デメンチアコングレスin Tokyo 2011

ロイヤルパークホテルで開催された、デメンチアコングレスin Tokyo 2011に行きました。
日本医科大学山崎峰雄先生からは、今年から日本でも選択肢が増えたアルツハイマー病薬の使い分けに関する講演がありました。donepezil3年間投与の効果についてはこちら。donepezilの高容量23mgの効果についてはこちら。galantamineについてはこちらもご参照ください。rivastigmineは日本ではパッチ剤のみ。経口薬では嘔気が多かったようで。butylcholinesterase(BuChE)を阻害します。イタリアでの3薬の比較はこちら。meta-analysisはこちら。客観的には3つに差がないということでした。memantineについてはこちらもご参照ください。JAMAの論文はこちら。donepeziにadd onで効果あり。PiBでワクチン療法の効果を見た論文はこちらこちら。この辺が、ADNIが目指していたところでしょうね。ADNIについてはこちら。山崎先生は介護負担のスケールをご検討中とか。
認知症介護研究・研修東京センターの長谷川和夫先生からは、認知症のケアや診察の手法についてのご講演がありました。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM)では、間もなくversion Vが予定されているとか。長谷川先生と言えば知能スケールですが、大学にいらっしゃるときは当然若い人たちがスケールを実施し、長谷川先生は数値を見ていました。しかし、最近クリニックの仕事もなさるようになると、ご自身でやらざるを得ない。しかし、自分でやることで、数値以上の情報がわかるようになったそうです。ちなみに、「100-7」の課題は、単なる計算ではありません。「93-7」をやっていただくのではなく、「100から7を順番に引いてください。」と命じ、「93」を記憶する注意力も見ています。それから、高学歴の方では認知症であっても満点を取ることがある、ということも強調されました。つまり、点数ではなく、「社会生活に支障を来す」状態を見よ、と。Tom Kitwoodのperson centered careのお話もございました。認知症の方は、下の絵のように(どなたがお書きかは失念してしまいました...)、認知症の方は照らされている足下は見えますが、遠くの顔のようなものは不気味に見えたり、周囲がよく認識できないことを理解すべきです。そして、目を見て話す、ゆっくり話す、ということも診療姿勢として大事であることも強調されました。
 最後に地域の連携も重要とのことでした。

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