千葉県介護支援専門員協議会第49回研修会

 千葉県教育会館で開催された、千葉県介護支援専門員協議会第49回研修会で、脳卒中地域連携パスの講演をしました。医療崩壊の千葉県は、各施設が連携して効率の良い医療が必要で、その道具として脳卒中地域連携パスがあります。回復期リハビリテーション病院を退院し、介護でリハビリテーションを継続する患者さんの中には、「回復期リハビリテーション病院を追い出された」と落ちこんでいる方もいらっしゃるそうで、介護の現場ではその心のケアもやる必要があるそうです。リハビリテーションの継続は大事なのですが、その目的は、ご自宅に帰ることなので... 千葉県共用パスの連携シートや、高齢者福祉課が作成した介護用の連携シート、地域で独自に作成したシートなど、現場の混乱もあるようで。

 さくさべ坂通り診療所の大岩孝司先生からは、末期がんの在宅緩和ケアのご講演がありました。末期がんの方は1〜3ヶ月で他界されますから、年余の介護が続く脳卒中や認知症の介護とは違いがあります。末期がんでは疼痛に対しモルヒネが使用されますが、この痛みも、実は、自分の病状への不安が痛みの閾値を下げているそうなのです。病状の説明、残された時間に限界があることを認識いただくことが、閾値を上げ、モルヒネも不要になるそうです。認知症のケアにも似ています。アルツハイマー病は正確が朗らかな方が多いのが前頭側頭型認知症との大きな違いですが、アルツハイマー病の方でも、暴言・暴力が出てくることがあります。でも多くの場合、自分が訴えたいことが伝わらない、自分がしたことを覚えていないので周囲との認識の差がでてしまい、イライラしてしまうわけです。患者さんが考えていることを周囲が予想してあげることで、落ち着きます。認知症ケアの得意なグループホームや老人ホームでは、薬剤を使わなくても認知症患者さんが落ち着いた生活を送れます。
 千葉県千葉リハビリテーションセンターの田中康之先生からは、ケアプラン立案での連携についてのお話でした。脳卒中患者に多業種が関与する時、役割の分担が大事になりますが、誰が何を担当するのかを理解することが重要で、本来の業務を超える部分を誰かが担わなければならないことを認識する必要があるそうです。
 千葉県介護支援専門員協議会理事の大塚剛先生からは、千葉県共用脳卒中地域連携パスをケアプランにどう役立てていくか、解説がありました。国際生活機能分類:International Classification of Functioning, Disability and Health(ICF)を用いて整理すると良いそうです。

 千葉県介護支援専門員協議会理事長水野谷繁先生の開会のご挨拶では、介護に対する政策の変化が、現場に混乱をもたらしているようです。ケアプランの有料化、生活援助の縮小など、確かに介護に対する予算の限界があるのでやむを得ないのかもしれませんが、現場はそんな余裕はないわけで、やっぱりヨーロッパのように消費税20%にしないとダメでしょうね。

 私の講演で楽屋をご用意いただけることは滅多にありません。

 千葉モノレールで帰りました。

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