第49回千葉核医学研究会

 京葉銀行文化プラザで開催された、第49回千葉核医学研究会において、Dr.ViewをMacで起動する方法を発表しました。
 最近お世話になっている千葉療護センターの内野福生先生からは、脳のPETに合わせて全身のPET-CTを併用する意義が提示されました。転移性脳腫瘍と思われた症例で、実は重複癌である場合があるようです。
 放射線医学研究所の島田斉先生からは、レヴィ小体病でのアミロイドPETの検討が報告されました。アミロイドの毒性は特に側頭葉内側面で多いようで
 虎の門病院丸野廣大先生からは、心臓核医学の教育講演がありました。心筋のviabilityの有無で血行再建術の効果がわかります。アデノシン負荷は120μg/kg/minを6分間。12時間前よりカフェイン摂取の制限。CKDでは特にSPECTで評価を。
 岩手医科大学の小笠原邦昭先生からは、脳血管障害に対する手術適応にSPECTを応用した研究について講演がありました。脳循環予備能が不良だと脳梗塞に移行しやすいのはあきらかです(こちらこちら)。しかも発作が起こるとしたら1年以内。ということでバイパス術がでてきます。CEAやCASの合併症もSPECTで予測可能。塞栓が術中飛ぶことがあるが、これが脳梗塞になる場合とならない場合があるそうで。これを術前のSPECTで血管反応性が不良例で脳梗塞が多いことを証明されましたCASでも同様のようです。過灌流も予測可能。出血も1%ありますが、高次脳機能障害が問題です。CASでも出血が予想可能、その場合はCEAにすべきだそうです。てんかん焦点に用いる123I-iomazenil SPECTは、iomazenilが結合するベンゾジアゼピン受容体がGABA受容体と複合体を形成し神経細胞に広く分布することから、神経細胞のマーカーと考えられています。そして、てんかん焦点が神経細胞の減少として捉えられるとされてきました。しかし小笠原先生の自験例で、123I-iomazenil SPECTの可逆性を証明されました。類似の症例は私たちも経験しました。神経細胞は短期間で復活したりしませんから、私たちはこれの減少をGABA受容体の変化と考えました。つまり、抑制性のGABA系が減少することで神経活動が活発になりすぎているのがてんかんと考えました。小笠原先生は、さらにバイパス術適応に123I-iomazenil SPECTを応用した論文を投稿中だそうです。

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