第2回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス:2

 今日はポスター発表、その後の昼休みに龍安寺に行ってきました。

 午後は脳機能画像のシンポジウムがあり、篠遠仁先生からアセチルコリンエステラーゼ活性のPET、久留米大学谷脇孝恭先生からうつと振戦のドパミン系PET、金沢大学山田正仁先生からはアルツハイマー病とレビー小体型認知症の画像についてのお話がありました。司会の国立精神神経センター久野貞子先生からは、「日本ではMIBG心筋シンチが盛んに行われているが、欧米でも認められているドパミントランスポータSPECTの保険適応を学会として進めるべきでは」とのご意見が出されました。しかし山田先生がおっしゃったように、本態性振戦とパーキンソン病・パーキンソニズムとは区別できますが、パーキンソニズムの鑑別診断はできません。パーキンソン病でも多系統萎縮症でも進行性核上性麻痺でも、被殻のドパミントランスポータは低下するからです。パーキンソニズムの鑑別には、FDG PETが有用です。レビー小体型認知症は後頭葉、進行性核上性麻痺は前頭葉・線条体・中脳、多系統萎縮症は線条体(小脳)のブドウ糖代謝が低下します。パーキンソン病では線条体の代謝が亢進しますが、後頭葉が低下するという研究結果がいくつかあります。
 ビデオセッションでは北祐会病院田代邦雄先生から、不随意運動のビデオ(昔の8mmをコンバートしたものもありました)レクチャーがありました。
 その後はビデオディナー、夜遅くまで熱心なdiscussionが続きました。2~3分のビデオを見て不随意運動患者の診断などをdiscussionするものでしたが、あれだけの日本の専門家が集まるとポンポン答えが出てきて爽快でした。私はまだまだ勉強不足です。の国立精神神経センター岡本智子先生から、MRIなどから進行性核上性麻痺と診断された症例が出てきましたが、FDG PETでは、前頭葉の代謝低下はありましたが、線条体がむしろ亢進していました。L-DOPAが効果があったとのこと、進行性核上性麻痺でもドパミン受容体が保たれていている場合があり得るということでしょうか?先ほどの鑑別診断の話もそう単純ではありません... 最後は鈴江病院の七條文雄先生からは、患者様のビデオを提示するとき個人情報を保護するために、顔面などのマスクをかける方法の提示がありました。私はMac上でFinal Cut Expressを使用していますが、七條先生も同じでした。私は、元画像をレイヤー1とし、マスクをかける部分をくりぬいてガウスのブラーをかけて、もとの画像にスーパーインポーズしていました。七條先生は下のレイヤーには元画像全体にブラーをかけ、マスクしたい部分をくりぬいたものをスーパーインポーズしていました。こちらの方が周囲がクリアーにぼかしがかけられます。

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