痙縮に対するボツリヌス療法ハンズオンセミナー

浅草ビューホテルで開催された、「痙縮に対するボツリヌス療法ハンズオンセミナー」に参加しました。講師は帝京平成大学健康メディカル学部理学療法科の栢森良二教授。



ボツリヌス毒素はA〜Hまでわかっていて、アセチルコリンの放出を抑制します。ボトックスはA型。使用する針は細い方が痛みが少なく、長ければ奥までさせますが、不安定になります。太い注射器を使うと、注射時に針が外れ、高額なボトックスを無駄にしてしまいます。27G(外径0.40mm)で長さ38mmの針がどこにでも打てて便利と。注射器も2mlのものが打ちやすいが、注射器をいくつも準備しなければならないのと、針内に残存するボトックスが多くなってしまう。
2.0mlを50単位
100単位を4.1mlに溶解する(注射針内の残存も考慮)
痙縮の評価にはmodified Ashworth Scale(MAS)を使用(0, 1, +1, 2, 3, 4)。1段階低くするのを目標。
上肢痙縮は1回240単位、下肢痙縮は1回300単位が上限。これらを複数に分けて筋注します。効果不足のこともあるが、それでも、分割して複数箇所に投与し、効果をみることが、次の施術に有用な情報をもたらすと。
残ったボトックスはトレーに入れた0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ハイター)を使用した注射器・針などを5分間入れて死活化させ、医療廃棄物として処理。残ったハイターは下水道に。

上肢は、まず、大胸筋、上腕二頭筋、上腕筋。そして必ずストレッチを行う。上腕二頭筋は外側と内側1カ所ずつ。橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、長母指屈筋、浅指屈筋。深指屈筋は小指から示指へ表面から深部にあり、示指は4cmの針で届かないことも。

下肢は、長内転筋、短内転筋。はさみ足が改善し、オムツ替えが容易に。腓腹筋は2関節筋、ヒラメ筋は1関節筋。膝を曲げた状態で足関節を屈曲すると、どちらが痙縮ががわかる。後脛骨筋は脛骨の後部にあり、仰臥位では股関節を凱旋させると触知しやすい。足が太ければ遠位部で打つ。

痙縮がある筋は固い。

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