第103回東葉臨床医学セミナー

 ウィシュトンホテルユーカリで開催された第103回東葉臨床医学セミナーで、前座として、千葉県共用の脳卒中地域連携パスの講演をしました。昨年のこの会での講演で、宇都宮高校陸上部の先輩菅原先生とお会いし、その後の旧友達ライバル(というか遠い存在)との再会につながったのでした。印旛脳卒中地域連携パス(InCliPS)は、多くの医療機関のご協力により、活発に運用されています。もうじき、県共用パスに移行します。県共用パスのうち、地域生活期に使用する「診療経過表」について、東邦大学白井先生より、ガン・糖尿病・心筋梗塞とパスができているが、かかりつけ医にとっては迷惑、統一できないか、とのご意見を頂戴しました。少なくとも、脳卒中地域連携パスのリスクファクターのシートは、糖尿病・心筋梗塞と統一できると思います。今は分離しているワーキンググループが一緒になれかどうか、脳卒中地域連携パスが先行していて、運用実績も他のパスの10倍以上なので、他の疾患が脳卒中地域連携パスに同調いただくのが現実的と思います。
 千葉大学横手幸太郎先生からは、生活習慣病について、基礎研究から臨床までご講演いただきました。1950年頃、日本人の平均寿命は男女とも50歳程度でしたが、今は80歳以上。100歳を超える方も1,300人以上いらっしゃいます。しかしADLが自立されているのは約2割、4割は寝たきりの状態だそうです。あまりにも急激に高齢化が進んだ日本人は、長寿に馴れきっていないのではないか。長生きが幸福なのか?そして、自立できない原因の第一位は脳卒中。という現状をふまえ、生活習慣病はどうして起こるか。まずは食べすぎ。アカゲザルは接触制限で、死亡・動脈硬化・闘病病のみならずガンも減少するそうですsmad3が肥満や動脈硬化、血管内皮障害に関与している。褐色脂肪細胞が熱を産生(N Engl J Medに論文3つ)。Twist-1の関与間欠性跛行の原因は、ASOの他に脊柱間狭窄症Werner症候群は徐々に寿命が延びているが、statinやPioglitazoneの登場が関与?152歳まで生きたと言われているThomas Parrはベジタリアンだったらしいが、長寿で有名になりチャールズ1世に謁見、パーティつづきになったら、お亡くなりになったとか。
 懇親会では、連携パスや現在の医療現場について、つっこんだ議論ができました。

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