第3回地域連携心筋梗塞パス協議会

 日本医科大学千葉北総病院で開催された、第3回地域連携心筋梗塞パス協議会に参加しました。
 循環器内科の山本先生からは、抗血小板療法を自己中断されたためステント血栓症になった症例が報告されました。パスを使ったのですが、退院後そのまま受診されなかったそうです。再発後はきちんと通院されているとか。集中治療室畑先生のお話では、以前の班研究で、脳梗塞のコンプライアンスは99%、心筋梗塞は88%くらいだったそうです。脳梗塞の患者さんは何らかの障害を持って退院されることが多いですが、循環器の先生は名医なので患者さんたちはピンピンした状態で退院されるから(神経内科はヤブ医者)、中には病識が少ないためでしょうか。山本先生によると、ステント後の閉塞は術後2〜3日後が多いのですが、遅発性に起こるものは自己中断が多いとか。それなりの頻度があるとすると、患者個人の性格の問題だけではなく、服薬指導の徹底が非常に重要です。
 パスの会議では、こういったうまくいかなかった事例の検討が有用なことがわかりました。今後の脳卒中地域連携パス会議にも取り入れたいと思います。
 循環器内科雪吹先生からは、千葉県共用パスについてプレゼンテーションがありました。印旛脳卒中地域連携パスでも、日本医科大学千葉北総病院脳神経センターだけ県共用パスへの切り替えができていないのですが、循環器内科も先行して使用していた独自のパスから切り替えていません。県共用パスはこの独自パスをたたき台にして作られたものですが、並べて見比べても、独自パスはよくできているように思います。禁煙指導が入っていなかったと雪吹先生のご意見がありましたが、これは脳卒中地域連携パスでもまねしたいと思います。
 集中治療室畑先生からは、CCUが行っている診断・治療について講演がありました。脳卒中と同時に合併することもあり、tPA時に大動脈解離を見逃すと大変なことになりますから、勉強になりました。急性の循環器疾患でも、紹介状を持って翌日来院されることが時々あるそうで、診断を付ける前でも不安定なら(あるいは不安なら)すぐに搬送を、と強調されていました。脳卒中でも同様です。MRI・頚動脈ECHOなどさんざん検査したあげく、ベッドがないので転送、というくらいなら、最初から取らないでほしい場合もございます(超急性期など)。

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