放射線医学研究所を訪問し、marmosetのパーキンソン病モデルを見せていただきました。今日の注目の論文は、実験動物中央研究所の安東先生のものです。 Ando, K., Maeda, J., Inaji, M., Okauchi, T., Obayashi, S., Higuchi, M., Suhara, T. and Tanioka, Y. Neurobehavioral protection by single dose l -deprenyl against MPTP-induced parkinsonism in common marmosets Psychopharmacology 195 p509-516 2007
コメント
抗パーキンソン病の作用薬の一つとしてカフェインが取り上げられていますが、非選択的ではありますがADrの阻害作用によるものと解釈すると、カフェインの代謝に関係しているMAOに対してMAO-B阻害剤を服用している理論に矛盾が生じませんか?
宜しくお願いいたします。
正確に書きますと、抗パーキンソン病薬としてカフェインが注目された時期がありましたが、臨床研究では有効性が証明されませんでした。気管支拡張剤のテオフィリンも同様でした。この2者は、アデノシンA2A受容体拮抗薬ですが、アデノシンA1受容体拮抗薬でもあります。アデノシンA2A受容体の選択性が高い薬は有効性が証明されています。アデノシンA2A受容体はちょうどドパミンD2受容体と逆の作用があります。ですからアデノシンA2A受容体を押さえると、パーキンソン病が改善します。こちらをご覧ください。
http://plaza.umin.ac.jp/~mishina/PDF/AdenosineA2AReceptors.pdf
さて、そのカフェインが、MAO-B阻害剤で代謝が障害されるのは知りませんでした(http://ja.wikipedia.org/wiki/カフェイン)。でも、阻害されて代謝が遅くなると、カフェインが残存し、アデノシンA2A受容体をブロックするので、相乗効果でパーキンソニズムが改善するのだろうと思います。
お答えになっていますでしょうか?