や若い医師の教育などにも力をそそいでいらっしゃいます。InCliPSには患者さんは入っていませんが、今後は考えていくべき事業です。

コメント

Unknown さんの投稿…
新聞報道でこのサイトの存在を知りました。
「@からだ」といいます。
おくすりアラームなどの機能があり「薬の飲み忘れ」が生じないよう事前に服用時間を登録をしておくと、メールにてお知らせてくれます。

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一番良いのは、医師や薬剤師にジェネリックの交換を依頼してもらえる様なメール機能があります。
自分の体調管理もしてくれます。
http://atkarada.jp/medical_examination/free

これは非常に使えるサイトです。是非推薦させてください。

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