第3回統合医療による認知症Gold-QPD公開育成講座

日本医科大学同窓会橘櫻会館で開催された、第3回統合医療による認知症Gold-QPD公開育成講座に行きました。
日本医科大学武蔵小杉病院黒川顕先生からは、高齢者の救急医療の問題点と、2010年にガイドラインが改訂された心肺蘇生術についてご講演がありました。
心肺蘇生ガイドラインのPDFファイルがこちらから。救急の現場では、搬送されれば気管内挿管など積極的に実施していくわけですが、後から到着した家族に、「そこまでして欲しくなかった...」と言われることも少なくないそうで。日本人も、お元気なうちに、自分の死について家族とお話し合いしていただきたいものです。そして、living willを文書に残しましょう。高齢者医療では、口腔ケアも重要であることも強調されました。口腔内の細菌が誤嚥性肺炎の起因菌になりますし、栄養を口から取ることも大事です。日本医科大学の付属病院のうち、千葉北総病院には歯科もありますし、摂食・嚥下障害看護の認定看護師もいます。千葉の脳卒中地域連携パスにも歯科が参加しています。
損害保険ジャパンの鴈金雅億さんからは、鍼灸師・柔道整復師の医療訴訟と損害保険についてご説明がありました。かつて患者の取り違えや謝った点滴など、重大な事故があり医療訴訟も多くなってきたそうです。このままでは、医療訴訟の保険もアメリカ並みに高額にせざるをえない事態になる可能性があったそうですが、最近は医療訴訟が減ってきたとか。各医療機関や医療機器・製薬メーカーが、ヒヤリハット報告や接続部の工夫など、医療事故を防ぐ努力をしてきたからでしょう。
舞浜倶楽部の佐藤光男さんは、東日本大震災で液状化現象で被害が大きかった浦安にある同施設がどんな対応をしたか、ご呈示されました。舞浜倶楽部へは、脳卒中地域連携パスの協力依頼や認知症患者の診療で何度か伺っておりました。立派な建物ですが、実はソフトの部分が素晴らしいことがわかりました。阪神淡路大震災の経験者がスタッフにいたため、大災害に対応できるよう事前の準備がされていました。社宅制度は、若いスタッフを中心に職場近くに住まわせ、災害時も自転車や徒歩で出勤できました。そういえば、私は震災当日は自宅近くの病院にバイト、歩いて帰宅しましたが、翌日土曜日は日本医科大学付属病院に出勤できませんでした。日曜日を挟んで月曜日も電車が動かず、隣の駅からつくばエキスプレスに乗ろうと思っても駅に入るのに数時間... 車で何とか出勤したなあ。でもガソリンが尽きて、次の日から長時間の電車待ち... 舞浜倶楽部は被害を免れた施設を一般にも提供されました。介護サービスもいち早く再開。「民間でできるのに浦安市は...」ということで、自治体の介護施設も再開していったそうです。民間・市町村の対応に比べて、国の動きの遅いこと... おむつなどを使った使い捨てトイレの作り方は、介護スタッフが勉強していた。建築業者が簡易トイレをご提供、備蓄していた水も3日でつきましたが、自衛隊の給水サービスが来て。入居者の健康や精神状態も心配されましたが、皆さん戦争を乗り越えてこられた方々。むしろスタッフの精神的ケアが必要でした。どうでしょう、今後のために、介護施設の震災時の対応を本にしては。英語や中国語にすれば、世界の災害にも貢献できます。私の震災支援はこちらこちら

2012年2月11日に開催される「認知症市民公開講座ー都市部での認知症の治療とケア」はこちらをご覧ください。

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