the MDS 20th International Congress of Parkinson's disease and movement disorders

CityCube Berlinでthe MDS 20th International Congress of Parkinson's disease and movement disordersが開催中です。今日で終了。

私は、代謝型グルタミン酸受容体1型(mGluR1)を画像化する11C-ITMM PETを用いた研究を報告しました。抄録はこちら。小脳半球・側頭葉・頭頂葉で分布容積比が低下していました。この解釈は幾つかできます。
1) ドパミン欠乏で大脳基底核回路からの出力は大脳皮質に対し抑制性、その代償で小脳へのグルタミン酸が増加しITMMと競合
2) 大脳基底核回路からの抑制性信号が長期間小脳に伝わり受容体も減少
3) パーキンソニズムにより「動きにくい状態」、小脳は「余計に動くな」という回路なので、固縮・稼働の代償としてmGluR1が減少

今後、固縮・振戦など症状との関連、左右差のとの関連などを精査していきます。

PETのスペシャリストが多く見に来られ、動態解析など方法論のことを聞かれました。

ベルリンというと第二次世界大戦。かつてoperetion T4などおぞましいことがあったわけです。今は非侵襲的に脳内の受容体を観察したりできます。しかし、一つ間違えれば、医学研究は過去の二の舞になりかねません。ヘルシンキ宣言などを経て、現在は各施設に倫理委員会が設けら必ず第三者のチェックが入って、そこでOKが出て初めて研究が始められる時代になりました。



今回の学会のトピックスは前駆症状・遺伝子と表現系・テクノロジー。Grand Roundは実際の患者さんにもご参加いただき症例検討会ですが、DYT11、PINK1、DYT12、Louis-Bar Syndrome、SCA2と答えは遺伝子診断。ポスターでは脳深部刺激療法の演題が多数ありました。αSynclein PETの演題は1つ。ヒトへの応用の可能性についてはsecretだそうで。

ベルリンの気候は適度に涼しく、過ごしやすい時期でした。

下畑先生のブログに感化され、Romberg先生の墓碑にお参り。


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