まずはカロリンスカ研究所のLars Farde先生より神経科学の分子イメージングの講演を聴きました。おそらくPMODで作ったと思われる、セロトニン受容体のPETのvolume renderingがクルクル回っていました。先日のPMODワークショップのときは、頭のPETで3D画像はピンとこなかったのですが、脳内に限局的に分布する受容体の画像は、3Dにすると脳内の分布がイメージしやすいです。アデノシンA2A受容体画像もそのうちクルクル回してみせましょう。 精神神経疾患のイメージングのシンポジウムでは、岩手医大の佐々木真理先生から、3テスラMRIによる神経メラニン画像のお話がありました。鉄の沈着の影響を受けやすくその補正が必要とのことですが、パーキンソン病の診療には期待大です。Sasaki,M et al., Neuroreport. 17(11):1215-1218, July 31, 2006とShibata E,et al., Neuroreport. 2007 Mar 26;18(5):415-8.をご覧ください。 イエール大学のRichard E. Carson先生は、動態解析のご講演がありました。高解像度のPETでは、内頚動脈がMRAなみに描出され、そのカウントの変化をinput functionにできるようです。 ランチョンセミナーでは、筑波大学の浅田隆先生の認知症の診察のレクチャーを聴けました。まず炊事・買物ができなくなり、次に掃除、洗濯は最後にできなくなる。連続テレビドラマを好む方はまだ軽症、昨日のストーリーを覚えていないと面白くないからです。ある程度進行すると歌番組や相撲が好まれるそうです。瞬間瞬間で楽しめるから。その中間が水戸黄門と。一晩で完結するし、途中がわからなくても結末は理解できるということ? HDS-Rでは、「桜・猫・電車」などの遅延再生が重要だそうです。その間に行う計算は、「100から連続して7を引いてください」と言うべきで、「93-7は?」ではないそうです。柏手を打って、そのまま左右の親指と小指をくっつけて花を作り、次に回転して右手の親指と左手の小指、左手の小指と右手の親指をつけるという動作が、アルツハイマー病ではできなくなる。時計描写も有効です。大きな丸を書いて、時計の文字盤を書いてもらうと、通常は12・6・3・9を書いて間を埋...