第19回Post stroke depression研究会

産業医研修会の後は、東京會舘で開催された、第19回Post stroke depression研究会に出席しました。東海大学付属東京病院神経内科の大熊壮尚先生からは、post stroke depressionと脳機能局在・A型行動パターンに関する研究が報告されました。いずれも有意な関連は証明できませんでしたが、左前頭葉とA型行動パターンが関連がありそうだということでした。防衛医科大学校精神科の野村総一郎先生からは、鬱病治療のアルゴリズムについて講演がありました。一部の精神科の臨床家は根拠のないさじ加減や低容量をチョコ出しすることが多く見受けられ、EBMではないことが指摘されました。これは脳卒中診療も同様です。うつ治療はSSRIが中心ですが、今度発売されるNoradrenergic and specific serotonergic antidepressant(NaSSA)であるmirtazapineも期待できそうだ、ということです。SSRIが聞かない場合は、SNRIに切り替えたり(ただしEBMはあるが臨床現場では実感がないと)三環系に切り替えたり、リチウムを上乗せしたり、非定型精神病薬を加えたり、抗うつ剤を併用したりする方法のEBMが紹介されました。この直前に書いた産業医研修会でも感じましたが、うつはやっぱり精神科の先生にお任せした方がいいと思いました。
 とはいっても、野村総一郎先生のベストセラーは、「内科医のためのうつ病診療」だそうです。


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