第3回関東脳核医学研究会

 ベルサール九段で開催された、第3回関東脳核医学研究会で、前頭側頭葉変性症(FTLD)の画像診断に関する講演をしました。
 島根大学の山本泰司先生からは、123I-IMP SPECTでのGraph Plot法についての講演がありました。昨今の脳神経外科の疲弊を考えると、動脈血採血が必要なARG法は負担になります。手術の途中でOPE室を抜け出すこともありますから。無採血の方法は期待できます。精度をどこまで妥協できるかにかかります。
 大阪大学精神医学の數井裕光先生からは、FTLDの症状についての講演がありました。「我が道を行く」性格、痛みに過剰な反応、常同行動、模倣行動、意味性認知症の病巣の左右の違いなど、興味あるお話でした。
 日本大学の泰羅雅登先生からは、頭頂葉の働き、特にナビゲーション機能についてのお話がありました。
 昭和大学の河村満先生からは、上側頭溝領域での生物の動き、視線の認知、眼差しの認知についての講演がありました。
 筑波大学宇野彰先生からは、学習障害(Learning Disorders:LD)のひとつ、発達性読み書き障害(dyslexia)についてのお話がありました。トムクルーズがdyslexiaの過去を明かしています
 東京大学発達医科学の水口雅先生からは、小児の脳死判定に関する講演がありました。重症頭部外傷の20%が被虐待児ですが、この場合は脳死判定基準からは外れます。東京大学放射線医学の百瀬敏光先生からは、脳死の画像診断についてお話がありました。SPECTではhollow scal signが特徴です。
 京都大学霊長類研究所の正高信男先生からは、自閉症・アスペルガー症候群などのLDでの、e-learningの試みについてのご講演がありました。LDが疾患とは認識されないので、放置されていることが多かったようです。オリジナルソフトによるe-learningが効果的なので、行政にも働きかけ様々な地域に広がりつつあるそうです。

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