第1回千駄木Strokeカンファレンス


 フォーシーズンズホテルで開催された、第1回千駄木Strokeカンファレンスに参加しました。
 順天堂大学卜部貴夫先生から、PDE3阻害薬であるcilostazolの深部白質病変への影響についてご講演がありました。PDE3を阻害することでcAMPが増加、eNOS→p-eNOS、CREB→p-CREB、Bcl-2の増加、COX-2合成促進など変化をもたらし、細胞新生・分化・抗apoptosis・学習効果につながるそうです。その論文はこちら。慢性虚血モデルに関するreviewはこちら。白質病変の保護効果についてはこちら。cilostazolがTHの増加→サブスタンスPの増加→誤嚥性肺炎の予防に関する論文はこちら
 立川病院篠原幸人先生からは、CSPS IIの結果のご報告がありました。2010年2月24〜26日San Antonioで開催されたInternational Stroke Conference 2010のLate-Breaking Scienceに選択されたわけですが、当日朝に記者会見があったり、特設スタジオでのインタビューがあったりと、大変だったそうです。Cilostazol Stroke Prevention Study(CSPS)はcilostazolとプラセボとの比較でしたが、CSPS IIではアスピリンとの比較。非劣性の基準、ハザード比の95%信頼区間上限値1.33以下をクリアしました。同時期に実施されたCilostazol versus Aspirin for Secondary Ischaemic Stroke Prevention(CASISP)では、有意差がでなかったようですが、評価期間が短かったようです。抗血小板剤の有効性については万人が認めるところですが、Number needed to treat(NNT、N Engl J Medの論文はこちら)にするとアスピリンは25例の治療で1例。CSPSでは18.7。これをどう評価するか。

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