Adenosine A1 receptor

先日神経学会総会でアデノシンA2A受容体にくらべA1受容体の研究が少ないとしゃべったばかりですが、針治療の効果にアデノシンA1受容体が関与する、という論文がNature Neuroscienceにでていました。同じグループは、DBSもアデノシンA1受容体が重要という論文を出しています。

コメント

匿名 さんのコメント…
お尋ねします。
抗パーキンソン病の作用薬の一つとしてカフェインが取り上げられていますが、非選択的ではありますがADrの阻害作用によるものと解釈すると、カフェインの代謝に関係しているMAOに対してMAO-B阻害剤を服用している理論に矛盾が生じませんか?

宜しくお願いいたします。
           
MM さんの投稿…
 興味あるコメントありがとうございます。

 正確に書きますと、抗パーキンソン病薬としてカフェインが注目された時期がありましたが、臨床研究では有効性が証明されませんでした。気管支拡張剤のテオフィリンも同様でした。この2者は、アデノシンA2A受容体拮抗薬ですが、アデノシンA1受容体拮抗薬でもあります。アデノシンA2A受容体の選択性が高い薬は有効性が証明されています。アデノシンA2A受容体はちょうどドパミンD2受容体と逆の作用があります。ですからアデノシンA2A受容体を押さえると、パーキンソン病が改善します。こちらをご覧ください。
http://plaza.umin.ac.jp/~mishina/PDF/AdenosineA2AReceptors.pdf

 さて、そのカフェインが、MAO-B阻害剤で代謝が障害されるのは知りませんでした(http://ja.wikipedia.org/wiki/カフェイン)。でも、阻害されて代謝が遅くなると、カフェインが残存し、アデノシンA2A受容体をブロックするので、相乗効果でパーキンソニズムが改善するのだろうと思います。

 お答えになっていますでしょうか?

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