ゾシン発売1周年記念講演会

 東京ベイ幕張ホールで開催された、ゾシン発売1周年記念講演会に行きました。ゾシンはTAZとPIPCの合剤です。世界で一番の売り上げとか。脳卒中の連携で、転院が遅れる原因のひとつは誤嚥性肺炎ですから、勉強しようと思いまして...
 カルバペネム系抗生剤の使用量が増えると、多剤耐性緑膿菌(D2ポーリン減少型)が増える。抗菌剤は考えて処方しなければなりません。
 日本医科大学千葉北総病院呼吸器内科部長の日野光紀先生から、同院の院内肺炎の実態とゾジンの使用経験のお話がありました。MIC16以下で1日3回、32で4回。ゾシンは腸内細菌に影響しVit Kの吸収が減るのか、ワーファリンの効果が増大するそうな。
 亀田メディカルセンター臨床検査部の大塚喜人先生からは、耐性菌検出状況とアンチバイオグラムの話がありました。亀田メディカルセンターは血液培養の比率が多く、陽性だと主治医と感染症科に連絡が行く体制です。検査技師と感染症科が週1回カンファレンスを行い、お互いの専門知識を共有しているそうです。アンチバイオグラムを院内で集計されています。懇親会で日野先生にお聞きしたところ、これをやるには専用のソフトが必要とか。亀田は3次救急病院ですが、MRSAの比率が低いです。
 東北大学加齢医学研究所抗感染症薬研究部門教授の渡辺彰先生からは、市中肺炎と院内肺炎の治療と、新型インフルエンザ対策についてのご講演がありました。市中肺炎と院内肺炎のガイドラインはこちらから購入可能。抗生物質は、微生物が他の微生物を負かすために作る物質を模倣したもの。自然界の土壌には多数の菌がいて、太古から耐性菌がいるのである。実際アイスマンの体内からも耐性菌が検出されている。抗生物質を開発したから耐性菌ができたわけではないのである。ガイドラインに基づいた治療は有効率を増加する。そして、耐性菌を減らすには、できるだけ偏りのない多様な薬剤を院内に用意することが大事だそうです。PK/PD理論に基づき、最近の抗菌剤使用法は変わりました。日本のインフルエンザワクチン行政はなんとかしなければなりません。インフルエンザはタミフル・リレンザを如何に早期に投与するかで死亡率が違うようです。そして、インフルエンザの肺炎は、細菌性肺炎が意外と多いとか。肺炎球菌ワクチンの普及も日本は他国に比べ低いようです。

コメント

このブログの人気の投稿

認知症診療セミナー