東京Epilepsyカンファレンス2013

都市センターホテルで東京Epilepsyカンファレンス2013が開催されました。
ただ、外来終了直前に続けざまに搬送があって、日本医科大学の神谷信雄先生の演題は間に合いませんでした...

杏林大学の田中雅貴先生からは、心臓血管外科手術後の痙攣についてのご発表でした。やはり脳梗塞が多いようで。特に、体外循環時間・手術時間が長い場合、トラネキサム酸が投与された場合に多い。トラネキサム酸はGABAA受容体アンタゴニストと作用し、痙攣が多くなるようです。こんな論文がありました。

静岡てんかん・神経医療センターの寺田清人先生からは、脳波判読のレクチャーがありました。たいへん勉強になりました。日本臨床神経生理学会の「モノグラフ臨床脳波を基礎から学ぶ人のために」はこちらに購入方法が書いてあります。てんかん波は広がりをもっているので、phase reversalがある。てんかん放電は立ち上がりは急峻、戻りの振幅の方が長く、後に徐波を伴う。部分てんかんはbipolarが見やすい。筋電図と棘波の区別は、デジタル脳波だったら時間軸を5 secなどに延ばし、やはり縦なら筋電図、棘波は波形が伸びる。蝶形骨電極は側頭葉てんかんの診断に有用、T1・T2で代用することも。ictal speechは右の焦点(言語野が右なら逆)。non-epileptic seizureも注意、QT延長症候群なら発作時に徐波。心因性の場合は発作時脳波が正常。ビデオ脳波は重要です。私はデジタル脳波の利点を十分利用していなかったので、明日からは時間かけて読影します...

産業医科大学から国際医療福祉大学に移られた辻貞俊先生は高齢者てんかんの特徴と改正道路交通法についてのご講演でした。まずは数々の症例提示。視床下部過誤腫による笑い発作。心因性は、てんかんセンターに紹介される難治例の20%とか。てんかん発作の頻度は意外に少なく、1年発作がない患者はとても多い。こちら。高齢者のてんかんは、発作時間は長くもうろう状態のことがある。複雑部分発作が多い。1/3が正常脳波。成人発症のてんかんは2回目の発作があるのが35%なので初回は抗てんかん薬を投与しないですが、高齢者は再発が69〜90%と多いので、初回から治療介入する。

コメント

このブログの人気の投稿

認知症診療セミナー